こんな賃貸物件借りて失敗しました(後編)

 

みなさんこんにちは(「「先生こんにちは!」」)

 

今回は、前の続きとして、俺がこれまでに住んだ賃貸物件に関する様々な失敗(「洗面所から毎日汚水の臭いがする」「毎日隣の部屋から養豚の鳴き声が止まらない」など)の話をする。

 

ちなみに、今回からの引っ越しについては転勤に伴うものでなく、「更新料」を支払うことが嫌で、契約期間満了と同時に別の物件に移ったものだ。

 

話が逸れるが、更新料とは何かを簡潔に説明しよう。

まず、君は賃貸物件を借り、毎月の家賃をしっかり支払いつつ、契約期間である2年間ほどそこへ住むとする。

そして、2年目のある日、突然あたまがおかしくなり、1ヶ月分の家賃と同額のお金を銀行から引き出し、これを理由なくビリビリに破いて川へ投げ捨てる。

以上が更新料の説明だ。

ウオッカを10リットルほど一気に飲まされたってこんなバカな真似はしないだろう。だがこの国では、契約期間を過ぎても継続して賃貸物件に住み続けるにあたっては、このようなバカな真似をしなければならないのだ。

 

商品をまとめ買いしたり、長期間の契約を結んだりした場合は、むしろ代金を安くしてくれるのが普通なのだが(こうしたものを「リベート」という)、商品をたくさん買うことでむしろお金を余計に支払わなければいけないのはこの地球上で賃貸物件だけだと思われる。

 

ただし、更新料が嫌だと行っても、近所の空き地の土管に湿ったブランケットを敷いて寝るわけにもいかないから、おとなしく更新をするか、さもなくば引っ越しをするかのどちらかしかない。

そして、引っ越しをする場合は、引っ越し代や礼金、仲介手数料などがかかってくるから、たいていはこのバカでアホみたいな更新料を支払うほうが安くなるようだ。

 

不動産屋はそれを知っているから「どうせ引っ越ししないんでしょwそっちのほうが高くつきますもんねw」などと言って、全く根拠のないお金を請求してくるのだ。

これがヤクザの商売でなくて一体何なんだ。

 

ただ、こうした商売が成り立つこともまた、市場経済の結果のひとつだと思う。俺は自由な市場を愛するから、そういう商売についてとやかく言うつもりはない。

とやかく言うつもりはないが、できればそうした更新料を請求してきた不動産屋については最低でも死刑以上の刑罰がくだされるような刑法の改正を行ってほしいと心の底から思っている。

 

以上のように更新料については親のカタキのように憎んでいるから、契約期間満了と同時に俺は引っ越すことに決めた。

 

ただ、それだとやはり引っ越し代だけ余計に支払って損をするから、引っ越し先については、今住んでいる部屋よりも家賃が安い物件を選ぶことにした。

このようにすると、引っ越しした時点では損をするものの、新しい賃貸で暮らす2年間トータルの費用で考えれば、家賃の差額分で(新しい部屋のほうが家賃が安いので、結果的に)プラスマイナスゼロとなるのだ。

 

この方式を考えついたとき、俺はひとり「やった」とつぶやいたのです。

更新料を全く支払わず、かつ、長期的に見ればまったく損をすることが無い方法をついに考えだしたのだ。ノーベル賞のいずれかをもらったっておかしくない。

 

ただ、ひとつだけこの理論の難点を指摘すると、この方式だと、新しい部屋は今の部屋よりも必ず家賃が安くなければならないから、何回か引っ越しを繰り返した時点で「新しい部屋の家賃は毎月40円以下でなければならない」とかになってしまい、結局は近所の土管に湿ったブランケットを敷いて寝るはめになる。

 いつまで待ってもスウェーデンノーベル賞選考委員会から電話がかかってこないと思ったらこんな問題があったんだな。

 

更新料についての俺の考えはこれで終わりだから、ようやく本題へ入ることとする。

 

 

 

【4軒目】     

築  :12年

間取り:1K(リビング9畳)

