【ネタバレ感想】007ノー・タイム・トゥ・ダイ(余りに寂しく、不可解な映画)

10月2日(土)に007の新作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」を見てきたので、その感想を書く。

俺だってキモオタ向けあにめ映画以外だって見るんだ。
完全なネタバレを含むので、これから007を見るつもりの人は、ご注意を。過去の記事など(例えば実家を火事にしかけた面白い話など)をご覧ください。

 

 

 

以下ネタバレ含む感想。

 

あまりに寂しい映画

この映画を見てからというもの、何度か感想を書いてみようと試みた。

でも書くたんびに、いつもの長大な、とりとめのない話になってしまうので、いっそのことシンプルな感想を書いてみた。

 

「寂しい」

それがこの映画の感想だと行き着いた。

その寂しさの出どころについては、本作でダニエル・クレイグのボンドシリーズが終幕したという事実ももちろんある。

でも、この映画が醸し出す圧倒的な寂しさは、それだけを原因にしたものじゃない。

というのも、この映画のストーリーは、最初から最後まで、まるでセピア色の写真を見ているかのような、寂しく、弱々しい、人生の終わりや哀愁を感じさせるものなのだ。

 

そして、この映画を見に行ったほとんどの人がそうであるように、俺は007の映画にそういった寂しさを一切求めていなかったから、本作のストーリーには相当モヤモヤするものを感じた。

そのモヤモヤが極大化するのが例のラストシーンで、やっぱり各レビューサイトで物議を醸しているようだ。

俺も、映画の終盤でラスボスが言い放つ「誰かの記憶にのこることで、人生には意味が生まれる」という分かりやすいテーマのために、あのラストシーンがボンドに用意されたのだとしたら、悲しいし、脚本への怒りも感じる。

 

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俺たちが見たあの男は、本当にジェームズ・ボンドだったんだろうか?

俺たちの知っているボンドは、冷徹で、非人間的で、女好きも任務と祖国のため、何の躊躇いもなく人殺しをして、どんな困難を前にしても諦めない無敵のエージェントだった。

 

ところがこの作品のボンドは、現役を引退し、妻子をもち、そして老いていくだけ。

罠という罠にも平気でかかる、人の裏切りや焦りも見抜けず激高する、MI-6では新007から老害扱いで、完全に隠居した爺さんのよう。こんな弱々しい男がジェームズボンドなの??

 

でも、妻子を持ち、仕事を引退した男への扱い方としては、このストーリーはある意味正しい。

というのも、生物学的に、子が生まれると、男には生きる意味が無くなるんだという。

そのとおり、妻子をもった時点で、これまで何もかも「銃!車!セックス!」で突破してきたボンドは死んだかのようだった。

映画の終盤で、ラスボスがボンドの子を盾にしたとき、ボンドはうろたえ、(演技であっても)深々と頭を下げる。

あれこそが「守るもの(弱点)を背負ってしまった男」であり、非常に弱い存在として俺には見えた。そして、例のラストシーンでは家族を守って、名実ともにさようなら。

 

これはまるで、男の人生の、とりわけその終末期だけのダイジェストのよう。

そんなふうに「男の老いと死」がテーマとなっている本作は、ものすごく寂しい印象がある。

 

でも、老いと死は無意味じゃないと、この映画は示唆する。
彼は「英雄」として、MI-6の、そして何よりも大切な妻子の記憶として残ったのだ。

無意味な人生ではなかったんだ、よかったなあボンド!

このように「死して名を残す英雄」だとか、あいつはみんなの心の中に生きてるぜ!で全部OKになるのは、アベンジャーズの「エンドゲーム」と全くおんなじで、これが今の外国映画の流行りなのだろうか?

そういうの見に来たんじゃないんだけどな~と心から思った。

 

そんじゃ、俺は何を見たかったのか?

ラストシーンでいえば、あのミサイル攻撃を華麗に受けながし、よくわからん毒素も取り除いたボンドが、例のテーマソングをBGMに、颯爽とアストンマーチンを滑らせる。

そんな映像を出そうもんなら途端に陳腐な娯楽映画に思われてしまうだろうが、もともとのボンド映画ってほんと、ご都合主義の、男の子が好きな秘密兵器だとか女とか酒とか詰め込んだバカ映画だったんだと思うんだよね。

 

でも、ただスーパーマン的なボンドばかりではワンパターンだから、そこからの脱出を図った「カジノ・ロワイヤル」では、まだ皆さんが知らないボンドを見せましょうといって、荒々しく、若く、人間味のあるボンドを登場させてみせた。

そこからの成長物語としてクレイグのボンドシリーズは続いていき、その成長の最後に待ち受けるのが「老い」と「死」なのは人間である以上逃れようがないけれど、俺としては最後までご都合主義の娯楽映画であってほしかったなあ〜と思う。

こんな人間味を追求するような映画でしたっけ?

少なくとも、最初のカジノ・ロワイヤルで見せた「人間味」は、彼にはこんなところもあったんだよ、という「チラ見せ」だったように思う。

寿司に少しだけつけるワサビのように。

ところが最終作では全部が全部「人間味」で、これをメインに据えられると、もはやそれは007ではないんじゃないかという気がしてならなかった。

 


敵のやりたい事も、よくわからん。

ところで、さっき「よくわからん毒素」と書いたけれど、映画見てきた人たち、あれが何なのかわかりました? 俺にはよくわからなかった。

何だか、ボンドとスペクターの禍根の裏で、もっとタチの悪い奴らが、何かとんでもない事をしようとしてるのはわかる。

でも、具体的に誰が何しようとしてるのか、最後の方まで見てもよくわからないんだよね。

スペクターの残党と「そいつら」という2つの敵が出てきてるのも分かりづらさに拍車をかける要因になっている。


ラスボスの身の上や振る舞いも謎が多い。

過去に、ホワイトに家族を皆殺しにされて、その復讐をして回っているのはわかる。
でも、そいつが何でレア・セドゥだけ助けたのか、能面の意味は結局何なのか、なんで成長してから毒工場なんか作ったのか、なんでブロフェルドを含むスペクターを皆殺ししようとと思ったのか(あ、そっか。ホワイト(=スペクター)への復讐か)、なんでボンドの娘に手を噛まれたくらいであっさり開放したのかその後になんで一人でノコノコとボンドの前に戻ってきたのか・・・。

まじでわからんことだらけ。

 

このように敵の行動もわからないことだらけで、はっきり言えば狂ったサイコパスだとしか思えず、そこもモヤモヤする点だった。

「結局あいつ、何だったの?」ってみんな思ったんじゃないかな。

 

ラスボスの行動原理について、推察しようと思えばできないこともない。

家族を殺された自分とレア・セドゥを同一視して助けたものの、自分とは違って新たな家族を持ったセドゥが許せないと思い再び現れた。自分には家族がいないから記憶してくれる人もいない、だから遺伝子に作用する毒をつくることで生きた意味を作りたかった・・・。

最後にボンドの前に現れたのは、「誰からも記憶されない孤独な人」として同一視していたボンドが、万が一生還して、セドゥや娘と幸せに過ごすことが許せず、せめて毒を塗りたくることで家庭崩壊させてやろうとしたのではないか。

 

こんなふうに想像を働かせてみても、やっぱりサイコ気味の構ってちゃんって以上の存在に思えない。

3時間もある映画なんだからもっと説明してほしかった。

 


Mが無能すぎる

3時間のうちに説明してほしかったことはまだある。それが「ヘラクレス計画」とやらだ。

 

事の発端は、Mが極秘裏に進めていたヘラクレス計画(首相にも内緒???誰の意思決定だったの??)が敵に利用されたことで、いつものとおり地球の危機になるわけ。

で、ボンドがそれを阻止するんだけど、Mのやつ、そんな独断で地球を危機に陥れていたら、ふつーはクビだし、何なら逮捕されるよなあ!? 

