みんなは車にハネられたことある?

 

このタイトルで分かるように今日は恋バナするよ。

 

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俺がここ数年よく思うのは、人生のパートナーとなる人は、知識があるでもなく、優しいでもなく、ましてやお金があるでもなく、一緒にいるとなぜか運気がよくなる人を選んだほうがいいってことだ。

これは我が国でも有数の理論物理学である細木数子先生もその著書の中で述べておられる。

 

知識だの優しさだのは人前でいくらでも取り繕うことができるんで、実際のところはよくわからないし、時の経過とともに変化する。
また、お金についても今後どうなるかなんてわからない。つまり他人というのはわからないことだらけだ(自分自身のことだって俺たちはわかっていないんだからな)。

 

そこで、現時点での「顔のつくり」で全部を判断するという(やや懸命な)人もいるが、もっと良いのは「運が良いか」で判断することだ。


こんなオカルトなこと、俺も信じていなかったが、仕事をしていると如実に「世の中には勝ち運を持った人と、負け運を持った人がいる」ことに気付かされる。


とてもきちんとした努力をしているのに、どうしてか不幸なことやタイミングの悪さがあって失敗する。そしてそれが続く。

こうした人というのは君たちの周りでもいるだろう。これが負け運と呼ばれるものだ。

で、人生のパートナーは、それとは逆に、なんかこの人がいるといろいろと都合のいいことが周りで起こるな・・・と実感できる人を選んだほうが良い。例えば、一緒に行こうと思っていたコンサートのチケットが当選する。たまたまデートした日に楽しいイベントがやっている、等。


科学的な証明方法は複雑なのでここでは省略するが、とにかくそういう運だとか気の流れだとかのは存在して、その人の人生に終始ついてまわる。その前提で今回の話を読んでくれ。
そして、人生のパートナー選びというのは、そうした「運の良さ」によって判断するのが良いんだ。
ということを、今回の記事の前提として嫌々ながら享受してほしいと思う。大丈夫すぐにおわるから。

 

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さて、以上のような奇妙な主義主張をもって、例えば合コンに呼ばれたとする。

君の前に並んだ異性の中で、とりわけ運の良い人を見つけなければならない。

従って、合コンが始まるやいなや、みんなに以下のような質問をぶつけてみるのがいいだろう。最初の飲み物が運ばれてきて、みんなが一通り名前と職業などを言い終わった後の一発目だ。
みんなって車にはねられたことある?

 

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うん、君たちが言いたいことは手に取るようにわかる。
車といっても色々あるだろ、軽自動車から始まってトラックやら、高級車、バイクは含むのか含まないのか、そこの定義がわからん」ということだな。
おっしゃる通り。これは、エンジンで動く鉄の塊だったら何でもいい。ハネるものに貴賤無し。

 

疑問が解決したところで、さあ、この質問に対する返事の内容如何で、人生のパートナーを決めたら良い。


でもどんな返事だったら喜ばしいだろうか?


「過去に車にハネられた経験がありつつ、更になるべく傷を負わずに生還して、今この場にいる」ことだ。これが最も運がいい。


いやお前そもそも車にハネられない人のほうがずっと幸運なんじゃねえの??? って思った君は、確率を勘違いしている。

 

A:車にハネられない確率(幸運)
B:車にハネられた上で(ここまでは不運)そこから生還する確率(ここから幸運)

 

このAとBを比べた場合、Bのほうがずっと起こり難い事象である(きっと)。
そして、Bは(結果的に)幸運である。

 

このことから、車にハネられずにいる人よりも、ハネられた上で生還して今この場にいる人というのがずっと幸運を持っているといえる。

神の「まだ生きろ」という祝福を受けている人物である。(厳密な数学的証明方法は複雑になるので省くから、とりあえずこの前提で頼む。

 

ちなみに言うとこれは、この前、筆者が「世界衝撃映像スペシャル」みたいなテレビ番組をだらだらと見ていた時、強盗が撃った拳銃の流れ弾が下腹部に当たりつつも、ベルトのわずかな金属のバックル部分に命中したことで奇跡的に無傷で済んだ男が「超ラッキーボーイ」として紹介されているのを見ていやお前そもそも撃たれた時点でラッキーじゃねえだろ!! と感じたところでハっと気がついた理論だ。

 

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じゃあ実際に、合コンの場で「車にハネられたことある?」と聞いた時の反応別評価をシミュレーションしてみよう。


1.「え~、何いきなり(汗)。そんな事聞く?!」

これは保留とする。
常識ぶって話を戻そうとしているが、実際には過去に大きな事故の経験があって(この場では言い出せず)、その後付き合ってからエッチする時に、背中にある大きなトラックのフロントバンパー型のアザを見つけることになる可能性はゼロではない(そうなったらしめたものだ)。


2.「あるよ!! むかし○○にハネられた!笑」
これは基本的に採用。

で、その○○は排気量が高いほど良しとする。例えばその場に日産のマーチにハネられた男と、カローラにハネられた男がいたらカローラ男に加点する。そんな車にハネられたヤツばっかりで合コンすんな。


また、こうした場で素っ頓狂な質問をされてすぐにノってきてくれる、気の利いたところもポイントが高い。俺なら幸運と機転を併せ持つこの子と付き合う。


3.「あるわけないじゃん、ふつー。ばーか」
これは安心して即座に却下してよい。
それに、たとえバカみたいな質問だとしてもちょっとは工夫して返事してもらいたいもんだ。二度と口きかなくていい。

 

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ここで、ひとつ読者が気がついていない事項について注意をすると、基本的に合コンの場でこうしたエキセントリックな質問をした場合は、周りと比べかなり後手からのスタートとなる。
運の良い異性を見つけ出したところで、次に恋人関係になるまでが通常よりもかなり困難となると思われるので、その変は留意してもらいたい。

 

が、ここで朗報。
合コンに適したアミューズメント的居酒屋には、「ひとつだけたっぷりカラシが入ったシュークリーム」とか「ひとつだけワサビ増量寿司」だとか、他人の運を客観的に測定できるメニューが置いてあるところがある。ああしたメニューはまさにこのために作られたものなのだ。いきなり「事故ったことある?」だなんて聞いたら嫌われてしまうかも、と不安に思うのであれば、これを利用しない手はない!

 

合コンが始まって間もなく、じゃあとりあえず飲み物を注文しようか~という流れになってから、こうだ。
とりあえず人数分ビール! それから一つだけカラシがたっぷり入ったシュークリームお願いします!

 

最初の注文が枝豆でも鶏のから揚げでもポテトフライでもなく、そんなイロモノメニューだということに多少は抗議の声があがるかもしれないが、他人の運を測定し未来のパートナーを選別する作業のためにはやむを得ない。

 世の中の合コンで何をしているかというと、ただ食っちゃ飲み、そして愚にもつかない話をして(車にハネられた話もせず)結局酔っ払って帰るだけ。
何がオニオンリングだ。そんなものはガストで食うものだ。そうではなく、合コンではひとつだけカラシがたっぷりはいったシュークリームを食べるべきであって、他には何もいらん!


ただし、ここで注意したいのは、このシュークリームでカラシを引き当てた人が「幸運」なのか「不運」なのかということだ。

これに関しては「不運なやつ」としてこれ以降口を聞く必要はない。


というのも、「勝ち運」というのは、単にレアな事が起きた、というだけでなく、ちゃんと本人にとって好ましい結果であることが求められる(つまり結果的にラッキーだということ)。
車にハネられた経験でいえば、ハネられたこと自体は不運ながらも、そこから生還したことが大ラッキーなのであった。

その法則に従えば、ここでからしシュークリームを引き合てた者については、合コンの最初に何カラシ食ってんのこいつってだけの可哀想な人だ。まぬけめ!