交 通:最寄りの駅まで30秒(駅から職場までは30分)

 

  • 失敗のポイント:駅まで近すぎて失敗。

 

さすがに引っ越しにも慣れてきたこともあって、賃貸物件4軒目となる今回はこれまでで最大に失敗した部屋となった。

 

こうまで自分に学習能力がないと、俺の頭蓋骨の中には脳みそでなくてちょっと大きめのマリモが入っているんじゃないかと心配になる。

 

失敗のポイントにもあるとおり、今回の物件はあまりにも駅から近かった。

どのくらい駅チカの物件かというと、マンションの入り口が駅のロータリーに面している。これ以上に駅に近いところに住んでいる人となると、駅の構内に段ボールを敷いて寝ている人たちくらいしかいないくらいだ。

 

この物件を見た時の俺はこう思った。これほど駅が近いのにむしろ家賃が下がるなんて幻か? 幻の大地か? そして間取りもいいし、きちんとした鉄筋コンクリート造のようだし、まさに掘り出し物の優良物件だ。どうしてみんなここへ住まないのだろう?? その物件で過ごす最初の夜まではそう思っていた(本物件では住んだことを後悔するスピードについても最短記録を叩き出した)。

 

夜になった。

深夜0時になっても、駅前には電光掲示板やデパートのネオンが煌々と輝いている。その光が直接部屋に流れ込んでくるから、カーテンを締めていても部屋が昼間のような明るさだ。

おまけに、深夜の2時くらいまで酔っ払った大学生の喧騒が聞こえてくる(酷い時は大喧嘩をしている)。もちろん覚悟していた電車の音も凄い。

 

ここで、ここの部屋の家賃が異様に安い理由がわかった。

駅に近いのは住環境にとって良いことだが、あまりに駅に近すぎると今度は急激にストレスが溜まり、とてもじゃないが住める環境ではなくなってしまうのだ。

ギリシャ神話のなかに、イカロスがあまりに太陽に近づきすぎたために蝋で出来た羽が溶けて落ちてしまったという話があるが、あれの賃貸物件バージョンだ。

 

そんなの内見した時に気が付かなかったのか?? という疑問はもっともだが、内見ってフツーは昼間に行くんだよな。で、お昼の駅前って意外と静かだったりする(少なくとも酒に酔っ払って騒いでいるヤツはそういない)。

 

また、昼間はネオンも輝いていないし、電光掲示板の光も気にならない。それが夜になると、こんなにも凄まじい環境になるだなんて想像もしなかった。

 

内見については、前回も「なるべく天気が悪い日にいけ」と述べたが、この失敗から学べるもうひとつのポイントがあって、それは「夜に行け」いうことだ。

(そのふたつのアドバイスを組み合わせると、内見は豪雨の夜中に行くのが良いという結論となる。さすがの不動産屋からも「もう来んな」と出入り禁止になりそうな客だ。)

 

ただし、現実問題として、業者は夜間の内見を受け付けない(鍵をオーナーから借りてこないといけないし、そもそも空き物件には照明だってついてない)から、完全に日が沈む前の夕方ごろに内見するのがせいぜいだ。だとしても、一度は夜間に自分で物件を見に行ったほうがいいと思う。

煌々と輝く看板ひとつでもありゃ、夜は明るくて寝られやしないぞ。

そうしたことを怠った罰として、ネオンのまばゆい光、パチンコ屋や酔っ払いの喧騒、あるいは電車の轟音に包まれながら、俺はそこで2年間を過ごすのであった。

 

 

【5軒目】

築  :10年

間取り:1K(リビング9畳)

交 通:最寄りの駅まで徒歩3分

その他:追い焚き、独立洗面台、浴室内乾燥機つき、鉄筋コンクリート

家賃:65,000円

 

  • 失敗のポイント:とくになし。これまでで最高の物件。

 

前回までの失敗をついに反省した俺は(遅っせえええええええよ)、今回の引っ越しにあたっては、

 