それが、Mには何のペナルティもないようで、ラストでも普通に仕事を続けている。ボンド一人さようならしておしまい。


そのこと自体は「重箱の隅」かもしれない。でも、3時間もあるくせに、そもそも中核となるこの「ヘラクレス計画」がなんで生まれて、具体的にどういうものかって説明が少ないから、何だかふんわりと「やばい計画が敵に乗っ取られた」くらいにしか思えないんだよな。

敵の目的の分かりづらさに加えて、舞台設定もよくわからないのが、この映画のモヤモヤの濃度を高めている原因だ。

Mは前作スペクターではかなりかっこよかったけど、今作ではあまりに無能すぎでは?


新007が無能すぎる。

映画公開前から話題だったが、007を引退したジェームズ・ボンドに代わり、本作では「新007」として黒人女性が登場する。が、これがもう、映画館のみんなをイラ立たせるほどの無能っぷりで非常にイライラする。Qは毎回いい仕事するけど、他が揃いも揃って無能揃いのMI6って大丈夫なのか??


とりわけ、ボンドがノルウェーの森の中で戦い、妻子が連れ去られた後でようやく新007がノコノコと現れた時にゃ、映画館で見ていた僕らも、劇中のボンドも、まったく同じことを同時に思ったろう。
お前いままでどこで何してた?


で、最後にはやっぱりボンドにとってかわって活躍するかと思いきや、ジェームズ・ボンドを007に戻してください」だと。はい~?! 

そこはお前が意地でも奮起すんだろふつー!

仕事が手に負えなくなってから前任者に泣きつく無能な社員にしか思えん!

 

また、その後、ボンドと一緒に敵基地に乗り込むんだが、敵側の科学者からちょっと差別的なことを言われただけで、そいつを平気でぶち殺す! えー!! 今まで苦労して生け捕りにしようとしてきたのに?!

俺は映画の最初から最後まで、この無能な新007が存在する意味がよくわからなかった。

この映画と構成がにている「エンドゲーム」で、トニー・スタークの代わりに若いスパイダーマンが大活躍したように、世代交代がテーマならば、新007は「もうジェームズ・ボンドは必要ないんだ」と分からせるくらい、めちゃくちゃに強くなきゃダメなのに、存在価値がわからないような新人が出てくることでそのお題目もボヤけていた。

 


CIAエージェント(パロマ)だけはよかった。

この寂しく不可解な映画で唯一スカッとしたシーンは、やっぱりキューバでのバトルだろう。

ここで、ボンドは一時CIAと手を組み、いつものタキシードでスタイリッシュに戦う!
こういうのでいいんだよ、こういうので!!!

 

また、この時にパートナーとして手を組んだCIAエージェントのパロマアナ・デ・アルマス)がすごく可愛くてかっこいい!! 新人エージェントとしての初々しさや豪快さがアクションに表れていて素晴らしかった。
彼女をボンドガールにして2時間のアクション映画にしたらよかった。

また、仮に、クレイグの次の007が女性になるならば、どういう経緯かでCIAからMI-6に移籍してきたパロマがいいなあと思った。

 

うん、それなら必ず見る(男性007とは違って誰かとエッチするシーンは不要だと思うけど)。そうでなくてもスピンオフとかで再登場してほしい。彼女の登場があれっきりなのは余りにもったいない。

 

もっとも、彼女の登場シーンに違和感がまったくなかったわけではない。

ボンドがパロマと会った時、ボンドからの合言葉の確認に対してパロマ「私、緊張すると合言葉なんてすぐ忘れちゃうの♡」などというどうみても裏切り者だとしか思えない発言をするんだが、ふつーに味方。あ、本当に、単に緊張していただけなんだ・・・。

でも、合言葉が未確認のまま、ボンドはホイホイとパロマに付いていってしまう。

過去に「007 ゴールデンアイ」では、合言葉をはぐらかすKGBエージェントのズコフスキーに対して、拳銃を突きつけたうえ、尻まで出させて本物であるか確認したボンドとは思えない・・・。

また、パロマとの共闘のさなかに、二人でグラスを乾杯させて酒を飲むシーンがあるんだけど、緊張して合言葉を忘れるくらいの新人が、人殺ししている時にグラスでカチンとやる余裕なんかありますかね?? ここは美しいシーンだったけれど同時に違和感があった。

まあ、そういうシーンはボンド映画にありがちな「ツッコんだら負け」の重箱の隅ではあるけれど、全体的にモヤモヤする映画だったのでそういう部分も余計に目についてしまった。

 


これは007ではない、ボンドの物語。

結局、なるべくシンプルにしようと思って書いた今回の感想も長々としてきたので、そろそろまとめに入る。

ダニエル・クレイグのボンドは、カジノ・ロワイヤルからスペクターまで、ずっと「時代の流れ」を感じさせてきた。

カジノ・ロワイヤルではまだ若々しく人間らしいボンドだったものの、それがスペクターまでに完成する。でも、人間は「完成」して終わりじゃない、どうしたってそこから老いていき、最終的には死に向かって崩れていく。

そうした遺伝子の運命のとおりに、本作でボンドは00エージェントを辞めたうえ、家族という弱点を背負う。そして、もはや007ではない「ボンド」という一人の男性が、「老い」から「死」へ続くセピア色の階段を登っていく・・・。

そんなとても寂しい映画だったのだ。

 

クレイグから続くボンドシリーズの終幕として必要なストーリーだったのかもしんないけど、俺としては、こういうの見に来たんじゃないんだよな~と思った。

カジノロワイヤルから続く「人間としてのボンド」をきれいに決着させようとして、昔ながらのボンドファンをモヤモヤさせた作品だと思う。好きな人はすまん。

 

(余談)

女王陛下の007』でジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レイゼンビーに本作の感想を聞いたところ『音楽は良かったね笑』って言われた、と何かの記事で見た。

3時間の映画を見て、良かったのが『音楽』ってよっぽど酷い皮肉なんだろうな…と嫌な予感はしていた。で、たしかにその皮肉の意味もあるんだろうけど、彼としては本作の音楽を褒めて然るべきだと思うのは、劇中のワンシーンで『女王陛下の007』のオープニング曲がかかるのよ。

そこは鳥肌ものだった。

だから他人にこの映画の感想を言うときは、モメるのを防ぐためにも『音楽は良かったね』と言うことにしようと思う。

この暑い時期、ワクチン接種前に準備しておくべき【意外すぎるもの】とは!?