 

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ここでひとつだけ大きな問題があることに気がついた。
通常、こうしたからしシュークリームにはハズレが1つしかなく、従って1回の施行につき、負け犬を1匹しか見つけることができないじゃん❢

 

さらに言えば、必ずしも異性がハズレを引き当てるとは限らない(更には自分自信で食っちまう可能性だってある)。

困るなあみんなでもっと効率よくカラシ食ってくれないと・・・。


仮に男女3人ずつ、合計6人のグループの中から、ただ1人だけの幸運な異性を見つけようとすると、最悪の場合は5回ほどこの過酷なロシアンルーレットを行わなきゃならん。


「すみません、とりあえず人数分のビールと、人数分のカラシシュークリームセットください!」

「おまえはこれから一体何をはじめようってんだ」

 

また、最後に付言すると、このカラシシュークリームというのは、カラシを食っちゃう可哀想な人が必ず1人は現れる一方で、それ以外の人は必ず助かるようにできている。

つまりじゃんけん大会みたいなもんで、最初にたまたま負ける人もいれば、たまたま最後まで勝ち残る人も必ず現れる。で、そういう人が「運がいい」かというと、必ずしもそうとは言い切れない(こうしたものを「生存バイアス」という)。

 

やっぱりこの方法はダメだ! 口の中をカラシまみれにしてこっちを睨みつけているみんなにやっぱり聞こう「みんなって車にひかれたことあり??」

 

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ちなみに俺は車にハネられたことある。

 

しかもミニバンクラスの結構デカいやつだった。

そう、私もまた神の祝福を受けた存在であると、ここに告白する。

 

小学校低学年の頃、友達の家から帰宅する途中の急坂を原付バイクすら追い越すくらいのとんでもないスピードを出しながらチャリンコで降りていた時だ(神に祝福される者に怖いものなどない)


こうしたガキというのは基本的にどんな無茶をしても「車が避けてくれる」と思っているんだな。で、交差点を左折してきた車にあっさりぶつかった。


乗っていたチャリンコは車の下に入り込み、めちゃくちゃに曲がった鉄の塊と化した。その一方で俺は、ぶつかった衝撃で大きく飛ばされて、道路をゴロゴロと転がった。

 

が、記憶してる限りでは無傷で済んだ!

俺をハネた車から大慌てで出てきたのは30代前半くらいの若い夫婦で、俺が生きていることに安堵しつつも大変なことをしてしまったような感じで「大丈夫ですか?!」と尋ねてくる。


俺の方は、何か大変なことをしてしまった思いでいっぱいだった(怒られて、車の修理代を請求されると感じた)から、早いところこの場から逃げようと「この近所に住んでいる、傷も負ってないし平気だ(だから早く帰りたい)」ということを伝えた。

 

すると、事故を起こした夫婦は「それなら、今からこの車に乗って家まで送り届ける」と申し出てきた。

 

【間違いなく惨殺される】

 

直感的にそう思った俺はその申し出を断ったうえで、「どうしても俺の家に来たかったら、後からついてこい」と、めちゃくちゃになった自転車のカゴから自分の荷物を取り出して、平然と歩き始めた。 

 

青山少年がどんどん歩いていくもんだから、若夫婦も仕方なく後をついてくる。

事故を起こさせた上、こんなに歩かせてしまい、重ね重ね可哀想なことをしたもんだ。

更には途中、俺があんまり大荷物だったのを可哀想に思って、「私達も君の荷物を持つよ」と言ってくれた。

親切な人だ。これには素直に従うことにした。が、その俺の荷物というのが、たまたま友達の家に持っていった「スーパーマリオくん」全巻だったから、俺とその事故を起こした夫婦3人で、約30冊くらいのマンガ本を手にぞろぞろ歩いていくという奇妙な光景となった。しかも近所に住んでいるというのは早くこの場を去りたかったからついたウソで、本当は徒歩で片道20分以上はあるんだなこれ。

漫画を両手に抱えたご主人の「近所って言うけど意外とあるね(汗)」っていうか細い声を今でも忘れない。大切な青春の1ページだ。

 

1ページはいいとして、ようやく家についてから父親に事情を話したら、事故慣れ(?)している父は特に驚いたり怒ったりすることもなく警察を呼んでくれて、それから通常の事故対応になった。これら父親に感謝している。父は「子どもは冒険で成長する」という危険な思想の持ち主なのだ。


常識のある母親のほうは、事故の連絡を聞いて血相を変えて帰宅して、俺がどこの病院に搬送されたのか父親から聞いたところ「いま2階でゲームしてるよ」という返事を聞いてまたびっくりしたらしい。

 

これから幸せな生活が待っている若い夫婦に、業務上過失致死傷罪の悪夢をチラ見させてしまったことは今でも申し訳なく思う。
が、このエピソードを通じて今でも俺が幸運だと思うのは、車にハネられたにもかかわらず無傷で済んだこと以上に、その若夫婦の車に同乗しなかったことだ。
なぜかって言うと乗ったら絶対に間違いなく惨殺されていたからな!!!!!


ほいほいと車に乗った俺に、顔面蒼白の夫婦は振返り、こう言うだろう「ぼうや、私達と海見に行こうか。海の底は、きっとお魚がたくさんいて楽しいよ」。

 

人の言うことをホイホイ真に受ける人はカモになる。

それは合コンだとかでも同じことだ。
僕らはそういうものを跳ね除け、運の良い人とともに運の良い人生を送りましょう、という話でした。

 

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ノクターン(遺作)

先週に続いてショパンノクターン、ただしこちらは「遺作」という副題付き。そのとおりちょっと悲しげな曲。

俺はこれが大好きで、遺作って名前がついてるくらいだから、ぜひ俺の葬式ではおもてなしのために俺が一曲弾いてやろうと思って練習してるんだ。

 

楽譜は「ピアノソロ 大人のための かんたん!すぐ弾ける!クラシック名曲100選 」

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先週アップした楽譜より1段階簡単なもで、たぶんピアノ習って3ヶ月くらいで挑戦できる。で、あんまり上手じゃない。You Tubeとかにうpされてる他の「ノクターン遺作」聞くとまるで別の曲だからな! でも、いつか上手になる。

 

 

soundcloud.com

 

ところで、俺はこの音源のためにわざわざピアノレッスン教室のスタジオを借りてるわけだが、その隣のスタジオでは、すっごく育ちの良さそうな子がヴァイオリンのレッスンを受けてるわけ。しかもかなり上手い。そういう子のそばでこんなクソみたいな音を俺は出していて、その音が(あんまり設備のよくないスタジオだから)多分向こうには丸聞こえで、いつも向こうのレッスンの邪魔をしてるのが申し訳なく思う。

 

きっと(豪邸の)自宅に帰ってから、こんな会話をしてることだろう。

 

お父様「今日の夕飯のフィレ肉はなかなかうまいな。ところで今日のレッスンはどうだった?」

レッスンの子「練習の成果もあって先生に褒められましたの。でも、隣のスタジオからうんちのような音が聞こえて気が散りましたわ」

お父様「淑女は食事中にうんちとか言わないものだよ。はっはっは」

 

すまん!いつか上手くなる!!

あと、ツイッターにうpしたところ、フォロー外で「(またアップするとか言いつつ)いつものオチ(どうせこれっきりだろ)」って言ってくれる人がいて、そのモチベーションで引き続き何かアップしようという気になった。もちろんどうせこれっきりのつもりだったので、ああいう叱咤激励ほどこの世界で嬉しいものはない。

ありがとう。また見てね!

ショパン「ノクターン」

週に一回のピアノ教室に通っているんだが、「レッスンの日時は自分で予約して決めることができる」という、忙しい大人向けのクラスに登録している。

 

時間を自分で予約するとなると、便利さのほかに、俺たちに特有の大きな問題が持ち上がるのは皆さん知っての通り。月に一度はレッスンの時間を大きく間違えて先生から楽譜の一番固いところで頭殴られてるんだ。

 

で、今日も行ったら「おめー、先週100万回くらい【来週のレッスンは日曜の予約になってるんで、間違って土曜に来ないでね^^】って言ったのによく土曜に来たな!! 逆にお前すごいよ!」って言われて多分褒められた。俺たちはピアノよりもまず脳の一部重要なところを鍛える必要があるんだ。

 

そんなわけで、せっかくピアノ教室に来たのに暇になったから、グランドピアノがおいてある防音スタジオを借りて(30分800円だ)好き勝手に弾いたんでうpする。

 

サウンドクラウドのアカウントとか1年半ぶりに開いた。人に聞かせないと上手くならんという理由で作って、これから月に一回はうpするぞ、といってその18倍の月日がたった。でもまあ二度とやらんよりはいいだろ!