・引っ越しまで半年間ものリサーチ期間を費やし、

・自分にとって必要な間取りをきちんと見極め

・天気の悪い夕方以降に内見をし(それも何回も)

・快速電車の止まらない駅が最寄りで

・駅のロータリーに面しているようなバカな物件を避けた

(駅までは徒歩3分と近いが、快速の止まらない寂れた駅なので静かだ)

 

その結果、これまでの物件選びの中で最高の居住環境となった。

部屋は8畳弱だが、本棚やベッド、電子ピアノを置いても余裕があったし、築10年で内装も綺麗。しかも礼金なし。家賃も6万円台。

やっぱり快速の止まらない不人気な駅というのは、家賃の面でも非常に割がいいと再認識した。これが同じ路線でも、それなりに駅前にお店があって、なおかつ快速もとまるような駅で同じ家賃の物件を探すとすれば、確実に駅から徒歩10分以上は歩く必要があるだろう。

 

どうしたらこうした物件を探し当てることができるのか?

上に挙げたような基本的な努力を行いつつ、更に繰り返し内見に行くことだと思う。周辺環境や物件の丈夫さ、部屋の広さを確認するためには、内見は1回や2回では足りないんだ。

何度も不動産屋を煩わせて申し訳ないという気持ちがあって、なんとなく1回だけ内見にいって住むか住まないか決めてしまいがちだが、これは不動産屋を変えてでも同じ物件には3回以上行ったほうがいい。

物件への満足度は、その物件を探すことに費やした時間と、内見の回数に正比例する。

 

ちなみに、この物件についてただひとつだけ「あれ?」と思った点を挙げると、部屋全体の空気の通りがやや悪いらしく、キッチンで何か煙の出る料理をすると、窓などを開けたりしないといっきに煙が充満してしまう。

換気扇の性能が悪いのかもしれない(内見時にガスコンロで豚肉を炒めるわけにいかないからこれはわからなかった)。

その悪い換気のおかげで、住んでから半年後のある日俺の部屋に消防隊員と警察官がやってくるという体験をしたのだが、まあそれは別の話・・・。

 

 

【6軒目】

築  :10年程度

交 通:最寄りの駅まで徒歩7分

その他:重量鉄骨造

 

  • 失敗のポイント:鉄骨って何かわかっていなくて失敗

 

前回の引っ越しで最高の物件を引き当てた俺にはもう怖いものはない。これからは「賃貸物件評論家」と名刺に表記できるくらいだ。もはやこれまでの俺ではない。そんな自信とともに選んだ次の物件では、これまでの俺どおりに大失敗して無事に死亡した。

 

というのも今回の物件は、上の階の足音だとか、掃除機をかける音、引き戸の音などがかなりダイレクトに聞こえてくる。まるで同じ部屋に住んでいるかのようだ。

夜も0時くらいにドタドタしていると気になって寝られない。外の階段を登る音ですら響いてくる。部屋のどのあたりを歩いているかがよくわかる。

話し声などは全く聞こえないんだが、とにかく振動がよく響く。木造アパートでもないのにどうしてこんなことになっているんだ?

 

それは、このマンションが「鉄骨造」なことによるものだった。

社宅を含めて7回ほど引っ越しをしている俺は、鉄筋コンクリートと鉄骨の違いがわかっていなかったんだ。マジかよって思うよな。そうした罵倒や軽蔑は甘んじて受ける。

実際、これまでの引っ越しでは「木造じゃなかったら何でもいいやw」くらいに思っていて、鉄筋コンクリートと鉄骨は「なんか同じ鉄って書いてあるし似たようなもんでしょ」くらいに思っていた。これがまるで違う。

 

「鉄」と書いてあるからといって「鉄筋コンクリート」と「鉄骨」を同じにするのは、同じ「安」がついているからって安藤美姫安倍晋三を一緒にするくらい致命的な誤りだ。いくらスケート靴と可愛らしい衣装を着せたところで安倍晋三トリプルアクセルを飛ぶことはおそらく無いだろう。