ワクチン1回目打った

去る8月下旬に、1発目のモデルナワクチンを打つべく、大手町の大規模接種センターに行ってきました。

 

予約時刻は18時と、仕事終わりに寄っていく人も多く見られる時間帯でしたが、そんなに混んでいませんでした。ディスニーシーのマジックランプシアターくらいの込み具合。その例え話でいったい誰がわかるというのでしょう?

 

しかし、まるでディスニーランドの待ち行列を思わせるような行列と、係員による誘導。決められた人数集まったらエレベーターに乗り込むところなど、まるでセンター・オブ・ジ・アースを思い出しました。

 

そんなふうに、受付から、その後の案内、接種まで非常にスムーズで、手際がよく、導線や指示内容もわかりやすいため、接種者側で何か困ったり、迷ったりすることは全くありません。

そして何より、職員さんの対応の丁寧さ、愛想の良さが本当に印象に残りました。

商売でやっている病院とかでもこんな丁寧さはあんまり見たことない。


こんな劣悪な環境で、しかも、基本的に面倒くさいことを押し付けられてデフォルト設定で怒っている大勢の連中、それもお客でもない相手に、よくあんなに丁寧な対応ができるもんだと感心し、涙しました。本当にありがとう。皆さんの活動で我が国が救われているのです。

 

しかしそれは、裏を返すと、対応が悪いだとか、何がどうとか、理不尽な理由でキレては業務を遅延させてくる連中が多い(または想定される)ことから、ああいう対応を取らざるを得ないんじゃないかと推察しています。
みんな、無料で受けさせてもらってるんだから大人しくしましょうね。

といっても、私が行った時間帯は、特段のトラブルもなく順調に回転しているようでした。私が上着を羽織ろうとして、垂れ下がっている蛍光灯の電気ケーブルに指がひっかかり、接種会場までの廊下の電気の一部を一瞬消してしまったことが最大のトラブルだったくらいです(その節は本当に申し訳ありませんでした。)。

みんな、大手町の接種会場では、垂れ下がっている蛍光灯の電気ケーブルにはくれぐれも気をつけてください。


○接種するまでに準備しておいたほうが良いこととは?


さて、1回目接種した後、翌日に至っても、身体にはうんともすんともありません。

めっちゃ平熱で、腕の痛みもなし。1回目はこんなものなのでしょうか?

一般的に、若い人ほど副反応が辛いといいますから、落ち込む、逆に!

 

で、接種後2日目。
午前3時頃、急激な体温の上昇を感じて飛び起きた。来たよ・・・若さが!!!


数秒間で3度くらい体温が上がり、体中が震えだす感じです。

人生ではじめて感じる「熱が出る、その瞬間」。

まあ不思議な感覚。不思議なのはともかく、めっちゃ寒い!!

 

それまでガンガンにつけていたクーラーを消して(こんなにも寒いのに、なんでこんな狂ったもの稼働させてんだ)、それでもなお寒いから毛布を取り出してくる。
毛布なんざ最後に使ったのが半年以上前だから、かなり埃っぽい。
埃っぽいけど、毛布なしではこの寒気に耐えられないので仕方がありませんよね。

こんなことなら、ちゃんと綺麗に収納しておけばよかった。

 

この経験から、これからワクチン摂取を控える人たちに言っておきたいアドバイスとしてはずばり、【毛布の埃を払っておけ】すなわちこれです。

 

皆さん、夏場だと基本的にタオルケットなどで寝ていると推察しますが、その装備だと、ワクチン後の急激な熱発に耐えられず、埃っぽい毛布を我慢してかぶり、それで更に具合が悪くなるので十分気をつけてください。

 

そして、その夜はそのまま意識を失うようにして眠りました。熱を測る余裕もなし。

そして目覚めると、幸い、夜ほどは辛くはありませんでした。

熱も37.0度と微熱以下。良かった~。


良かったのですが、2日目は断続的に37度台の熱が出続けて、寝込むまではいかないけれど、仕事をするのにやや支障が生じました。


腕も1日目とはうってかわって、かなりの痛みがあり、Tシャツが脱げなかったり、パンツが上がらなかったり、このあたりに不便さが感じられました。

 

もっとも、シャツが脱げずとも、パンツが上がらずとも、家に一人でいるんだったらそれでもいいですよね。家族がいたって別に構わない。

よくないですか? いいですよね? あ~よかった。いま、多数決で「いい」ということに決まって安心しました先生。

 

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1回目の接種で感じた辛さは、だいたいそんなところです。
ポカリとかゼリーとかいろいろ備えていましたが、それらの「非常時用食料」は2回目接種後に回されることとなりました。


そして何より、2回目の接種前には、毛布の埃はちゃんと払っておこうと思います。

どんだけ埃まみれなんだお前の毛布は。

寝ている間に耳栓が外れにくくなる方法

どんな物音にも敏感に反応してしまって満足に眠れず日々人間としての生きづらさを実感している神経質のみんな~!

 

そんな人間に向いてない(もともとアメンボとして生まれるはずが神様がクリックをミスして人間となった)俺たちにとって、眠るときの耳栓は必需品だ。

これまで耳栓を使っておらず、なかなか寝付けずに困っている人がいたらぜひ試してほしい。400円程度で人生が大きく変わる。


ちなみに俺が使っているものは「サイレンシア」だ。機能に優れ、女性向けの小さいサイズもあり、耳も痛くなりづらい素晴らしい製品だ。

たいていのドラッグストアで購入することができる手軽さも良い。

 

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が、サイレンシアに限らず、耳栓には重大な欠点が1つ存在している。

「寝ている間に外れてしまうというのがそれだ。

 

これのおかげで、睡眠時間にとって最も重要な時間帯である「朝方」に、たとえば近所の雨戸の開け締めや、散歩している犬の鳴き声(人と犬はなぜ朝に散歩をするのだろう)などで不快な目覚めをすることになるのだ。


仮にそれまで安定的に眠れていたとしても、目覚めが最悪だったおかげですべてが台無しになる感がある。

したがって、耳栓を装着したまま眠るうえで、この「耳から勝手に取れる」問題を解決する必要があり、俺はこれまでにいろいろと検討を重ねた。

 


方法1.外れるたびにつけ直す。


 根本的な解決につながらず、最もセンスがない方法がこれだ。
 俺はずっと、これをしていたのだ!
 深夜に目覚めるたびに外れた耳栓を探しては、面倒臭さそうに耳にはめ直して眠る。

 その1時間後に目覚めては耳栓を探し、探しては1時間後に目覚める。そうしているうちに朝が来る。


 しかも、どのように酷い寝相をすればこんな場所に潜り込むかねえ!? ってな場所に毎回耳栓が落ちているから、それを拾ってこなければならない。
 引っ越すときにベッドをどかすと、その下から大量の耳栓が出てくる!! 俺は毎晩ベッドの下に潜り込んでるのか!?