 

楽譜は「オトナピアノ」からショパンノクターン

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これ結構いいぞ。だいたい弾き始めて半年~1年くらいのレベルでいい感じに簡単アレンジされているうえに、有名どころの作曲家が揃っていて、選曲がどれも華やかな曲だからいい。

俺みたいな音楽的教養が無いにも関わらず発作的にピアノ始めたようなやつは「曲を聞いてピンとくるか」でだいぶモチベーションが違うから、こういう「とりあえず有名な曲集めました。あとだいぶ簡単にしてやったから感謝しろよ。」みたいな楽譜で挑戦するのが一番いいんだ。

 

スマホに最初からインストールされてるボイスレコーダーで録音してやった。ヤマハのグランドピアノが泣いてるよ。

 

soundcloud.com

 

 

 

サウンドクラウド、また1年半後に会いましょう。

 

 

弊社に外国人の研修生が来て、アホな英語で案内した話

 

うちの会社に、海外支社の外国人従業員が何人かやって来て、1週間ほど研修を受けることになった。
去年、俺が台湾の支社に派遣されて、海外での業務概要を説明されて帰ってくるという(こうしたものを一般的に「慰安旅行」だとかいう)ことをした、その逆バージョンだ。

台湾に行ってきたいわん - 青山日記


そういえば弊社、そんな交換留学みたいなことやってたなあ。


あの日の朝、俺が会社に行って、自分のデスクの前に突然カンボジア人とミャンマー人とインド人が座っているのを見て叫びながらひっくり返らなかったのは、あらかじめそんなことを聞かされていたからだった。

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今の事業部では、俺が一番若手だということもあり、その三人の外国人は俺が面倒を見ることになった。英語もろく喋れんのにただ若いというだけで案内係に任命された俺を見ることで、日本企業のよくない風習を外国の方々に一発で理解してもらおうという趣旨だ。


いやそれにしても東南アジアの人が喋る英語わかんねー!!!

英語にもいろいろ方言があるのは知ってたけど、ほんとこんな何言ってんだかわからんもんなんだな。誰もTOEICのリスニングCDのお姉さんみたいな発音してねえ。

特にインドはひどい。ゴニョゴニョ言ううえにイギリス英語だから「(数字とかの)データ」のことを「ダータ」とか言う。こうなるとお手上げだから、想像していたよりずっと早く筆談によるコミュニケーションに切り替わったのだった。

 

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でもまあ、そんなしょっちゅう喋ってるわけじゃない。

とりあえずデスクに座らせて、会社のデータとか課題を与えて、それに対して適当にレポートでも書いてもらったらいい。このあたりは準備しておいたから大丈夫。

 

問題はそれ以外のフリータイムで、そのお世話も俺がしなきゃならん。

特に昼飯が困った。どこに連れていけば、そして何を話せば良いのかわからん。こういう時には言語のほかに宗教的な教養も求められる。午後何時にお祈りするんだとか、豚の肉は食っちゃだめとか。対する俺自身の宗教的教養はというと「キリストはいつも裸だから寒そう」くらいなもんだからかなり困った。もう面倒くさいから俺が勝手にローソンでおにぎりでも買ってきて渡してやろうかと思ったくらいだ。


外国人は3人で1チームとなっていて、その3人の間では会話が通じているようだったから、彼らに適当に仲良く喋らせておいて、俺はただ「こっちへ来い!」「この店へ入れ!」「喋ってないで早く食え!」などの簡単な英語だけ喋る人(刑務所の看守か俺は)に徹すれば良い。が、結構こっちへ話を振ってくる。


俺が適当に愛想笑いをして済ませたら、外国人はその愛想笑いに対しても何か言ってくるんで弱っていると、見かねた同僚が「インド人が『さっきから笑ってるけどこの話の何がおかしいんだ』って言ってるよ」だと。おいそういうの早く教えろよ!! インド洋に沈めるぞこの野郎!

 

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同僚は少し(少なくとも俺よりは)英語が喋れるようだから、一緒に社員食堂へ行くこととした。ちなみに、社員食堂は英語で「カフェテリア」という。へ~カフェテリアっていうとなんかスタバとかそんなのイメージするよな。それが社食だっていうから日本で使われてる英語とはイメージが違うもんだ。


仲間は多いほうが良いんで、「カフェテリア行くからついてきて」と言って何も知らない部下も連れてきた。部下は「この前新作のラテが出たんですw」とか言って喜んで付いてきたのに、社員食堂につくなり何故か怒って「カフェっていうからスタバかと思ったのに!!!あと、そのインド人はなに!」だからな。

 

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社員食堂では日替わりランチセットを注文することになった。メニューを一つずつ説明するの面倒だもんな。おまけにセットメニューだと写真がついてくるから、選ぶ外国人も、注文する俺たちも楽でいい。


「これは一体何だ?」とカンボジア人が指さしているのが「マグロのぶつ切り丼」だった。

・・ぶつ切りってなんだ? 丼ってなんていうの? と俺が困っていると、気の利く部下が「カット、ツナ。アンド ライス!」と言って、なんとなく理解してくれたようだった。

なるほどな~うまいもんだ。やっぱ文法より、単語だけでもいいから、ああやって伝えようとする努力が大切なんだ。


次に、ミャンマー人は「豚の生姜焼き定食」がお気に召したようで、これは同僚が、「ポーク、フライド ウィズ ジンジャー」と説明。


こういう感じだったら俺にも説明できそうだわい。
と思っていたところで(俺が担当の)インド人が指さしたのが「中華風あんかけ丼ぶり」だからな。なんで俺の時だけそんな面倒なもん選んでんだよ!! よくわからんから「チャイニーズ・スライム・ライス」っつってやったかんな!


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研修では、俺が講師を担当するコマもあった。

この時はさすがに通訳の業者が来てくれたんで非常に助かった。

通訳ってほんとすごいな~。俺、相手が日本人でも時々何言ってんだかわからんのに、外国人同士の会話をその場で訳してくれるんだからこれは本当にすごい能力で、この地球がより良く回転していくことに貢献していると思う。

 

で、俺の講師のコマは、この会社の組織体制だとか、どんな専門家がいるんだとか、最終的に何を提供してるんだとかそんな(時間つぶしのような)話だった。話すことが決まりきっているうえに誰も聞いてないだろうから、楽でいい。


会社の座席表(この時のために、英語版を作っておいた)を見せて、この人は何やってて、この人は何の専門家で・・・みたいな、だいたい10分くらいでみんな寝てるだろう・・・と思っていたらこれに質問が集中して大変だった! 人んちの座席表にそんな聞くことあります!?

 

カンボジア人「女性をこんな端っこに座らせているのは差別だ。 先進国がそういうことをしちゃいけない」
俺「アイムソーリー・・・」


ミャンマー人「このチームとこのチームは作業が似ているのに、こんなに机が離れてると非効率的だから、近づけたらいい」
俺「アイムソーリー・・・」


インド人「この【◯◯~へ行く】っておかしな名前の人は何だ?」
俺「それはGo to さんと書いて後藤さんという人なんです」

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そんな感じで結構大変だった。
でも、そんなことが1週間も続くと、何だかんだで少しずつ喋れるようになってくる。言語は学校で学ぶより一度留学したほうが何倍も身につくって本当だよな~だって死んじゃうもん喋れないと。


会社の研修では英語が喋れなくても死にはしなかったが、日本の社会人というのはこんなにも英語が喋れないんだと、外国人研修生にはかなりがっかりされたと思う。すまんみんな。次はもっと英語勉強する。少なくとも「あんかけ」は「スライム」ではないと思う。

 

 

証券アナリストの資格を独学で取得する方法

こんにちは。

今年(2018年)の6月に証券アナリスト試験(2次)を受けてきた。

多分受かったと思うので、忘れないうちに勉強法やら試験内容の感想やらを、これから独学で受験する人たちのためにメモしておこうと思う。

 

なお、「証券アナリストとはこういうものです」「試験科目にはこれがあります」とかいう説明は、独学の勉強法を求めてここへ来た人には自明のことだろうから省略する。

 

まず、勉強にあたっては、人間の集中力と短期記憶を相当程度引き上げてくれる「スマートドラッグ」というサプリメントがおすすめ。特集記事へのリンクを貼っておく。

やる気の維持や、短期記憶力の引き上げに一役買ってくれるアイテムなので、他の受験生とかなり勉強効率が変わってくると思う。

 こんな怪しい宣伝から始めていたら、この先誰も読む人いなそう。

 

(追記)

無事合格していた様子。まあ、落ちてたらこんな恥ずかしい記事は今皆さんの目に触れることなくこつ然と消えているわけですが・・・。 

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試験の感想など。

 

1次試験(勉強期間・・・約2ヶ月間(ほぼ証券分析))

 

【1.証券分析】★★☆

 

馴染みの無い人にはとことん馴染みがない分野、それが証券分析。

なので、初学者には基礎から試験レベルまで勉強するのにとっても時間がかかる。

まあ「証券アナリスト」という資格なくらいだから、この「証券分析」がこの資格のキモだというつもりで勉強時間を裂こう。

 

