証券アナリスト独学勉強

今年6月に証券アナリスト試験(2次)を受けてきたので、忘れないうちに勉強法やら試験内容の感想やらを、これから独学で受験する人たちのためにメモしておこうと思う。

 

なお、「証券アナリストとはこういうものです」「試験科目にはこれがあります」とかいう説明は、独学の勉強法を求めてここへ来た人には自明のことだろうから省略する。

 

 

それから、人間の集中力と短期記憶を相当程度引き上げてくれる「スマートドラッグ」というサプリがおすすめ。他の受験生とだいぶ勉強効率が変わってくるので、他にもいろいろ資格試験を目指している人は自分の身体に合ったものを探してみたらいいと思う。

 

 

ちなみに、合格していた様子。落ちてたらこんな記事書くなって話だけど・・・。

 

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試験の感想ほか 

 

1次試験(勉強期間~2ヶ月(ほぼ証券分析))

 

【1.証券分析】★★☆

 

1次試験は計算問題がメインだ。

こういうと「アタイは数学が苦手だったからまず無理だ・・・」と思われそう。

でも、大丈夫。

「理屈なんてしりません。どうしてこれがそうなるのかなんて説明できないけど、計算式は暗記してきました」で受かる。つまり公式を暗記すれば、以降その数字の入れ替えだけの問題ばかりなので、全く問題なく暗記のみで受かる。

 

というのも、過去問が一字一句そのまんま出るからだ。まったく判で押したような問題の連続。これは、とりわけ計算問題で顕著だといえる。

 

例えば「修正デュレーションは何なのか。コンベクシティってどういうことなのか」なんてのは理解できていなくても、「金利が○%動いた場合における債券価格の変動を、修正デュレーションとコンベクシティの近似で求めよ」という計算ができればいい。

そして、この問題は毎年全く同じように出題されているから、要するに式を暗記するだけの話だ。 この作業を面倒臭がらずに出来た人から順番に受かる。

 

正しい文章の選択問題はそれに輪をかけて楽勝で、まるで自動車運転免許の仮免試験のごとく決まりきった問題ばっかり出る。要するにどれだけ過去問で問題をこなすかが問われている。

 

【2.経済】★☆☆

 ミクロ経済学は計算問題が多くあるが、これも過去問の繰り返しでいける。

 

でも、ゲーム理論、需要-供給バランスは2次試験でも活用できる知識だから、よく理解しておくといい。また、「状態価格」の考え方は、受験生誰もが躓くのではないかと思う。要するに「いろんな将来を(確率に基づいて)考えた結果、今はどのくらいの価格になっていればいいのかなあ?」という話なんだが、これはきちんと方程式を理解しておくと、「証券分析」における「2項モデル」の活用や(難しくない)、リスク中立確率の考え方に役立つ。

ただし、あんまり深入りしてはいけない。あくまでも計算式が立てられればいいだけの話なので、「答えさえあってりゃいい」というつもりでただ暗記していこう。

 

ちなみに、俺はこの「経済学」はほとんど勉強せず(状態価格くらいはやったが)、あとはだいたい「新聞とか池上彰のニュースレベル」の知識で解いて、結果全く手応えが無かったものの受かっていた。よっぽどみんな出来てない。

なので、過去問で5割くらい取れればそれ以上やる必要はないように思える。

 

【3.財務分析】★☆☆

 

俺は簿記2級を持っていて、1級についても受験して挫折するくらいの勉強進度だったから(諦めるんじゃない)、後述する「大問4」以外、ほとんど勉強した記憶がない

理論問題(正誤問題)では簿記3級~簿記1級レベルの非常に様々な問題が出るんで、このために簿記を学び直そうなんてやってると時間なんて足りなくなる。そのため、ここもお決まりのように過去問で出てきたものをそのまま理論ごと暗記する。ここも毎年、同じ公式や計算方法を使って「数字だけ入れ替えた」問題のオンパレードとなっているから、一年だけの過去問をやって「やっぱ難しいわ」とか言って諦めたり、「こりゃ基礎からの勉強が必要だわ」とか言って簿記の参考書を買ってきたりしないこと。

 

でも、全く無勉強の場合、「損益計算書」と「貸借対照表」のどこに何が書いてあるのかを一通り確認しておくといい。

そうでないと、後半によく出題される「配当金を拠出したあとの株主資本の額」だとか、最大の得点源である大問4の「デュポンシステム分解」で手こずることになる。

デュポンシステムは、ある企業のROEを、3つの経営指標に分解して、それぞれの傾向や特徴を分析するもので、全く大したものじゃない。提示されているデータを当てはめていけば自動的に回答できるようになっているんだが、それにもかかわらず、このデュポンシステムは、ほんっっっっと毎年出ているうえに、問題もまるで同じ、かつ、配点も3割くらいあるから、全く時間がなければこの大問4だけやって他は運と常識にまかせても受かってしまうかも知れない(2次で苦労するけど・・・)。