 そんなわけで、外れるたびに耳栓をつけ直すというのはむしろストレスのたまる無力な方法だ。 なぜ俺はアメンボに生まれなかったのだろう?


方法2.耳栓をした上からセメダインを流しこむ。


 1.の欠点を修正しようとしたのがこの案だ。これで耳栓ごと耳をカチコチに固めてしまえば、もはや外れる心配もなくスヤスヤと朝まで寝られるという寸法だ。
 しかもセメダインならば、耳栓の僅かな隙間も固めてくれるから、より完全完璧な静寂を体験できることになる。 というか耳栓自体が不要かもしれない。
 その後、耳を原状回復できないのが唯一の難点だ。

 

方法3.耳栓をつけ直してくれる執事を雇う。


 悪くない案だが傍に人がいるとそれはそれで寝られないからボツ。

 

方法4.部屋の空気を抜く。


 音の原因は、空気などの『揺れ』だ。すなわち、『揺れ』を伝搬するものがなければ音は出ない(正確には「伝わらない」)のだ。
 例えば宇宙戦争モノの映画やアニメで、爆発シーンで炎があがり(酸素がないのに)、あまつさえ「どかーん!」とか音が鳴っているのはすべてウソだ。
 このことから、部屋を完全な真空状態にすることでも完全な静寂を得ることができると考えられる。理科の教科書から得たライフハックだ。
ただし専用パジャマが絶望的に可愛くない。

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以上のとおり、耳栓の遺失を防ぐための最高の方法がセメダインだと結論付けたあとで調べてみると、もっと簡単で、安全で、効果的な方法が見つかった!


早速、今朝その方法を試したところ、朝まで全く外れることなく、素晴らしい静寂とともに心穏やかな朝を迎えることができた。

今回はその方法をお伝えしよう。ここまで無駄話


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サイレンシアに限らず、最近の耳栓というのは、だいたいスポンジ(ポリウレタン)素材で、このような型をしている。なんていうの? 円錐? 高校まで算数の教科書開いたこと無いから図形の名前がわからん。

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それはともかく、このスポンジを細く潰して、耳の中に入れると、中で膨らんで密閉し、音を遮断してくれるというシステムだ。

 

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で、寝返りを打つたびに、耳から飛び出した部分のスポンジが枕とこすれて、そのまま外れてしまうというわけ。

 

で、ここからがライフハック

この耳栓の、お尻から3分の1程度をカットする。


こんな感じ。

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こうすることで、耳栓全体が耳の中に収まり、なんど寝返りしようが宙返りしようが、ベッドの下に潜り込もうが、こすれて外れてしまうことが無くなるのだ!

もちろん、すっぽりと耳の中に入り込んでしまうことで「そのまま取り出せなくなるのでは」という一抹の不安も生じる。
これが意外と大丈夫。カットするのは枕とこすれる3分の1だけで、残り3分の2があれば取り出すのも容易だ。
それでいて、遮音性も全く失われることはない。

毎朝、耳栓が耳から外れて悲しい思いをしている皆さんにはぜひお試しいただきたい。

 

そして仮に、耳の中から取り出せなくなってしまっても問題ないじゃないか。もともとセメダインを流し込むつもりでいたんだから。

 

ワクチンの予約をした。

引っ越しのことなんざどうでもいい。

ワクチン接種の予約したぞ!

 

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接種券はずいぶん前に地元の自治体から貰っていたんだが、肝心のワクチンが届かないとかで、長いこと予約ができないでいた。

が、この前知ったんだが、地元自治体の接種券でも、大手町の大規模接種センターで予約できるのな! これ知らなかったの俺だけか?!

ワイドショーも、誰の役にも立たない感染者数の発表などして遊んでないで、こういう事実を俺に教えてほしいってもんだ、まったく。

 

というわけで、早速17日(火)にワクチンを打ちにいく予約を行った。

職場でも、家族でも、ワクチンを打っていない人がもはや俺だけとなり、最近では「あ~、副反応で腕あがらんわ~w」などというワクチンマウント*1に心を痛めてもいたが、これで俺もみんなと同様の腕上がらない仲間に加われるってもんだ。

俺の翌日の腕の上がらなさっぷり、見てろよ! *2

 

*1:俺の後輩などは「ぼくは若者で比較的副反応がつらいと思うので明日休みます!!」などと会社の会議で高らかに言い放っていた

*2:ブログ仲間によると「接種部分にふいに圧力がかかったら痛みで叫んだあとガチ泣きする。」くらいに辛いらしいのであんまり茶化さないでおく。片手でブラを外せるようになっておいた方がいいらしい。

引っ越し事件(騒音トラブルの顛末)

タイトルのとおり、つい最近引っ越した。

 

 

はじめて引っ越しをした就職時から通算して、多分8回目くらいの引っ越しとなる(±1~2回くらい誤差あり)。

 

もっとも、以前まで住んでいたマンションはとても良いものだった。

鉄筋コンクリート造でしっかりしているし、6階だからほとんど外からの目が気にならない。シャワーを浴びて、ほとんど裸でうろちょろしていても警察に捕まらない。

 

そういう利点もあり(利点の説明が「裸でうろちょろできる」というだけなのは残念だが、探せば他にもある)、人生ではじめて1ヶ月分の家賃を支払って更新まで行ったのだが*1、その更新からわずか3ヶ月後に引っ越すことになった。

 

原因は騒音トラブルだ。

2年たっていきなり騒音が気になったのかと疑問に思うかもしれないが、騒音を気にしたのは俺ではない。

これはマンションに入居する人に知っていてほしいのだが、自分は気にならない騒音でも、周りは気になるかもしれないということ、そして、周りの人は入れ替わるということだ。

 

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事の起こりは今年6月に遡る。60日ほど前だから言うほど遡らない。

 

俺が住んでいるマンションの1階には商業施設が4店舗ほど入っているのだが、それらがまとめて内装工事をすることになった。4店舗まとめてだから、かなり建物の基礎的な部分の修繕が入ったのかもしれない。

 

で、平日の日中はずっとカンコンカンコン作業している。

この音が、6階の俺の部屋まで結構響く!

鉄筋コンクリートとはいえ、マンションの基礎的な柱にハンマーを打ち付ければ音が鳴るのである。

 

しかし、工事はいずれ終わる。長くても1ヶ月~2ヶ月程度だろうし、休日には作業しないからガマンできないことはない。

俺はそう思っていたのだが、俺の部屋の真上に入居している人はそうは思わなかったようだ。

こともあろうに、その騒音の原因が俺の部屋にあると誤解して、工事の音がするたびに「うっせえわ!!!!」とばかりに床をドンドン叩いてくる!

 

確かに床が直接響くような衝撃がくるので、工事していることを知らなければ、階下である俺の部屋が原因だと思わなくもない。

でも、だとしたら俺はなんで天井をガンガンやっているんだ?