もっとも、合格者一覧の職業欄を見ると、みなさん◯◯証券だのってのが殆どで(きっと職場で取らされているんでしょうね)、このあたりの理論的なことは仕事している中で身につけているのかもしれない。

他方で俺はほぼ素人だったので、イチから勉強せざるを得なかった。

 

 

証券分析における1次試験は、計算問題がメインだ。簡単な偏微分くらいまでを扱う。

で、こういうと「数学が苦手だったからまず無理だ・・・」と思う人もいるだろう。

でも、大丈夫。

理屈なんてしりません。どうしてこれがそうなるのかなんて説明できないけど、計算式は暗記してきました」で、十分合格点は取れる。公式の暗記、これだ。

 

 

というのも、証券アナリストの1次試験は、後述するように、過去問が一字一句そのまんま出続けるからだ。

まったく判で押したような問題の連続で、過去問を勉強していると「あれ? 間違えて同じ年度の問題もう1回やっちゃったかな?」と思うくらい。

 

そしてこれは、とりわけ計算問題で顕著だといえる。 

例えば「修正デュレーションは何なのか。コンベクシティってどういうことなのか」なんてのは正確に理解できていなくても、「金利が○%動いた場合における債券価格の変動を、修正デュレーションとコンベクシティの近似で求めよ」という問題が出た時に、それを導くための計算式が取り出してこられればそれで良い。*1

 

この手の計算問題は、問題文はほとんど同じで、中身の数字のみを入れ替えたものがほとんど。数学が苦手だからと言って諦めず、まるで漢字や英文を覚えるような作法で、この公式を覚えること。この作業を面倒臭がらずに出来た人から順番に受かる。

 

他方、文章の選択問題はというと、これもまるで自動車運転免許の仮免試験のごとく決まりきった問題ばっかり出る。新出問題も中にはあるだろうが、1割あるかないかなので、ここでも過去問の繰り返しのみが合格への最短距離だと言える。

 

それなのに、世の中には大学の先生が書いたような「証券分析」という分厚い本で勉強している人がとんでもなく多い!! しかも1ページ目からきちんと読む!! 最悪なのことにまとめノートまで作る!! 

これは証券アナリストで落ちる典型的な受験生の例と言っていい。

分厚い「基本書」なんて、本の最後に差し掛かる頃には1ページ目の方を忘れているから、問題を解くにあたってはまた「基本書」を開いて調べる。これ以上のムダな勉強がこの世にあったら教えて欲しいくらいだ。

このブログを読んでいる方は、間違ってもこんな勉強法なんか行わず、ただ黙々と過去問を繰り返してほしい。証券アナリストの資格試験に登録すると、ありがたいことに過去問が専用のウェブサイトで公開されており、更には答えと解説まで掲載されている。

これを使わない手はない。

証券アナリストは受けるだけでも数万円かかる高額な試験。勉強ではなるべくお金を使わないようにしよう。

 

 

【2.経済】★☆☆

 

経済学も証券分析と同様、計算問題が多く出題されるものの、これも証券分析と同様に、過去問の繰り返しで十分に合格点が取れるようになっている。

 

なので過去問の解き方のみを確認しておけば良いのだが、ゲーム理論、需要-供給バランスなどは、2次試験の理論問題で記述が求められるところなので、この際に理解しておくと効率が良い。

また、「状態価格」の考え方は、証券分析でも使われる「価格」の基本的な考え方なんだけれども、これまで金融経済に携わっていないと必ず躓く箇所ではないかと思う。

状態価格というのは、要するに「いろんなリスクのある将来を(確率に基づいて)全部考えた結果、この商品は今どんな価格になっていればいいのかなあ?」という話なんだが、これはきちんと方程式を理解しておくと、「証券分析」における「2項モデル」の活用や(難しくない)、リスク中立確率の理解に役立つ。ここも2次試験で問われるところなので、丁寧にやる価値はある。

が、間違っても「基本書」なんかで勉強しないこと。

計算式が自分で立てられれば良いだけなので、そのレベルに達するくらいまでで止めておこう。俺たちに残された時間は短いのだ。

 

ちなみに言うと、俺は勉強時間が足らず、この「経済学」をほとんど勉強せず(状態価格くらいはやったけれど)、残りの経済事情やら経済理論なんかは新聞とか池上彰のニュースレベルの知識で解いて、全く手応えが無かったものの、受かっていた。

よっぽどみんな出来てないのだと思う。

なので、過去問で5割~6割くらい取れれば、それ以上やる必要はないように思える。

その分の時間で証券分析の過去問周回を頑張ってほしい。

 

【3.財務分析】★☆☆

 

俺は簿記2級を持っていて、1級も何度か受験して挫折(笑)するくらいの前提知識があったものだから、後述する「大問4」以外、ほとんど勉強した記憶がない。

 

この分野の理論問題(正誤問題)では、簿記3級~簿記1級レベルの、非常に幅広い問題が出るため、これに対応するために簿記を学び直そうなんてやってると絶対に時間が足りなくなる。

なので、ここでもお決まりのように過去問で出てきたものをそのまま解説ごと暗記するのが良い。ここも毎年、同じ公式や計算方法を使って「数字だけ入れ替えた」問題のオンパレードとなっているからだ。

とは言え、「減価償却って何?」とか、問題文で問われている意味がわからないようであれば、ググって調べる。1次レベルの正誤問題などググるだけで十分だ。

 

 

とはいえ、「損益計算書」と「貸借対照表」のどこに何が書いてあるのかを一通り確認しておくと、問題を解くスピードが飛躍的に高まるので、きちんと覚えると良い。

こんなのは、受験生の大半を占める銀行員やら証券会社の人ならば常識なんだろうけれど、逆に言うとそれを常識としていない人がいちいち「えーっと、純資産って、貸借対照表のどこに書いてあるんだ・・・?」なんて探しているとそこで差が付いてしまう。

 

貸借対照表損益計算書を学習すると良い理由がもうひとつ。

財務分析最大の得点源である大問4の「デュポンシステム分解」が超楽勝になるんだ。

 

デュポンシステムとは、ある企業のROEを、3つの経営指標に分解して、それぞれの傾向や特徴を分析するもの。これがほんとまあ、なんでこんな毎年おんなじ問題ばっかり出すかねってくらいおんなじ問題なうえに、配点もバカ高いので、一種のボーナスステージになっている。

 

が、それを「ボーナスステージ」と認識できるのは、上記したように「損益計算書」と「貸借対照表」のどこに何が書いてあるのかがわかっている人たち。そうでない人たちは、問題用紙を埋め尽くす資料の中から回答に必要な数字を拾ってくるだけで手一杯、気がついたら時間切れ・・・なんてことになりがち。

財務諸表、大事。

 

この大問4だけで全体の3割くらいの配点があるから、これを9割くらい取れるようになってから財務分析の他の勉強をするのが近道だと思う。

 

 

以上、一次試験はほとんどが過去問の周回で難なく合格できるものだが、中には2次試験のために理解しておいたほうが良い分野もあるので、余った時間で(大事)詳しく見ていこう。

 

 2次試験(勉強時間・・・1次試験の知識1ヶ月半くらい)

 

  • 難易度

1)証券分析とポートフォリオ・マネジメント★★★★☆

2)コーポレート・ファイナンスと企業分析 ★★☆☆☆

3)市場と経済の分析 ★★★☆☆

4)職業倫理・行為基準 ★☆☆☆☆

 

  • 試験の感想

 

2次試験は、世間でもよく言われているとおり、[職業倫理]をいかに落とさずに切り抜けるかが最重要の課題となる。

正答率6割程度で合格と言われている本試験では、この職業倫理さえ満点ならば、あとの問題は全体で5割以下の正解でも受かってしまうことになる。やる気担ってきました?

 

また、職業倫理の問題内容は、ありがたいことに、問題に書かれていることを読んで、付属のアナリスト規定集で条文を確認し、後は常識で考えれば答えが書けるもの。

なので、逆に言うと、間違ったとしても語句の埋め1問だけとか、そういうレベルが求められる。そのためにも、この職業倫理の対策を怠らないでほしい。

 

ところが、世間では誰もが「楽勝」「サービス問題」などと言うおかげで、職業倫理の対策を一切行わず、「どうせ、試験問題には資料として職業倫理基準がついてるんでしょ。それ読みながら解きゃ満点じゃんw」とか思っている人があまりにも多い!

それ罠だ!! 死ぬぞ!! 