 

俺が調べたところによると、鉄骨とは、骨組みは鉄で作りつつ、部屋と部屋の間(上下左右)は木のパネルなどで仕切られているだけの物件だ。

木だよ木! つまり「鉄骨」ってのは、骨組み以外は木造のことを言うんだな。

どうりで内見した時に、壁をコンコンやったら不動産屋が慌てて「コンクリ入ってないんでやめてください!」と止めにきたもんだ。これが鉄筋コンクリートならば音や振動を吸収してくれるが、鉄骨はあくまで骨組みが鉄なだけだから、上下左右からくる音や振動を吸収する効果はまるでない。要するに「鉄骨」とか言っているものの、音と振動に関しては木造と同じ(あるいはそれ以下)なんだ。

 

俺がこのことに気がついたのは、入居後しばらくして、あまりに響く上階の足音の大きさにびっくりした後のことだった。

 

ちなみに俺が住んでいるのは、正確には「重量鉄骨」と言われるものだが、これは骨組みとなっている鉄の厚さが6ミリ以上だと重量鉄骨、それ未満だと軽量鉄骨なんだそうだ。

もっとも、骨組みの太さが6ミリだろうが10メートルあろうが、上下左右の部屋との遮音性には全く関係がない。軽量鉄骨なら音が響くだろうけれど、重量鉄骨だから大丈夫だろうなんてことは決して無い。

 

そして、とても重要なこととして、そうした説明を不動産屋がしてくることは基本的に無い。また、仮に質問したところで「骨組みが鉄なんです」以上のことは決して言わないだろう。その結果、君たちが毎朝、上階の人のかける掃除機の音で目を覚ますのは非常に可哀想だから、やはりわからないことがあったらネットでよく調べたほうがいい。(俺はその時よく調べなかったものだから、毎日「あ、いま掃除機かけてるな」などと、上の階の人のお掃除事情に詳しくなりつつあるんだ。)

 

ネットで調べるとさらに「鉄骨は声がほぼ丸聞こえ」とあるが、我が家は幸いながら音はきちんと遮断されているように思う。でも、とにかく振動が半端じゃないから、「自分は騒音や振動について人一倍敏感なんです」という人は避けた方がいいだろう。

 

とはいえ、鉄骨の利点を述べると、鉄筋コンクリートと比べてやはり家賃が安い(そんなら木造はもっと安いが)。振動などは気にしない性格か、あるいは階上の影響を受けない最上階に住むのであれば、鉄骨造の物件でもいいかもしれない。

 

まとめ

後編での失敗ポイントをまとめると以下の通り。

 

  • 失敗のポイント:駅まで近すぎて失敗。

 ➣ネオンや人の喧騒など、駅から近すぎるとストレスが溜まる。

 ➣心配ならば夜にも物件を見に行くこと。

 

  • 失敗のポイント:鉄骨って何かわかっていなくて失敗

 ➣鉄骨は木造とほぼ同じ。遮音や振動対策は「鉄筋コンクリート」でしか期待できない。

 

その他の留意事項

 

以上、前後編にわたって、今までこんな部屋に住んで失敗しましたという話をした。

社宅を含めて計7回の引っ越しをしているものの、そのうち満足のいく部屋に住めたのはただ1回だけ。自分が哀れになるほど部屋選びのセンスがないと思う。

 

でも、それはまた同時に、部屋の良し悪しというのはちょっとやそっとじゃわからないということなんだと思う。これほど情報の非対称性がある市場もなかなか無い。

それに対抗するためには、俺達がインターネットを通じて活発に情報交換をするしかないんだ。その目的で今回のブログを書いた。

 

また、最後に、今回の失敗ポイントのほか、賃貸物件を選ぶ際の意識や、細かいけれど伝えておいたほうが良い点を以下に記すので、参考にしてもらいたい。

 

普段200万円の買い物します?