 

この階上の住人は最近入れ替わったようで(それこそ、俺の更新に合わせて)、それまで静かだったのに、入れ替わり以来、かなり音が響くような生活をする。音が響くような生活をする一方で、周りの音には神経質で、抗議のためにやたらドンドンするような人物だ。

 

先月、改装工事が佳境を迎えるにあたって、ついに階上の住人のガマンも限界を迎えたようで、かなり殺意のこもった意思表示を階下である俺の部屋に向けて行ってきた。

事ここに至るにあたって、俺も身の危険を感じ(今にも包丁を手に怒鳴り込んでくるかもしれないと感じるほどだった)、警察に通報して、警察官から階上の人物に対して事情を説明してもらったのだ。

事情聴取の結果、やはり「下の階の人がうるさいから、報復のために床にものをぶつけた」と供述していたそうな。

 

その一件以来、階上の住人の抗議は止んだ。

でも、そのように攻撃的な住人がいるところでは暮らせないし(同じエレベータに乗り合わせるかもしれない)、ただでさえその住人自体の騒音がひどい。

 

このため、そんな事件があった当日から物件探しを行い、1週間ほどで新居を決め、2週間目で引っ越した。夜逃げレベルの猛烈なスピード引っ越しだった。

 

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これまでの7~9回の引っ越しを経て俺が悟ったことは、分譲マンションならともかく、賃貸レベルではどんなマンションに住もうが、騒音トラブルとは無縁ではいられないということだ。

当初は問題がなくても、マンション内のどこかで急に工事が始まることもあるし、すぐ真上または真下に極度に神経質な人物が引っ越してくる可能性もある。今回はそれが同時に起こった。

また、たとえ最上階の角部屋に住もうが同じことで、今回の工事の一件で俺の部屋に攻撃を行った人物は、まさに最上階の角部屋だったのだ(それにも関わらず、我慢が限界にきたということ)。

 

このトラブルで俺はマンション暮らしに愛想が尽き(というか怖くなり)、人生で始めて戸建ての賃貸(つまり「貸家」)に引っ越すことに決めたのだ。

 

その話はまた明日する。

とりあえず、今は平和に暮らしているから、安心してほしい。

 

 

*1:つくづく思うが、あの「更新料」ってのは一体何のために支払わなければならないんだ?月の家賃なら支払ってるじゃないか。商品を大量に買うと、普通は安くなる。これをリベートという。「これからも商品を買いますね」と言うと余計にお金がかかる異常な業界は、賃貸業界だけだ。スーモが悪い(たぶん)

百人一首の話

今となっては昔のことだが、和泉式部(いずみしきぶ)って歌のうまい人がいた。

で、その娘で小式部(こしきぶ)って子がいたんだが、これも歌が上手で、いわゆる天才キッズ的な扱いを受けていたそうな。

でも、やっぱりそんな状況を面白く思わない大人もいるんだな。
(あいつの歌って、実は全部、母ちゃんが作ったものじゃねえの??)って。

例えば藤原定頼ってやつがそうだ。
ある時、ミュージックフェスに小式部がやってきた時、定頼はこんな意地悪を言った。

「おめーの母ちゃん、いま遠く(生野という土地)にいるんだってなあ。こんなフェスなんか来て大丈夫か? 母ちゃんに、【作詞してくれよ~ママ~(´;ω;`)】って文(フミ)は送ったか?笑」

超いじわるな大人な。

それに対して、小式部は、その場でラップ風にこんな返しをした。

 

 あそこに見える、大江山
 行く野の道は、生野の道
 アタシにとっちゃ 遠い道
 母ちゃん向こうに いるからよ
 文(フミ)もまだ見ちゃいねえのさ・・・

 

普通、こんなバトルをしかけられたら、相手もそれなりの応酬をするのが礼儀ってもんだが、当の藤原定頼は才能ないガキだと思ってた小式部に即興でこんな歌詠まれたもんだから、びっくりして尻尾巻いて逃げた。これはほんとに逃げた。


他方で名を上げたのが小式部で、この歌は即興なのにも関わらず、一発で小倉百人一首入りを果たした。


かっこいいよなー小式部。
俺が百人一首で一番好きな歌でもある。
成功したものに対して、品性下劣に絡んでくる者は必ずいる。
それを「サラっと」才能パワーで撃退したエピソードとして大好き。

俺たちも、他人の才能を妬んだり、または自分の才能をひけらかしたりせず、彼女のようにスマートに生きていこう。


そんでなぜ急に百人一首エピソードなんか書いたか?
令和の子どもたちにとって一番の楽しみは、SwitchでYou Tubeを見ることだって報道を見たから。
その僅かな昔に生まれた俺たちは、変わった形の木の枝を振り回すか、カルタで遊んでいたんだよな。
そのカルタというのが百人一首というもので、その名のとおり100種類ある。お前たちがポケモンを数百匹覚えるのと同じように、この100首を暗記して無双したものだ。なんか悲しくなってきた。

 

なお小式部の歌った歌詞は、正確には次のとおり。

 

大江山いく野の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立

 

独学でITストラテジスト試験に合格する方法

ITストラテジスト試験に受かってたぞ!

 

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ところでWikipediaを見ると、この試験に合格することで貰える報奨金に100円(!!!!)を超える額を設定している企業が世の中にはあるらしいんですが、それってどこですか??????

私、その企業にとても行きたい!

それはさておき、今回も例によって、独学でITストラテジストに合格するための勉強法を記載する。

 

ちなみに、これまでの資格試験に関する記事は次のとおり。

 

amemiya-a.hateblo.jp

amemiya-a.hateblo.jp

 

 

 

前提

 

受験者の想定

私自身は非IT系の仕事をしており、専門のスクールにも通っていない独学受験者である。

もっぱら趣味で勉強していて、前回(2020年秋季試験)で応用情報技術者試験に合格したところ。

ただし、金融・経済・経営・会計については資格試験レベルの知識があり、仕事でも活用しているから、その点はストラテジストの受験にあたって有利に働いたと思う。

 

スマートドラッグで記憶力アップ。

これも例によっての紹介となるが、記憶力、短期的な集中力を増大してくれるサプリメントであるスマートドラッグの有効性は、今回の試験においても大いに発揮されたと思う。

amemiya-a.hateblo.jp

 

試験でカンニングしたら失格だが、こういうサプリをいくら飲んだって当然ズルにはならない。

みんなもこういうのを飲んで、他の受験生を出し抜こう。

 

受けた感想

IPAの高度試験は初体験で、論文をがっつり書くタイプの試験も初めてだった。

とりあえず設問で要求されている事項には答えられたが、「あんなので良かったかな?」と手応えなし。しかし、きちんと受かっていた。

それなりの読解力・文章力さえあれば、追加的なIT知識に関する勉強はそんなに無く、難易度的には応用情報かそれ以下だと感じられた(少なくとも応用情報の勉強のほうが苦労した。)。

 

勉強方法

 

ここから本題。

ITストラテジスト試験など、情報処理技術者試験の高度試験は、択一試験(午前1,午前2)と、記述試験(午後1)、論文試験(午後2)に分かれている。

従って、それぞれの試験形態に分けて、独学での勉強法を記載する。

 

 

①.択一試験(午前1,午前2)対策

 

ただただ過去問をやる。

以上、終わり。

 

この勉強法(?)については応用情報でも述べたが、高度試験でも午前試験はほとんど同じ問題の使いまわしなので、過去10年間の過去問を暗記しておけば、問題なく合格点は取れる。現に私は88点(25問中3問ミス)でパスした。それが60点でいいんだよ!?