 

というのも、本試験ではその職業倫理規定を悠長に読みながら検討してる時間が全然ないんだな。

証券アナリストの試験時間は、午前午後あわせて7時間という超長丁場だが、全然時間足らんからなマジで。

俺は実際、その7時間ほぼノンストップでペンをはしらせ続け、回答を終了したのがそれぞれ試験時間終了の10分前くらい。それも、一見してわからない問題はほぼノータイムでパスしてその時間。完答せずに時間足りてない。

 

なので、2次試験の中でもとりわけ長文を書く必要のある「職業倫理」では、問題文を見た瞬間にあ、これはだいたい倫理基準のあそこに書いてあったな。覚えてるけど一応見るか」といって、すぐにその条文を開きつつ、即座に解答用紙に解説を書くことができるくらいまで勉強しておいたほうが良い。

「楽勝」などではまだだめで、「瞬殺」すること。

そのためのトレーニングは絶対に必要となるから、面倒でも過去問を確認しつつ、回答の仕方を確認しておくこと。

この科目はたしかに簡単だが、ゆっくり考えてる時間はないぞ。 

 

それ以外の科目について言えば、1次試験同様にだいたいが過去問どおりの定番問題が5割~7割くらい。

そして残りが、最新の金融経済学の論点や、摩訶不思議な問題。

そういう難解な問題は、受験生を面食らわせたり、無理に解かせようとして時間オーバーすることを狙った罠問題だ。ただでさえ時間が足りない2次試験は、絶対に手を付けてはいけない。試験では一見してわからない問題はその場で考えても絶対にわからないので、素早く次へ行くこと。

時間がなく、かつ、正答率6割で合格できる試験において、そういう「絶対わからない問題」をじっくりやっている価値はほとんどゼロだ。

なので、「ああ、そういう問題は僕いいんでw」「しめしめ、今回の罠問題はこれですか。その手は食いませんよ」などと心の中で(素早く)罵ってから、すぐにパスすること。 

デカい解答用紙がまるごと白紙になるので肝を冷やすけれど、それで構わない。

現に俺は何枚もの白紙答案を提出したけれど、問題なく合格した。

むしろヘタに構って(せめて部分点を・・・)なんてやってると、後半の簡単に正解できる問題をやる時間がなくなる。

 

「部分点を取る努力」は、最後まで解き終えた後、それでも合格点に達さないと見込まれる場合に初めて行うものだと思ってほしい。

「どんな問題でも、ちゃんと自分で考えてやれば解けるはず!」とかいう完璧主義者には辛い試験だが、我慢してほしい。

 

・その他の感想・・・1次試験の知識は持ち続けよう。

 

2次試験の勉強期間も1次試験と同じくらいで、過去問を周回していた2ヶ月ほどだったが、1次試験の知識をかなり応用するので、1次合格後、なるべく忘れないうちに2次の対策を始めたほうが良い。

 

というのも、みなさんご存知のとおり、この資格には、「1次試験に合格しても、2次試験を受けるまでには、協会の指定する講習を受けなきゃいけない」というアホみたいな制度があるんで、例えば今年の5月に1次試験に合格した人(がここを見ている可能性も高いが、だとしたら君)が2次試験を受けるとすれば、どんなに早くても翌年の6月になる。

 

まあ何もかも忘れてるよな! ゴーストオブツシマ面白いもんな!!

 

共分散ってなんでしたっけ? 

βってどう求めるの? 

シャープレシオってなに?

赤ちゃんはどうやったらできるの?

 

1次を合格した受験生が、1年経つうちに本気でそのレベルになっちまうから、そうだとすると2次試験の勉強の手間が2倍かかる。

 なので、せめて月に1度くらい、1次試験の過去問を1週したり、テキストをざっと見て知識の維持に務める。これくらいしておいた方がいいと。

ちなみに協会の配るテキストは、2次試験を合格した人が読み返す分にはよくまとまっていて分かりやすく感じるんだが、1次試験を合格したばかりの人が読むとあまりに難解で、2次試験を受けるモチベーションが激下がりすることうけあい。

また、2次試験にはあんまり出ないような論点も多く掲載されているので、試験直前の確認程度に大切に持っておこう。ここでもあくまで勉強に使うのは過去問だ。

 

・1次試験と2次試験の違い

 

1次試験では計算が出来て、答えが合っていればそれで良かったが、2次試験では「その答えが意味するところ」を記述する必要がある。これが最大の特徴だ。

 

先程もあげた例として「修正デュレーションとコンベクシティを用いた債券価格の変化を求める」ことについて、1次では「債券価格はこれだけ変化します」と数字を書いて正解だったものの、2時では「(式を示した上で)このように、修正デュレーションが大きいほど金利変動の影響を受けて、債権価格が下落する。また、修正デュレーションは残存期間が長い債券ほど大きくなる。よって、残存期間が長い債券ほど金利上昇時の価格下落率は高くなる。従って、このポートフォリオではよりリスクが高い」のように、自分が計算した結果を日本語で説明する必要があるのだ。

 

これだけ言うと難しいと感じるかもしれない。でも、大丈夫。これもほぼ毎年決まった論点しか出されないから(ファクターモデルの項目を説明せよ。とか)、これも過去7~8年分の過去問をやって、頻出問題を潰していけばよい。

そう、やることは1次試験と同じ。

初見の難しさに、心を折ってはいけないし、間違っても「証券ポートフォリオ概論」みたいな分厚い「基本書」を買ってはいけない(悪質なことに、勉強のサポートとしてアナリスト協会が専用サイトで宣伝してるんだけど)。

 

以下、証券アナリスト試験(に限らず、各種の資格試験)における基本的な勉強法を記載したので参考にしてもらいたい。

 

・関係ないけど・・・資格試験勉強のコツみたいなもの。

 

証券アナリスト試験に限らず、資格試験で出される問題は過去問からの抜粋だから、過去問を中心にやることになる。

というか過去問以外やらんでいい

この事実を知らないか、あるいは知っていても「不安だから」「勉強している気がしないから」という理由により、分厚いテキストを買って読み始める人がかなりいるんだが、みんなはやめよう。

そして、周りでそういうことをしている人がいたら黙っておこう。そういう人たちがいるおかげで俺たちが受かるんだからな。

 

誤解のないように言うが、「テキストを買うな」とは言わない。「勉強を始めるにあたって、まず分厚いテキストを読むような事をしないほうがいい」ということだ。

 

 

その理由は上でも散々言ってきたように、勉強時間がいくらあっても足りないからだが、要するにそういうテキストは網羅的すぎるんだ

 

テキストには「過去問に1度でも出たから」という理由で載っている項目もあれば、他方で、ここ5年間の本試験で毎年出ている項目もある。

もちろん、重要なのは後者なのだが、そのふたつが、テキストからだと判断できない。

どれが大事なのかもわからないまま、そのふたつを同じ努力で勉強する。

こんな非効率なことってないよな。

 

それを避けるには、まず過去問をやる。過去問をやって、そこで出てきた箇所だけテキストを見る。

そして、その問題を解くのに必要な部分だけ見て覚える。

テキストの使い方としてはこれ以外に無い。

 

・まとめノートは作らない。

 

 それにもかかわらず、世の中ではこの「テキスト信仰」が根強くて、とにかく「テキストの内容を咀嚼することこそが勉強なのである」と思っている人がとても多い。上でも触れたが「本質的な理解が大切なのである」と言って毎年落ちている人に、こうした傾向が見られる。

 

その典型的なのが「教科書まとめノート」というやつだ。みんなも一度は作ったことがあったと思う。俺も学生時代に作ったが、今から思うと大失敗だった。

 

というのも、単刀直入に言って、あのノートがどれだけ役に立っただろうか。

というかそもそも、ノートが完成した後にどれだけ見ただろうか?