 

 

 2次試験(勉強時間・・・1次試験の知識1ヶ月半くらい)

 

  • 難易度

1)証券分析とポートフォリオ・マネジメント★★★★☆

2)コーポレート・ファイナンスと企業分析 ★★☆☆☆

3)市場と経済の分析 ★★★☆☆

4)職業倫理・行為基準 ★☆☆☆☆

 

  • 試験の感想

 

 世間でもよく言われているとおり、[職業倫理]をいかに落とさずに切り抜けるかが最重要の課題となる。正答率6割程度で合格といわれている本試験では、ここさえ満点ならば、あとは5割以下の正解でも受かってしまう。

 問題内容はありがたいことに、書いてあることを読んで、付属のアナリスト規定集を参照しつつ、常識で考えれば分かるもの。なので、間違ったとしても語句埋め問題の1問だけとか、そういうレベルが求められる。

 そのためにも、この職業倫理の対策を怠らないでほしい。

 世間では誰もが「楽勝」「サービス問題」などと言うおかげで、職業倫理の対策を一切行わず、「どうせ、試験問題には資料として職業倫理基準がついてるんでしょ。それ読みながら解きゃ満点じゃんw」とか思っているヤツ。

死ぬぞ。

というのも、これを悠長に読みながら検討してる時間が全然ないんだな。

証券アナリストの試験時間は午前午後あわせて7時間という超長丁場だが、俺はその午前午後ほぼノンストップで解き続けて、終わったのがそれぞれ試験終了の10分前くらい。 それも、わからない問題はほぼ迷いなくパスしてそれ。

 

なので、問題文を見た瞬間にあ、これはだいたい倫理基準のあそこに書いてあったな。覚えてるけど一応見るか」といって、すぐにその条文を開いて解答用紙に解説を書くことができるくらいまで勉強しておいたほうが良い。 「楽勝」などではなく「瞬殺」で片付けること。

この科目はたしかに簡単だが、ゆっくり考えてる時間はないぞ。 

 

  それ以外の科目について言えば、これもまあ大体過去問どおり、定番な問題が半分~7割くらい。残りは、最新の論点や摩訶不思議な問題で、まず面食らったり混乱するようにできている。よっぽど専門家でもない限り満点かそれに近い点数を取るのは不可能だと思われる。

 

時間がなく、かつ、正答率6割で合格できる試験において、そういう「絶対わからない問題」をじっくりやっている価値はほとんどゼロだ。なので、「ああ、そういう問題は僕いいんでw」っつって、すぐにパスすること。 デカい解答用紙まるまる白紙になるからビビるけど、それで構わない。むしろヘタに構って(せめて部分点を・・・)なんてやってると、後半の簡単に正解できる問題をやる時間がなくなる。

 

「部分点を取る努力」は、最後まで解き終えた後、それでも合格点に達さないと見込まれる場合に初めて行うものだと思ってほしい。

「どんな問題でも、ちゃんと自分で考えてやれば解けるはず!」とかいう完璧主義者には辛い試験だ。

 

・1次試験の知識は持ち続けよう。

 

 2次試験の勉強期間としては、以下で述べるように過去問をやっていた2ヶ月ほどだが、1次試験の知識をかなり応用するので、なるべく忘れないうちに2次の対策を始めたほうが良い。

この資格には、「1次試験に合格しても、2次試験を受けるまでには、協会の指定する講習を受けなきゃいけない」というアホみたいな制度があるんで、例えば今年の5月に1次試験に合格した人が(がここを見ている可能性も高いが、だとしたら君が)2次を受けるとすればどんなに早くても翌年の6月になる。

まあ何もかも忘れてるよな!

共分散ってなんでしたっけ? βってどう求めるの? シャープレシオってなに。赤ちゃんはどうやったらできるの?