もっとも、中には新しい論点の出題もあるが(令和3年度試験でいえば、DX関係の出題など)、仮にそれら新傾向の問題を全て間違えたとしても余裕をもって合格する。だって60点でいいんだよ!?

ただし、ITストラテジスト試験などの高度試験ともなると、有能ウェブサイトである「過去問道場」が使えない(筆者が調べた限りでは「応用情報」までしか対応していなかった)ので、過去問集を買うべき。

また、これも繰り返し言っていることだが、分厚い「テキスト」は絶対に買わないほうがいい。過去問集とその解説で十分だし、そんなテキストを読む時間があったら鬼門の午後試験のために時間を使おう。だって60点でいいんだよ?

 

 

②.記述試験(午後1)

 

さて、ここから本番。

記述式となる午後試験は、さすがに過去問の繰り返しだけで受かるとは限らない。

それなりの「コツ」が必要になってくる。

 

ところで、同じ記述式でも、午後1(短答記述式)と午後2(論述式)の違いは、答えが1つに決まるかどうかだ。 

IPAが発表している模範解答を見ればわかるように、午後1には「これしかない」という答えがある。コナン風に言わせれば「真実はいつもひとつ・・・」。

 そのような1つの答えがあるということは、すなわち、問題文をきちんと読みさえすれば、必ず「それ以外に無い」という答えが特定できるということだ。

 

だから、問題文を精読する。

唯一の攻略法がコレなのが、ITストラテジスト試験は国語の試験だと言われる所以だ。

 でも、どうやって問題文を読めば良いんだろうか?

そこにもコツがあるから、それを教えよう。

  

「上手くいっていないこと」が超重要。

 

問題文を読む時、全文をただダラダラと読むのではダメ。

というのも、問題文の中には、意味がありそうで無い「ノイズ」と、後々「答えそのもの」になる超重要箇所が混ざり合っているからだ。その重要性の違いがわかっていないと、設問を読んでから「えーっとどこかに書いてあったよな・・・」と問題文を探し回ることになり、時間がかかる。

 

逆にいうと、その超重要箇所がどれだかわかってさえいれば、問題文を読む効率はグッと上がるし、後々の設問にも楽勝で対応できる。だって答えが書かれている場所がわかってるんだもの。

 

では、その「答えそのもの」になる超重要箇所とはどこか?

ずばり、「現状で上手くいっていないこと(=課題)」に関する記載だ。

 

そもそも、ITストラテジストの役割は、ビジネスにおける「課題」を発掘、分析して、それをITの力で解決するという「企画力」が求められている。

だから、試験でも「この受験生は、きちんと課題(うまくいっていないこと)を把握できる力があるか?」を確かめているんだな。

 

実際、ITストラテジストの試験問題(午後1本文)は、概ね次のような流れで展開する。

 

1.わたしはこんなビジネスしてます。

2.でも、上手くいっていないことがあります。

3.そこで、ITでこんな解決をしました。

 

ほとんどコレ。 

そして、この問題文を受けて設定される設問において問われる箇所もだいたい決まってい。

3.の解決法に関し、

「どうしてこんな解決法が必要になったのか?」

「これによってどんな課題が解決したのか?」

「これを行ったことのメリットは何か?」

 という『そもそもの課題が、きちんと把握・分析できているかどうか』に関してだ。

 

 だから、それを見越して、最初から『課題は何か』をきっちりと把握しておけば、その後の設問にも即答できるってこと。

 

 

例えば、令和3年度試験の午後1から抜粋すると、次のような文言は「上手くいっていないこと」として注意すべき記載であり、実際に設問でも問われ、回答となった箇所だ。

 

「手続きが煩わしく、顧客から不満が出ている」

「入荷するまで時間がかかり、顧客、店舗とも不満がある」

「すぐに価格設定できず、販売機会を逃している」

※引用:IPA主催 【令和3年度春期 ITストラテジスト試験(ST)】

 

 

このように、問題文の中から設問(および答え)となりそうな箇所は決まっているので、そうした箇所はアンダーラインを引くなどし、とりわけ注意しながら読んでほしい。

裏を返すと、他の箇所、例えば、どんな場所でビジネスをしていて、顧客はどんな人で、これまでどんな実績をあげていて…だのという『舞台設定』みたいな話は(設問になる可能性が無いとは言わないが)相対的にあんまり重要ではないため、読む際にもそこに時間を取られてはいけない。

 

回答時は、問題文の用語をそのまま使うこと。

 

さて、ここまでで「問題文の重要そうな箇所」から、案の定、設問への回答になりそうな部分を発見することができた。

で、回答にあたっては、なるべく「問題文そのものを」書き写すということを推奨する。

裏を返すと、問題文に書いてある用語を使わず、自分の言葉で書くと不正解または減点となる可能性がある。

 

例えば、問題文には「卒業アルバムを作成するビジネス」と書いてあるにもかかわらず、回答時にその部分を抜き出す際には「写真集を作ること」などと書いてしまうとまずい。

令和3年度に出題されたこの設問では、学校にカメラマンを派遣する新規ビジネスについて問われているから、「写真集」では不正解に近いだろう。

もっとも、『問題文から抜き出せ』という指示でなければ、厳密に一字一句同じである必要はないが、どうしても文字数が合わないという事情でもなければ問題文に書かれている用語などはそのまま使用したほうが無難だ。

  

設問文もしっかり読んでね。

 

問題文はしっかり読むんだけど、設問は適当に読んでいる人が多い。

これは気をつけたい。

『何が問われているか』を正確に把握しなければ、そのものズバリの回答を書くことはできないからだ。

 例えば、令和3年度の試験では次のような設問があった。

 

『中学校の保護者へのメリットのうち、写真レコメンド機能が提供するものを答えよ』

 

これは、この問題文で紹介された写真購入システムのうち、写真レコメンド機能に限ったメリットは何かと聞いている。

でも、設問に注意を払わないと、「写真購入システムそのもの」のメリットが聞かれているのだと誤解して、不正確な答えを書いてしまうようになっている(正確には、答えを一つに絞ることができないようになっている。)。

 

問題文を精読することは必要だが、そこで気を抜かず、同じくらいの注意力で設問も読むこと。後から単純な読み違いに気がつくと後悔するものだ。

 

③.論文試験(午後2)

 

これがITストラテジスト試験の最終関門であり、かなり多くの不合格の受験生が「論文が駄目で落ちた」という状況ではないだろうか。

この論文の評価は点数でなく、A~Dまでのランク付けによって行われ、このうち最高評価である「Aランク」以外の論文は全て不合格となる。だから、きちんとした対策が必要なのだが、他方で「論文はどんな対策をすればいいのかわからない」という人がかなり多いのではないだろうか。