作ったことに満足して、後から見ないまとめノートがこの世界には星のようにあると思うんだがどうだろう。

 

この点については声が枯れるまで繰り返しておきたい。

とりわけ参考書がすでに十分出回っている資格試験や受験勉強において、テキストや教科書のまとめノートを作成する必要なんかない、それどころか害悪ですらある。

 

 

 証券アナリスト試験のように、「過去問から中心に出題される」試験において、テキストを丹念に読んで、そのまとめノートを作るってのは、100m先のコンビニに行くのにその場で部品から組み立てた車に乗っていくくらい非効率なんで、みんなは絶対止めよう*2

 

 

 どうしてもまとめノートを作るならば、

前提:過去問で繰り返し出題される事項であって(重要)

1.何故かわからないが、不思議と覚えられないこと、

2.講義中に説明されたことで、今メモしないと二度と参照できないこと、

3.自作の図やイラスト、グラフが無いと理解できないこと、

 

のいずれかのパターンに該当する場合だけにしておこう。

要するに「今ある本をまた読みゃわかる」ことについて、わざわざノート作っちゃだめだ。

 

他の試験にも言えることだが、、この証券アナリストの試験についてはとりわけ、過去問をやった回数に正比例して点数が上がる仕組みになっているんで、テキストの内容をノートにまとめることはもちろん、テキストを頭から熟読する行為すら無駄なので、さっさと過去問の演習から入ること。

 

・予備校が出してるテキストも買わんでいい。

 

 このように主張するにはまだ別の理由があって、証券アナリストの試験は受けるだけでも金がかかる(必須の通信講座と受験料を合わせて最低13万円程度)。

 

この上さらに、総まとめテキストだとか、問題集だとかをTACとかから買うと、1冊だいたい3,000~4,000円だから(平均3,500円×(テキスト3冊+問題集3冊)、1次試験に用いる本だけで2万円程度かかる。

これがさらに2次試験で使うテキストだの問題集だの買っていたら、資格を取得するまでに20万円弱かかる。

 

 この資格をとることで直ちに給料が上がったり、良い会社に就職できればいいんだが、国家資格でもない本資格にそんな価値は(普通の状況であれば)無いと思うので、出来るだけリーズナブルにやろう。

そして、そのリーズナブルな方法こそが合格への最短距離である。

 

そこへいくと、ありがたいことに、過去問とその解答(解説まで!)は、証券アナリスト協会のウェブサイトで無料で公開されている。これを使わない手はない。

事実、俺は1次試験も2次試験も、過去問対策はすべて協会の公式サイトのダウンロードで済ませた。残された時間にもよるが、そこから入手できるすべての過去問をやろう。

 

証券アナリストの勉強法を解説したサイトの中には、この無料公開されている過去問及び解答をバカにしているのもあるが、解説を見比べても(2次に関してはTACの過去問を買ったが、ほとんど使わなかった)対して変わらない。

協会の出している過去問の解説はまあまあ優秀なのだ。

 

  

・過去問の解説をテキストにする。

 あなたはここまでで、TACのテキストの購入を中止し、用意していたノートを捨てた。そして協会のウェブサイトから過去5年分程度の過去問をダウンロードし、それをプリントアウトしてきた。

以下、その過去問の使い方を説明する。なお、これは証券アナリスト試験のみならず、他の資格試験等でも俺が活用している方法だ。

 

1.問題を読んだら即座に答えを見る。

 

ここまでのプロセスで、俺達はテキストを一切読んでいない。

それにも関わらず、過去問を見た。その当然の帰結として、まったくわからない。

 全くわからないにもかかわらず、ここでウンウン考えてるのは100%時間の無駄なので

1.問題文を読んだら、すぐに答えを読む

2.そして、その答えの通りに理解し、暗記する。

3.その直後、もう一度その問題を解いてみて、さっき見た答えのとおりに解答できるか試す。

 

これだ。

 

例えば以下の文章○×問題を考えてみる。

 

問「新株予約権は株主にとってのプットオプションとみなせる・・・◯、✕」

 

これはもう、なんでこんなのが毎年毎年、ほんっっっっと飽きもせず出るかねえって問題で、そのとおり毎年毎年出ている問題だ。

これはすぐ答えを読むと、「行使することによって新株が割り当てられることから、新株予約権は株主にとってのコールオプションである」とか書いてある。

 

そしたら、問題文の「プット」を二重線で消して「コール」に書き換える。そうすると問題文が正しい文章に変わるから、それをそのまま覚える

計算式が必要な場合はそれも近くに書く。

 

このように、問題文に直接、正しい答えと、その導入プロセスを記入していく。こうすることで、「アウトプットを求められる形に合わせてインプットする」ことが可能となる。

これが資格試験の勉强方法として極めて合理的かつ効率的な方法だ。

 

2.解説でもわからん場合にテキストを見る。

 

 ここまでで次の疑問が湧く。そもそもオプションって何だ?

 

この過去問の解説をテキスト代わりにする方法だと、しばしば「過去問の解説も何言ってんだかよくわからん」という自体に出くわす。そこがテキストの使いどころだ。

 

このように、過去問+過去問解説で勉強を進めつつ、その解説でも本気で何言ってんだかよくわからん時(かつ、そこを理解しないと次に出た時に回答できない場合)、テキストでその部分を解説した場所を読む。

基本、これ以外の方法でテキストは使わない。

 

佐野三郎の本(「合格最短テキスト」)を読むと、「コールオプションは資産を買う行為をすることの権利」なんだということが端的に書かれている。「新株」を「予約」するんだから買う権利、つまりコールオプションだよねと覚える。

 

ちなみにこの「合格最短テキスト」は、語り口調で読みやすいうえに要点がまとまっていて、余計なことが書いてないからおすすめしたい参考書だ。

 

 

3.ネットの用語集もかなり使える。

 

もっとも、こんな基礎用語であればテキストではなく、それこそ「ググる」だけで立ちどころに解説にありつけるので、テキストを開く必要もない。

野村證券のサイトで十分だ。

この用語集は本当に完結に、分かりやすくまとまっているから、俺はこれをよく活用した。ありがとう野村證券

 

==

なんか最後は全く関係ない勉強論みたいな話が多くなったが、だいたい以上のやりかたで、1次試験(証券分析、財務分析、経済)および2次試験はそんなに苦しむことなく突破することができたので、諦めずに頑張ってほしい。そして、こんな資格はさっさと取得して、立派な銀行員、証券マンになるため、早く表舞台に出ていくんだ!

 

*1:

こう言うと、必ず「そんな、本質を理解していないような勉強法に何の意味が?」と決まって言われる。

こういう意見は、有資格者のみならず、いつまでたっても試験に合格しない受験生からも聞かれることがある。そういう意見は必ず無視することだ。

 

『本質的な理解』なんてのは、机の上でのお勉強だけでなく、仕事をする上で実際に操ることでしか出来ないことだ。いくら完璧な成績で証券アナリストの資格をとったって、それで仕事ができるわけじゃない。でも、この資格がないと任されない仕事がある、だからあなたは資格を取ろうとしている、でしょ?

だから、考えられる最も効率的な方法で資格を取ってしまって、仕事を任される土俵に立ち、後はそこで「使える知識にする」。これが大切だ。

公式なんざ丸暗記でいいんだ。

*2:これも繰り返すようだが、周りでそういう作業をしている人がいても止めないこと。さっきも言ったようにまとめノートは「信仰」に近いので、無理にやめさせようとするとトラブルに繋がることと、結果的に非効率な勉強をしてくれているおかげで相対的に自分が助かっているので、止めさせるメリットがない、可哀想だが放っておこう。俺は読者にそういう目にあってほしくないからこうして言っている。

スマートドラッグ菓子を買ってみた【記憶力を維持するガム】

記憶力を維持するガム

 

昨日、マヨネーズを買うつもりでスーパーへ寄って、しっかりとビールを握りしめてレジに並んでいた時(基本的にはアルコールの指示で脳が動いているんだ)、レジ横にこんなのが置いてあった。

  

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【記憶力を維持するガム】

 

いわゆるドラえもんの「暗記パン」のようなジョーク・グッズかと思ったら、人の記憶力を増大させる有効成分である「イチョウ葉」が含まれているようだ。

 

俺はそこで、「これも、スマートドラッグのひとつだ!」と思わざるを得なかった。

スマートドラッグとは、このブログでも過去に紹介したことがあるけれど、人の脳内の栄養素を補ったり、または血流を良くすること等によって、脳機能を一時的に高めてくれる効果のあるサプリメントのことだ。

 

そんで、スマートドラッグの中には「記憶力」を強化するものもあって、そういう物にはだいたいこの「イチョウ葉」が含まれている。

イチョウはまさにお勉強のお供。

各大学のキャンパスに行くと、どこでもこれでもかってくらいイチョウの木が植えられているのはまさにこのためだ(あれをムシャムシャやってる大学生にはあんまりお目にかかったことはないが)。

  

買った。 

 

で、自称スマートドラッグ評論家を名乗る者としては見過ごせず、早速買ってきた。

 

原材料を見ると「イチョウ葉抽出加工品」以外は、各種甘味料とゼラチンと、普通のガムと同じ。

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「機能性表示食品」(健康補助食品のちょっと緩いやつ)のパッケージに記載が求められている「届出表示」を見ると、

「本品にはイチョウ葉フラボノイド配糖体及びイチョウ葉テルペンラクトンが含まれています。(中略)認知機能の一部である記憶力(言葉や図形などを覚え、思い出す能力)を維持することが報告されています。」とのこと。

 

マヨネーズを買うつもりがすっかり忘れてビールを両手に持ってスーパーから出てくるくらい頭蓋骨の中には脳みそっぽい何か柔らかなものが入っている俺のことだから、こうした効果はまさに今求めているものだ(そして同時にアルコール依存症を治療する効果的なセミナーも求めている)。

 

仕事をしろ。

 

早速食べて効果を検証・・・としたいところだけど、記憶力の検証って結構難しいよな!