本気でそのレベルになっちまうから、そうだとすると手間が2倍かかる。

 

勉強するのは手間だし、まだ早いくらいなので、月に1度くらい、1次試験の過去問を1週したり、テキストをざっと見るだけでもだいぶマシだから、やっといたほうがいい。

 

・その他2次試験のコツ

 

1次試験では計算が出来て、答えが合っていればそれで良かったが、2次試験では「その意味するところ」を記述する必要がある。これが最大の特徴だ。

例えば、「修正デュレーションとコンベクシティを用いた債券価格の変化を求める」ことについて、1次では「債券価格はこれだけ変化します(終わり)」と言えば正解だったものの、2時では「このポートフォリオだと、修正デュレーションの数値が大きいので、金利上昇リスクを見込んだ場合に債券価格が下落して相対的に不利になると予想される」みたいに、「(式を示した上で)修正デュレーションが大きいほど金利変動の影響を受けて、債権価格が下落する。また、修正デュレーションは残存期間が長い債券ほど大きくなる。よって、残存期間が長い債券ほど金利上昇時の価格下落率は高くなる」のように記述する必要がある。

 

とはいえ、これもほぼ毎年決まった論点しか出されないから(ファクターモデルの項目を説明せよ。とか)、これも過去7~8年分の過去問をやって、頻出問題を潰していけばよい。

やることは1次試験と同じだから、難しいからといって、間違っても「証券ポートフォリオ概論」みたいな分厚い「基本書」と呼ばれるようなものを買ってはいけない

 

以下、証券アナリスト試験(に限らず、各種の資格試験)における基本的な勉強法を記載したので参考にしてもらいたい。

 

・勉強方法・・・過去問中心の勉強法

 

だいたい資格試験で出される問題は過去問からの抜粋だから、過去問を中心にやることになる。というか過去問以外やらんでいい

この事実を知らないか、あるいは知っていても「不安だから」「勉強している気がしないから」という理由により、分厚いテキストを買って読み始める人がかなりいるんだが、みんなはやめよう。そして周りでそういうことをしている人がいたら黙っておこう。そういう人たちがいるおかげで俺たちが受かるんだからな。

 

誤解のないように言うが、「テキストを買うな」とは言わない。「勉強を始めるにあたって、まずテキストを読むような事をしないほうがいい」ということだ。

その理由は過去、この記事にもちょっと書いた。

 

 

要するに網羅的すぎるんだ

過去問に1度でも出たから、という理由でもテキストにのってくる項目がたくさんある。

それ以外に、ここ5年間の本試験で毎年出ている項目もある。

そのふたつが、テキストからだと判断できない。よって、俺達はわけもわからないまま、両者を同じ努力で勉強する。こんな非効率なことってないよな。

 

そうではなく、まず過去問をやる。

過去問をやって、そこで出てきた箇所だけテキストを見る。

そして、その問題を解くのに必要な部分だけ見て覚える。

テキストの使い方としてはこれ以外に無い。

 

・まとめノートは作らない。

 

 それにもかかわらず、世の中ではこの「テキスト信仰」が根強くて、とにかく「テキストの内容を咀嚼することこそが勉強なのである」と思っている人がとても多い。

典型的なのが「教科書まとめノート」というやつだ。みんなも一度は作ったことがあったと思う。俺も作った。

 で、それが役に立っただろうか。というか、作った後に見ただろうか?

作ったことに満足して、後から見ないまとめノートがこの世界には星のようにあると思うんだがどうだろう。

 この点については声が枯れるまで繰り返しておきたい。

とりわけ参考書がすでに十分出回っている資格試験や受験勉強において、テキストや教科書のまとめノートを作成することの問題点は以下の通り。

 

 1.作ること自体に時間がかかる

 2.作ったことに満足して、勉強した気になる。

 3.既にテキストをまとめたモノが「参考書」として売られてるじゃん!

 4.作ったノートって実はあんまり見てない。

 

  証券アナリスト試験からやや話がそれて「独学論」みたいな話になっとるが、とりわけこうした「過去問から中心に出題される」試験において、テキストを丹念に読んで、そのまとめノートを作るってのは、100m先のコンビニに行くのにその場で部品から組み立てた車に乗っていくくらい非効率なんでみんなは絶対止めよう。(これも繰り返すようだが、周りでそういう作業をしている人がいても止めないこと。さっきも言ったようにまとめノートは「信仰」に近いので、無理にやめさせようとするとトラブルに繋がることと、結果的に非効率な勉強をしてくれているおかげで相対的に自分が助かっているので、止めさせるメリットがない、可哀想だが放っておこう。俺は読者にそういう目にあってほしくないからこうして言っている)。

 

 どうしてもまとめノートを作るならば、

前提:過去問で繰り返し出題される事項であって(重要)

1.何故かわからないが、不思議と覚えられないこと、

2.講義中に説明されたことで、今メモしないと二度と参照できないこと、

3.自作の図やイラスト、グラフが無いと理解できないこと、

 

のいずれかのパターンに該当する場合だけにしておこう。

要するに「今ある本をまた読みゃわかる」ことについて、わざわざノート作っちゃだめだ。

 