 

でも、大丈夫。Aランクの論文を一発で書く方法を教えよう。

 

まず講評を読んでみる。

論文に模範解答はない。だから、自分の論文のどこが駄目だったのか調べる術がない。

このように、適切なフィードバックが受けられないという点が、論文試験の対策を難しくさせている大きな理由だ。

 

だが、試験団体(IPA)のウェブサイトには「お前達の論文見たけど、こういう点がダメだった。」という総評が公表されている。それが「講評」というものだ。

そこでは「こういう論文は落ちますよ」と、採点者の目線での辛口コメントが試験ごとに掲載されている。これを使わない手はない。

 

もっとも、だいたい書いてあることはどの試験でも同じで、

 ・設問の趣旨とは違うことを書いている。

 ・設問で「書け」と言われていることを書いていない。

 ・具体的に書けと言っているのに、全然具体的じゃない。

 

 

など、「あれが書かかれてない」「この記述が足りない」「具体的じゃない」などの「論述不足」だ。

 

指示されたとおりに書く。

 

こうした論述不足の原因は、「問題文・設問をきちんと読んでいない」ことに尽きる。

書こうと思って書けていないというより、そもそも書くべきこととして認識できていない。

言い換えると、知識や技術が不足しているというより、そもそも「指示通りにやっていない」のだ。

 

指示通りにやっていない──これをシステム開発に置き換えると、お客様の仕様や要件を無視したものを勝手に開発しているというわけで、たしかにそれはまずいだろう。

 

こうした論文の採点方法は、自由にすると採点者の主観が入り過ぎてしまうから、加点ポイントは極めてシンプルにしているはずだ。すなわち、「設問の指示通りのことが書かれていれば加点する。」。

裏を返すと、指示されたことが書かれていないってことは、他の択一試験でいえば、解答用紙を空欄で提出するのとまったく同じ行為だ。

 

更に、これを裏返すとつまり・・・「指示通りに書けば」受かる。

この「指示通り書く」ということ、これこそが合格ランクの論文を書く唯一の方法だ。

そして、この対策を行うのに必要なのは、IT知識などではなく、冒頭で述べたように「設問をきちんと読む力」、つまり、注意力だ。

 

だが、それが難しい。

 

わかります。なにせ、こっちは急いでいるんですからね。

論文試験である「午後2」は、120分という時間の中で、与えられた設問を読み解き、自分の知識や経験をもとにした論理的文章を4,000字弱も書かなければならない。

 

文章の構成を練ったり、自分の経験や知識をひっくり返しつつ、それなりに丁寧な文字で書き込んでいくと、この120分という時間はかなり短く感じる。

実際短いから、設問の見落としや、論述不足が多発するのだろう。俺も割とギリギリで書き上げた。

 

このことから、論述の攻略法は、まず、設問の内容をなるべく短い時間で「抜け・漏れ」無く把握しつつ、文章の構成を決めることだ。これを先にやる。

それを決めずに、書きながら考えてしまうから、設問で求められていること抜け落ちるし、文章自体も支離滅裂になるのだ。

 

が、それができりゃ苦労しねえよと皆さん思うだろう。

そこで、良い方法がある。以下に説明する「設問をそのまま論文の目次にする手法」だ。

 

 

設問を論文の目次にする手法。

 

この方法だと、設問で求められていることに「抜け・漏れ」が発生しないうえ、文章構成も手軽に決まってしまう。

あとは内容を書くだけという状態を速やかに作り出すことができるのだ。

 

やり方はとってもかんたん。

 

具体的に、実際にあった設問で説明しよう。

ここでは令和3年度に実施されたITストラテジスト試験の「午後2試験 問2」から抜粋する。

 

設問ア:あなたが携わった個別システム化構想の策定において、背景となった事業目標、事業戦略に掲げられている変革の概要、関係するステークホルダについて、業務特性とともに800字で述べよ。

 

一見して、設問が入り組んでいて、何と何を書けばいいのか分かりづらい文章になっている。 

このため、「書きながら考える」タイプの書き方をしていると、たいてい最後の「業務特性」なんかが抜け落ちるんだな。そして採点講評には「単なる事業内容の紹介に終始しており、その事業が持つ特色である【業務特性】について触れられていない論文が目立った」などと書かれるのだ。

 

こうした「抜け・漏れ」を防ぐには、書き始める【前に】、設問そのものを分解して、論文の目次とする方法が良い。

 

具体的には、上記の設問を見たら、メモ欄に、次のような「論文の目次」を書くことから始める。

 

【私が携わった個別システム化構想の策定について】

1-1.システム化の背景となった事業目標について

1-2.事業戦略に掲げられている変革の概要について

1-3.関係するステークホルダについて

1-4.業務の特性について

 

これは、設問の内容をまるごと移植してきた、論文の目次構成だ。

要するに、設問に沿って、先に論文の章立てを決めてしまう。 

 

「設問をまるごと」論文の構成にするというのがポイントで、こうすることで「設問で求められていることが抜け落ちない」かつ「構成がすぐ決まる」。

これぞ一石二鳥だ。

 

また、このように整理することで、論文で記載されていない事も書かないで済む。

例えば、「何をどうシステム化したか」という基本的な話は、この段階ではまだ求められておらず、設問イでようやく指示があるのだが、アの時点で書いてしまうと、後で書くことが無くなってしまう状態に陥り、論文全体の構成を見直すハメになる。

 

このように、「何が問われているのか」をきちんと整理することは、論文作成のうえで必須なので、ぜひ身につけてほしい。

 

同年の出題から、例示を続けよう。

 

設問イ:設問アで述べたステークホルダについて、個別システム化構想案に対してどのような意見の相違があり、あなたはどのように意見を調整したか。個別システム化構想案の概要と意見の調整で工夫したこととともに、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

 

この設問でも、論文作成者に対して求められていることが入り組んでおり、急いでいると何らかの要件が抜け落ちてしまう恐れが高い。

でも、設問をそのまま論文の目次にすれば大丈夫。具体的には次のようなメモを作る。

 

 (アの論文の続きとして章立てする)

2-1 システム化構想案の概要について

2-2 ステークホルダとの意見の相違について

2-3 意見の相違の調整に関し、私が工夫したことについて。

 

このように章立てすれば、設問をきちんと整理できるとともに、章立てもすっきり決まるんだな。

また、設問で要求されている事項ごとに目次を作ることで、要点が小分けになるから、記載内容も(何も意識していなくても)具体的になりやすいというのもこの手法のメリットだ。

 

 

ついでだから最後の設問も見てみよう。

これは、実際に自分ならばどのような目次とするか考えてみてほしい。

 

設問ウ:設問イで述べた意見の調整結果を反映した個別システム化構想について、経営層からどのような評価を受けたか。評価を受けてあなたが改善したこととともに、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

どうでしょう? 目次のイメージが湧くだろうか・

あくまで俺の場合だが、次のように目次を作るだろう。

 

3-1 調整結果を反映した個別システム化構想について

3-2 経営陣の評価について

3-3 評価を受けて、私が改善したことについて

 

「どんな評価を受けたか」書くにあたり、まず、前の章まで書いた意見調整の結果、最終的にどのようなシステム化構想となったのか書いたほうが、次の項目に論理的につながるから、一応書いたほうが良い。

この程度であれば「趣旨と違ったことを書いた」ことにはならないだろう。

 

 

試験勉強では、目次を作る練習をする。

 

以上が「設問を論文の目次にする手法」の全てだ。実際に見てみると簡単でしょ?