このガムのおかげで「普段は忘れちゃってることだけど、ガムのおかげで覚えていた」ということを証明しなきゃいかん。でもどうやって?

 

ひとつ考えた方法は、0~9までの小さな数字カードを作り、それを適当に並べて覚えるというもの。

カードを作る手間もあるんでとりあえず16枚ほど作った。

それから、まず、ガムを食べないでその16桁を覚え、2時間後に何桁まで思い出せるかを確認する。次にガムを食べてから、さっきとは違う16桁を覚え、同じように2時間後にどこまで思い出せるかを確認する。これだ。

 

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もっと厳密なやり方があるんだろうけれど、俺が会社でちょっと試せることといえばこのくらいだ(まずこいつは自分が今仕事をしているということを真っ先に思い出したほうがいい)。

 

で、やってみたんだけど、これが大失敗だった。

どう失敗したかというと、こういうテストで「いざ!」と、めっちゃ気合い入れて覚えようとしたら、16桁とか普通に覚えられるもんだな! よくよく考えたら電話番号2つ分以下だし。 ゴロ合わせしたら案外楽勝で、でもこれじゃ検証にならんから、それならと俺は一気に120桁くらいに挑戦しようと思い、Wordで数字を入力した紙を印刷して、カッターを右手に持ったところでハタと気がついた。俺いま仕事中だわ。

 

あんまおいしくない。

んでこれがそんな美味いというわけではない。

記憶力の検証もできない、そんでガムも美味しくない、この記事は一体何のために存在するのか? 俺もよくわからん。

 

しかも見てこれ。ガムの包み紙開いたらこれよ。

 

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ご丁寧にもちゃんと検証できるようになってやんの。

こうして、俺がせっせとカード作った時間が更に意味のないものとなった。

 

サプリメントを飲もう!

 

イチョウ葉が記憶力をよくしたり、アルツハイマーの予防や治療に使われているのは間違いないので、受験生や、資格試験のために勉強している人は買ってみたらどうかな。

 

でも、同じイチョウ葉でも、iHerbで買えるサプリメント1カプセルイチョウエキスが60mgも取れる。これと同じ量をこのガムで取ろうとすると22.5枚もくちゃくちゃ噛まないといけない。

 

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Now Foods, Ginkgo Biloba, 60 mg, 240 Veg Capsules - iHerb.com

大学受験、定期テストのお供にどうぞ。 

 

 

やっぱ必要な栄養は食品でなくサプリメントで取ったほうが比べるまでもなく合理的だねえ~という結論はどうでしょ。 

  

 

4月に入社して、はや1ヶ月。そろそろ仕事やめたいよな。

・ぼくゾゾ太郎

本題に入る前にさっき思ったことを書く。

着るだけで身体のサイズを測定してくれる「ゾゾスーツ」、配送料だけで自宅に届けてくれるとあって、発表当時から話題になっていたから、読者も知ってるかもしれない。

 

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最近、これのデザインが、無地の黒から水玉模様に変わったことで「ダサい」「意味わからん」「俺は宗教上の理由で水玉がダメなんだ」などと、いろいろネガティブな意見が多い様子。その極めつけは、今朝のテレビ番組でやっていた街角インタビューだ。
大学生の男「こんなスーツ着たら友達からイジられそうです笑」

いやお前それ着て遊びにいくつもりなんか?!?! サイズ測定用だぞそれ!
いいか、こんなの着てカラオケでも行った日にゃあ、その日のうちにお前のあだ名は「ゾゾ太郎」だかんな!
何が「明日も身体計測してくれるといいね、ゾゾ太郎!! ヘケ!!」だ。

 


・もう仕事嫌なんだよな、わかるぞ。


ここから本題。

新人の入社前には、いろいろと教訓めいたことを言ってくれる先輩は星の数いても、この時期くらいに「そろそろ辛い時期がくるから気をつけろ」と警告してくれる先輩はあんまりいないようだから、それに関してちょっと書いておく。

というか、今からもう仕事嫌だよな、わかるぞ!
もう全部嫌になって、いつもとは逆の電車に乗って海を見に行きたいけど、電車賃がもったいないからやっぱり定期券で会社に行くよな、わかるぞ!!


いや、まだ大丈夫っすよという人もいるだろうけれど、油断しないでほしい。

まだ大丈夫な人を以下のとおりパターン分けした。

 

1.「やる気でカバーしてる!」:5月からやばいぞ。
2.「仕事が大したことない」:7月くらいからやばいぞ。
3.「まだ研修中で何もしてないw」:おめでとう、君はとてもいい会社を選んだ。でもいつかヤバイ時がくるぞ。


結局全部やばいじゃねえか!


俺の経験はというと、入社後1ヶ月ほど、本社とは違う場所で研修があった。その時は今から思い出しても楽しい日々で、研修が終わる時には寝食をともにした同期と泣いたものだ。

で、配属となってしばらくは「お、いけるかも。というかこんなんでお金貰えるんだったらええわ」と思っていたところ、7月から急激に仕事の量と質が変わって、精神と身体の状態が悪化し、秋までに10キロくらい痩せた。ここで言う3番目のパターンだな。

最初の「いけるかも?」は一体何だったんだ?
恐らくそれは、新人に最初だけ与えられる「責任ある仕事は任せられないんで、これでもやっとけ」というサービスタイム中のことで、しかも、どんな失敗をやらかしても「新人だから」で済むという無敵時間中のことだったんだ。


スマホゲームで例えるなら、初期登録者は10連ガチャ1回無料、ゲームポイント消費ゼロみたいな感じ。


だから、もう既に「仕事嫌すぎてやばい」と思っている人はもちろん、「仕事ちょろいなー」と思っている人がいたら、GW明けからちょっとずつ仕事が変わってくるから、そこで急に具合が悪くならないか、俺は心配なんだ。

 

でも、大丈夫。

 

そういう時、俺たちはどうしたらいいんだ?
俺が過去を振り返り、今から思うこと、当時考えていたことを書く。

 

・大丈夫、(きっと)慣れる。

人類の何が希望かって、「どんなことでも慣れる」というのがあると思う。

最初嫌でも、なんか割と平気になっている。成長だよね、心も身体も。
どんなことでも1年やれば大体大丈夫。2周めのゲームみたいなもんだからな。


だた、「慣れる」にしても、良い慣れると、悪い慣れるがあるから、そこは気をつけて。 その話を今からする。


1.良い慣れる・・・仕事に慣れる

 

これは「やり方」について慣れることで、良い方の慣れるだ。

「わからない」ことは、十分に多くの回数を繰り返せば「わかる」ようになる。

これに例外はない。
最初に出来ないからといって絶望するのはもったいないんで、仕事がよくわからんから会社行くの嫌だ、はちょっとガマンしたほうが、自分のためになるぞ。

 

それから、営業系で人と接する仕事をしている人は、お客に断られたり酷いことを言われたりすることもあって、こんな仕事絶対ムリと感じているだろう。
これも「仕事のやり方」の1つなので、慣れる。大丈夫だ。
俺も、新入社員~2年目まで、自分の仕事の傍ら、外部からの問い合わせや、苦情の電話を受ける役割だった。

もともと俺は根暗なタイプだし、電話も苦手だし、そこに最初から怒鳴ってくるお客さんもいて、「いやこれ心と身体とても持たないわ」と思っていたんだけれど、だいたい半年くらいで電話取るのが楽しくなってきた。人の電話を聞いていると「この時はこう言えばいいのに・・・」くらいのことは考えられる余裕もできた。


そんな個人的な感想が君たちに当てはまるかというと、そうとは限らないが、よっぽどクリエイティブなものが求められる業界は別として(いや、そこさえも)、仕事のやり方って意外とそんなにパターンが無いんだよな。