 

皆さんは200万円の買い物を2年ごとにしているだろうか。

200万円といったら、普通の人は稼ぐのに1週間か、ひょっとしたら3ヶ月くらいはかかるかもしれない。で、そんな大きな買い物をするとしたら、きっと半年くらいは、この世にある全てのカタログに目を通し、そのモノに対する知識の専門家となったうえでネットの口コミを比較し、家族とも相談し、それでも気が変わったりを繰り返した結果、「一生モノだから」という一大決心をともなうだろう。

 

一方、賃貸物件の毎月の家賃を7万円として24ヶ月住み、そこへ引っ越し代、仲介手数料、礼金を含めるとだいたい200万円になる。家賃7万円の物件を決めるのは、200万円の買い物をしていると同じことなんだ。それに対して、俺達は、同じ200万円のモノを買う時と同じだけの情熱や時間を費やしているだろうか? 

 

トータルでそれだけのお金を支払うことになる、という意識をしっかりもって、まったく遠慮することなく内見に内見を重ねることが大事だ。(同じ物件に2~3回内見に行ったっていいのに、なぜか1回いったらすべてをわかった気になるのが人間の不思議なところだ。「わたしはあの人のことを理解してるから!」などと力説する人が必ず騙されているのと同じことだ。)

 

内見をする回数に制限なんかない。長距離の引っ越しならば交通費の関係で難しいだろうが、可能ならば時間をおいて少なくとも2回は必ず見に行くことにしよう。

 

内見では「ダメ出し大会」をやる。

 

これも人間の不思議なところなんだが、不動産屋の内見に行くと「これくらいだったら我慢できるかな」「これくらいだったら歩けそう。いい運動になるし」「壁から明らかに人の骨が見えてるけど、カルシウムが足りなかったからちょうどいい!」などと、基本的に物件を褒める目線で見てしまうものだ。「ボンビーガール」というテレビ番組を見ていると、それがよく分かる。

 

これは、わざわざ自分が内見を希望して、不動産屋の人に連れてきてもらっている手前、何か文句を言うと不動産屋に対して申し訳ないという気持ちが働いたり、面倒くさい物件選びを止めたいという心理的な要素が影響しているのだと思う。

 

不動産屋に気を使う必要はまるでない(物件が気に入らなかったからといって、不動産屋の担当者を縄でしばってバイクで引きずり回しても良いという意味ではない)。

前述したように、賃貸物件は200万円の買い物だ。ダメなところがあったらきちんと「ダメ」という評価をくださないといけないんだ。

 

そこで提案したいのだが、内見時は自分の中で「ダメ出し大会」を始めることだ。

具体的には、内見時にノートなどを持ちこんで、この物件の「イマイチ」なところを最低5個は書く。何があっても5個書く!!!!

これまで見てきたように、例えば「排水口が臭う」「駅のネオンが眩しい」など、たった1つのポイントでも大失敗したと思うくらいなのに、それが5個もあったら住めたものじゃない。そんなところは二度と見に行かなくて良い。

他方、どうしてもダメ出しノートに何も書けない物件が出てくる。何もかも完璧なようだ。夜に行っても、雨の日に行ってもダメなところが書けない。

そうしたところはもう2~3度内見に行く。それでもダメ出しノートが書けなければ、そこに決める。

このように、基本はダメ出し目線で物件を見るようなルールを作るのが大事だ。

 

不動産屋からのプレッシャーへの合言葉は「そんならいいです」

 

不動産屋の決まり文句として「今日決めないと、他の人が契約しちゃいます」とうものがある。これは不動産屋に限らず、何かの契約時にグズグズ悩んでいると必ず言われる魔法の言葉だ。賭けてもいい。そして、これが全くのウソだということも賭けてもいい。(次にこれを言われた時には「わかりました。そんじゃ2週間後にきてまた空き状況確認します。今日決めないともう決まってるって言いましたよね?!」と確認してやりたいと思っている。)。

 

また、仮にウソじゃなかったとしても、そういう状況に迫られて部屋を契約するのは絶対にやめたほうがいい。以上のとおり、十分な時間を費やしてまともに選んでも7回中6回は失敗することを考慮すれば、不動産屋に急かされて決めた物件に満足する確率はほぼゼロだ。