なにせ、目次にすべきことは全部設問に書いてあるのだから、それをほぼコピペするだけで良い。

 

でも、試験会場で初体験はさすがにまずいから、このように目次を作成する練習はしておくこと。

ついでに余裕があれば、その目次の内容として「だいたいどんなことを書くか」という下書きを作る練習もすると良い。

例えば、今回の問題を使用すると次のとおり書ける。

 

1-1.システム化の背景となった事業目標について

今回、弊社がシステム化をする背景となった事業目標は、・・・を、・・・するというものである。これは、具体的には・・・を・・・することであり、弊社全体にとっても大きなプロジェクトのひとつとなっている。

 

1-2.事業戦略に掲げられている変革の概要について

上記の目標達成のための事業戦略として、現在の事業のプロセスを一部変革する必要があると判断された。変革の概要としては、現在、手動で行っている・・・を、個別システム化することにより、業務コストを削減することである。これにより・・・・が、・・・となり、より効率的に事業目標が達成されるものと考えられた。

 

1-3.関係するステークホルダについて

個別システム化するにあたってのステークホルダについては、弊社内で・・・といった事業部のほか、ユーザーとしては・・・といった者が該当した。

 

1-4.業務の特性について

今回の業務の特性については、他の業務とは・・・という点について特色があり、システム化をする上で配慮が必要な事項であった。

 

 この下書きまで完成したら、次に、IPAが公表している「講評」を読む。

そこでは「業務特性についての記載が無かったり、具体性が乏しい論文があった」とか書いてあるから、自分の下書きではその点についてフォローできているかどうかをチェックする。

これが論文の練習法の全てだ。

 

内容の書き出しのルールも決める。

 

各目次における本文の書き方についてもポイントがある。

例えば「業務の特性について」という目次であれば、その内容の書き出しも「業務の特性については、」とすることを推奨する。

このように書き始めることで、目次はきっちり設問に沿っているものの、肝心の本文が全く関係ないことを書いてしまっている(ありがちな)ことが避けられるのだ。

 

本文の1行目には、目次に書いたことそのものズバリを書く。

2行目からは、その補足を具体的に書く。

これは「パラグラフ・ライティング」という技術そのもので、文章を書く社会人ならば身につけておくべきスキルだともされている(俺はしばしばこのブログでそれが出来ていないが・・・。)。

信じられないようだが、恐らくかなり多くの不合格論文が、「最初はそのテーマについて書こうと思っていたけど、気がついたら全然違う話になっていた」とか、その手の類ではないかと推察している。それを防止するファイアーウォールとして、「書き出し」を定式化してしまうことをおすすめする。

  

書く内容に困ったら問題文を読む。

 

目次は作ったものの、まだ学生などで、経験が乏しく、肝心の本文が全く想像できないとしよう。

実は全然大丈夫。

そういう場合のため、問題文の本文に、「思いつかなかったらこういうことを書けばいいよ。例えばね・・・」と書いてある。これは本当にそう書いてある。

 

例えば、令和3年度のITストラテジスト試験では、システムのステークホルダとの意見調整についてどのように工夫したかが、設問の大きなテーマとなっている。

この点、例えば目次として設定した、

 

2-2 ステークホルダとの意見の相違について

2-3 意見の相違の調整に関し、私が工夫したことについて。

 

などは、経験がなければなかなか書きづらかったのではないだろうか。

「うーん、今まで誰かと誰かの調整したことなんかないぞ」と。

 

そのように困ったら、問題文を読む。

すると、「調整の例」として、次のように書いてあるではないか。

 

例えば、次のような調整をすることがある。

人的リソース不足に懸念を示すIT子会社に対しては、開発スケジュールを事業部門、IT子会社部門とともに見直して、IT子会社の負荷調整を図る。

 

 これ、そっくり自分の経験としてパクって、「IT子会社を調整しました!」と書いていい。事実、俺はこれに近いことをやって、今回の試験に合格した。

 

このように、経験が少ない人が「詰まないように」試験側が「こんなこと書けば良いんですよ~」と教えてくれてるんだな。こんな親切なことってありますか??

 なので、未経験者でも恐れることはない。妄想を膨らませればなんだってできる。

 

なんでこんな方式になっているのか?

それは、ITストラテジスト試験が、「これまでの凄い体験」の順番に評価をするのではなくて、あくまで「自分ならこうする」という論理的思考力や、企画力、問題認識力を計測しているからだ。

だから、問題文にある「例」をそのまま使った妄想でも、全く問題なし。これなら事実上「書けない論文はない」。

 

ただし、 三好 康之氏の「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」という本によると、「私は全く経験がありませんが、もし私が当事者になったらと仮定して論述します」と書いたところ、不合格になったそうだ。

問題文の例をそのまま使うのも良いが、あくまで自分の体験として語ることが重要だろう。

 

システムのレベルは「そこそこ」でいい。

 

以上により、設問の要求どおりに目次を設定したうえ、どんな内容を書くかも決まった。

さて、その内容で紹介する「自分が考えた最強のシステム」は、ろくでもないもので構わない。ろくでもないものっていうか、「今更そんなものをシステム化するの?というか、まだシステム化してなかったの?」と思われるような低レベルのものでも問題ない。

事実、俺が今回の試験で書いた「システム化」も、これまで手作業でデータを持ち込んでいたことを、ウェブからアップロードできるようにしました、とかそんなモノだ(しかもでっち上げた話。)。

 

それでも全く問題無い。なぜか?

それは、先程も述べたように、ITストラテジストに求められるのはシステム化したもののレベルそのものではなく、そこに至るまでの企画・調整力だからだ。

 

どのように課題を把握し、企画し、調整してシステム化にこぎつけたか・・・システムそれ自体よりも、それ以前のことがしっかりと論述されていれば、きちんと評価されるから安心してほしい。

 

むしろ、それなりにまとまりのある、手頃なサイズ感の、シンプルなシステム化計画をネタとして持っておくほうがいい。そうでないと、「システム化の概要」だとか「システムの全体」だとかの論述に、やたら時間を食うからだ。

 

役に立つ参考書

 

TACの「オールインワン」を推奨する。

 

 

午前2~午後2まで、必要な知識+試験テクニックがまとめられており、この1冊で必要十分。

この作りであれば、他の論文系試験でも同シリーズで攻略できるだろう。

 

 

今後の予定。

 

秋にプロジェクトマネージャを受ける予定。