「ああ、またこれか」ってパターン化されてくる。そうすると平気、前にやったことあるからな。

だから、慣れるってパターン化なんだ。
こういうパターン化が出来るものは、さっきも言ったように、繰り返せば例外なく出来るようになる。放っておいても慣れるものは慣れるんで何もしなくていい。時間がすべてを解決する。
が、もっと早く慣れたければ、パターンをまとめたメモを作ったら良い。
「この仕事はこうする」「この場合はこう」「先輩はこうやっていたようだ」のようにパターンを分類してすぐ見られるようにするだけで、まず心の余裕が変わってくる。
俺たちはやればできる、が、大事なのは心の余裕なんだ。

パターンメモはそれを可能にしてくれる。

説教じみたことをこれ以上言うつもりはないが、みんなもっと何でもやったこと記録するようにしよう。

 

2.悪い慣れる・・・残業、休日出勤、怒られること

 

これらは「負担」について慣れることで、悪い方の慣れるだ。
と言っても、今まで1日のうち18時間寝ていた(猫より寝ていた)大学生活から社会に出ると、急激に身体への負担は増加するだろう。

一般的な範疇であれば、これは仕方ないし、いつかは(適切に)慣れる。

 

が、終電帰りの日々や、休日出勤など、明らかに異常な身体への負担も、いつか慣れる。

で、いつか死ぬ。一般的な人よりかなり早く死ぬ。


だから、こうした「過度の負担」に慣れると、後々やばいことになる。

結構早いうちに働く体力がなくなる。例えば腰が壊れる。

そうすると、本当にヤバいと思った時に転職活動が出来ないんだな。

 

そして、更に大きな問題がひとつ。

わたしたちは、慣れたことで平気だとは思っても、慣れたことでヤバいと思うことって、あんまり無いんだな。

 

有名な「熱湯のカエル理論」だ。
沸騰しているお湯にカエルを入れると、熱くてすぐに飛び出してくるが、まずは水に入れておき、そこから徐々に温度を上げていくと、カエルはそれに慣れてしまって、いつかは茹でられて死ぬ。


俺たちはこうなってはいけないから、早いうちに「これやばいからダメだ」と見切りを付けなきゃいけない。


が、そこへいくと、俺たちはこれまで、家庭や学校教育の場で「最後まで諦めず頑張る」ことは教えられてきていても「ヤバかったら早めに逃げ出す」ことを一切教わってきていない。
とりあえず頑張れ、頑張り方は教えてやる。だがそれで壊れそうになったら自己管理しろ。それが出来ないやつは自分が悪い。これだからな。社会は逃げる方法を教えてはくれない。

 

だから、忙しい毎日の中で急に「あれ?なんか平気かも」と思ったら、それが「良い慣れ」なのか「悪い慣れ」なのか判断して、早いうちに「逃げ出すならどうするか」を考え始めたほうが良い。

 

それから、「怒られること」も意外と慣れる、悪いストレスの1つだ。
これは自分も経験がある。有名なパワハラ上司の元にいたことがあって、とにかく人前で怒鳴る。最初は落ち込んでいるんだが、だんだん、心が石のようになっていく。怒鳴られている時、なんか自分の頭の上あたりから自分を見ている人がいる。
前だったら流していただろう涙も、最近よく東急ハンズで売られている水をすぐ吸い込む石のような心に吸い取られて、ただ「はい、 はい・・・」を繰り返すようになる。

これが続くと、いつか会社に行く前の布団で寝ている自分を、ずっと上から見ている自分が現れて、不思議と身体が動かなくなってくるようだ、こうしてくると転職なんかとても出来るメンタルではなくなってしまうから、このように「慣れる」前に手を打たなきゃいけない。

 

同じ「慣れる」でも善し悪しだぞ、という話をここではした。

 

・でも辞めるほうがきついよな

 

ただ、そういう職場にあっても、すぐに逃げ出すか、どうするか、判断がつかないことがある(というか大体そうだな)。

やっと面接を通って入社したのに、ここを辞めてまた無職になるというのは、ただ心が石になっていく生活よりも大変なことだと感じるだろう。


俺も、さっき言ったように割と精神的に大変な時期が(入社2年~4年目だけど)あって、でも結局それでも辞めなかったから、ここで「辞めても平気っすよ」というアドバイスが出来ないのは残念だ。

が、そういう「辞めるか辞めないか」という時に俺が考えていたこと、チェックポイントのようなものがあるから、参考にしてほしい。


・異動が(きっと)ある
 
今の苦しみは永遠ではない。これがわたしたち人類に残された最後の希望だ。
最初の項目から最後の希望とか言うな。

だけど、会社で鬱になりかけている時に考えることで、何が一番きついって「これが定年退職まで続くのか」という思考だと思う。
でも、普通そうじゃない。

それなりの会社だったら、アルバイトと違ってひとつの仕事だけやってるわけじゃないからな。営業もあれば企画もあるし、監査もあるし経理もある。
全部が地獄というわけではない(同時に、全部が天国というわけでもない)から、とりあえず異動を待つというのが一般的な我慢の仕方だ。

 

俺は最初営業的なところにいて、ここが実に楽しかったんだが、次に経理に行かされて2年間の地獄を見た。
でも辞めなかったのは「異動がある」というただ1つの光を見ていたからだ。カレンダーに異動までの数字を書いて、これが1つ減るたびに元気を出した。

逆に言うと、もし3年目の経理があったら、俺はそれが決まった日に辞めると決めていた。

他方、これが例えば、10数人でやっているような、経理・会計は存在するけれど専務などの役員が担当していて、後のみんな一斉に同じことをしている、ような会社というのがよくある。そこで「この会社ムリ」と思ったら我慢しないことだ。


・上司は(いずれ)いなくなる

人間関係の苦しみは、長時間労働と同じか、それ以上に厳しいストレス原因で、慣れてはいけない(というか慣れることができない苦しみだ。


とりわけ、上司との関係は、自分で選ぶことが出来ないだけに(上司から見た部下も同じことだが)、まさに「天国」か「地獄」の運命だと言える。

 

が、「異動」があるように、その上司もいずれはいなくなる。


自分の仕事が変わらなくても、周りの人が変わることで、仕事生活そのものがガラっと変わるのを感じられる。
どうしても嫌な上司がいたら、その上司がいつまでそのポジションにいるのかを考えて、辞めるか辞めないかの判断をしよう。

 

ただ、ここで、よくいるのが、周りから見ても本当にどうしょうもないクソみたいな上司で、そういうのは「他に異動させる部署がない」などの理由から、延々とただ1つのポジションにずっといることがある。
そういう人の下にいくと、自分が異動する以外に打つ手がない。加えて、そういう上司は、自分がこの仕事をずっとやっているんだというプライドだけはあるから、君がやる「もっとこうしたほうが良いんじゃね」という工夫をすべて否定するだろう。
俺はこういう状況になった時に、こう思うことにしている。「喪に服そう」。

 


・新人が(たぶん)くる

君が会社に雇われて、今の大変な職場に来たように、来年には君と同じようにここへやってくる(何も知らないのんきな)奴が来る。これは大きな希望だ。
まず、後任が来ることで、自分はその仕事を離れられるかもしれない。

万が一離れられなくても、人手は増える。

最初、何もできないうちは大変だろうが、育てば君自身の得にしかならない存在だから、頑張ろう。かつて君も、同じ立場だったのだから。そして惜しみなくアドバイスをあげよう。新人のためではなく、君自身のためだ。

 
・景気がいいうちにあきらめよう

 

異動もない、上司も変わらん、新人もきっとこない。そんで辛い。
はい、辞めよう。

それも、早ければ早いほうがいい。


さっきも言ったように、俺達は「なるべく早く諦める」手法を学んでこなかったが、社会に入ると急にそれが求められる。
希望がないところで「いつかやめよう」と思い続け、それでもダラダラしていたことで、まず身体が壊れて転職できなることはさっき言った。

それに加えて、景気がまた悪くなる恐れもある。
今、安倍政権の経済政策とかいろいろあって、失業率は下がって、10年くらい前に比べたら職探しのしやすい環境にあると思う。
が、景気は循環するものなので、いつか悪くなる。
いつ悪くなるかはわからないが、今の安倍政権が森友問題とかバカみたいなスキャンダルで倒れたとして、次に「緊縮財政」を掲げる内閣が成立したら、かなり大変なことになると思う。
早い話、安倍さんが辞める前に辞める。安倍よ俺より先に辞めるな。これだ。やるなら今しかない。と、俺は思う。

 

 

グダグダ書いていったけれど、GW開けからは更に自分の環境が大きく動くと思うから、それに流されつつも、たまには「あれ? わたしっていまどんな状況なんだ?」って振り返ろう。


そして、自分の身体が一番大事であること。身体があればまたやり直せること。忘れてはいけない。