 

「今日中に決めないと~・・・」と言われたら、自分には縁のない物件だったと思い「そうですか。それならやめます」と勇気をもって言うのが一番いいんだ。

 

 礼金は捨てる金

賃貸物件の契約にあたっては、家賃のほかにも「仲介手数料」「敷金」「礼金」などの費用がかかるのは皆さんご存知のとおり。仲介手数料は文字通り不動産屋に対する手数料、敷金は退去時のクリーニング費用の前払いだ。

 

では礼金とは何か。以下説明しよう。

君はある賃貸物件を見つけ、入居契約をする。その契約と同時に、突然あたまがおかしくなって、ふところから1ヶ月分の家賃を取り出したと同時にビリビリに破き、これを川へ捨てる。

礼金の説明は以上だ。

 

つまりお金を捨てるということだ。テキーラを10リットルほどラッパ飲みしたってそんなことはしないだろう。

こんなものは支払わないほうがいいにきまっているが、比較的新し目の物件は、礼金を支払うことが入居の条件とされている場合が多い。

どうしてもそこへ住みたければ支払ってもいいだろうが、毎月の家賃に換算してそれでも釣り合う物件なのか、よく検討してほしい。

というのも、仮に礼金が家賃と同額の7万円だとして、24ヶ月住むとしたら1ヶ月あたり2,900円になる。つまり実際には家賃72,900円の物件に住んでいると同じことになる(ただし物件の価値は7万円だ)。

 

俺は基本的には礼金無しの物件に住むこととしている(これまで唯一成功した物件は礼金無しだった)。

 

キャッシュバックキャンペーンは利用する。

 

過去、引っ越しに際して「このウェブサイトを通じて契約に至ると現金3万円をプレゼント」という怪しげなキャンペーンに応募したことがある(今でもググるとそうしたキャンペーンを行っているネット不動産会社が出てくる。)。

具体的な流れは以下の通り。

ある不動産屋サイトを通じて内見依頼を申し込んだうえで契約する。

その後半年以上そこへ住んでから、不動産屋のサイトを通じて「その部屋の住心地」だとか「不動産屋の対応」だとかのアンケートに答えると、1ヶ月後に現金で何万円かもらえるというもの。

 

これはちょっと半信半疑だったけれど、きちんとお金が貰えた(アンケートは○文字以上書くこと、と指定されていて、ちょっとダルかったけれど)。その分家賃が浮くので、なるべくだったら利用するほうがいい。

 

ちなみに、「貰えなかった」という口コミも見かけるが、よく読むと「業者から送られてきたURLに気が付かなかった」「気がついたら申し込み期間が終わっていた」とかそうした自業自得のものなので(お金はただぼーっとして手に入らないということだ)、皆さんは気をつけてほしい。

 

 

入居のタイミングは交渉可能

 

物件との契約を済ませた後、実際に鍵が渡される日(つまり、家賃が発生する日)については、普通は「即日」になると思う。不動産屋としても、契約が決まった部屋にはすぐにでも住んでもらい、家賃を支払ってもらいたいからだ。

 

従って、「契約は今するけど、実際に住むのはあと1ヶ月待ってくれ」という申し出は、通常は断られることが多い。その1ヶ月の間に別の人が契約してくれて、しかも家賃をその日から払ってくれる可能性があるからだ。

 

とはいえ、それは不動産屋と、部屋のオーナーとの交渉によって決まるものだから、一ヶ月からの契約じゃないと絶対ムリとか言っていると折れてくれる場合が多い。

 

 

 

俺も今の階上の人がどこ歩いてるかわかるような部屋は契約満了を待たずに引っ越そうかと思っているので、現在新たな物件を探しているところだ。また、来年の新生活に向けてちょうど部屋探しをしているような読者もいるだろう。

 

何か不明な点があったらツイッターを経由してでも相談してほしい。俺がググったうえで評論家目線でご回答する。