他の試験にも言えることだが、、この証券アナリストの試験についてはとりわけ、過去問をやった回数に正比例して点数が上がる仕組みになっているんで、テキストの内容をノートにまとめることはもちろん、テキストを頭から熟読する行為すら無駄なので、さっさと過去問の演習から入ること。

 

・予備校が出してるテキストも買わんでいい。

 

 このように主張するにはまだ別の理由があって、証券アナリストの試験は受けるだけでも金がかかる(必須の通信講座と受験料を合わせて最低13万円程度)。

 

この上さらに、総まとめテキストだとか、問題集だとかをTACとかから買うと、1冊だいたい3,000~4,000円だから(平均3,500円×(テキスト3冊+問題集3冊)、1次試験に用いる本だけで2万円程度かかる。これがさらに2次試験で使うテキストだの問題集だの買っていたら20万円弱かかる。

 

 この資格をとることで直ちに給料が上がったり、良い会社に就職できればいいんだが、国家資格でもない本資格にそんな価値は(普通の状況であれば)無いと思うので、出来るだけリーズナブルにやろう。そして、そのリーズナブルな方法こそが合格への最短距離であると主張する。

 

そこへいくと、ありがたいことに、過去問とその解答(解説まで!)は、証券アナリスト協会のウェブサイトで無料で公開されている。これを使わない手はない。

事実、俺は1次試験も2次試験も、過去問対策はすべて協会の公式サイトのダウンロードで済ませた。

 

証券アナリストの勉強法を解説したサイトの中には、この無料公開されている過去問及び解答をバカにしているのもあるが、解説を見比べても(2次に関してはTACの過去問を買ったが、ほとんど使わなかった)対して変わらない。協会の出している過去問の解説はまあまあ優秀なのだ。

 

  

・過去問の解説をテキストにする。

 

  あなたはここまでで、TACのテキストの購入を中止し、用意していたノートを捨てた。そして協会のウェブサイトから過去5年分程度の過去問をダウンロードし、それをプリントアウトしてきた。なかなかいいぞ。

以下、その過去問の使い方を説明する。なお、これは証券アナリスト試験のみならず、他の資格試験等でも俺が活用している方法だ。

 

1.問題を読んだら即座に答えを見る。

 

 ここまでのプロセスで、俺達はテキストを一切読んでいない。

それにも関わらず、過去問を見た。その当然の帰結として、まったくわからない。

 全くわからないにもかかわらず、ここでウンウン考えてるのは100%時間の無駄なので

1.問題文を読んだら、すぐに答えを読む

2.そして、その答えの通りに理解し、暗記する。

3.その直後、もう一度その問題を解いてみて、さっき見た答えのとおりに解答できるか試す。

 

これだ。

 

例えば以下の文章○×問題。

 「新株予約権は株主にとってのプットオプションとみなせる・・・◯、✕」

これはもう、なんでこんなのが毎年毎年、飽きもせず毎年毎年出るかねえって問題で、そのとおり毎年毎年出ている問題だ。

これはすぐ答えを読むと、「行使することによって新株が割り当てられることから、新株予約権は株主にとってのコールオプションである」とか書いてある。

そしたら、問題文の「プット」を二重線で消して「コール」に書き換える。そうすると問題文が正しい文章に変わるから、それをそのまま覚える

計算式が必要な場合はそれも書く。

 

このように、問題文に直接、正しい答えと、その導入プロセスを記入していく。こうすることで、「アウトプットを求められる形に合わせてインプットする」ことが可能となる。

これが資格試験の勉强方法として極めて合理的かつ効率的な方法だと主張する。

 

2.解説でもわからん場合にテキストを見る。

 

 ここまでで次の疑問が湧くよな。コールオプションって何だ?

この過去問の解説をテキスト代わりにする方法だと、しばしば、過去問の解説がよくわからん、という自体に出くわす。そこがテキストの使いどころだ。

このように、過去問+過去問解説で勉強を進めつつ、その解説でも本気で何言ってんだかよくわからん時(かつ、そこを理解しないと次に出た時に回答できない場合)、テキストでその部分を解説した場所を読む。

基本、これ以外の方法でテキストは使わない。

 

佐野三郎の本(「合格最短テキスト」)を読むと、「コールオプションは資産を買う行為をすることの権利」なんだと。「新株」を「予約」するんだから買う権利、つまりコールオプションだよねと覚える。

 

ちなみにこの「合格最短テキスト」は、語り口調で読みやすいうえに要点がまとまっていて、余計なことが書いてないからおすすめしたい参考書だ。

 

3.ネットの用語集もかなり使える。

 

それでも分からない単語が出てきたら、その時はネットで調べる。

証券の世界は用語集なんかがネットに沢山あるから、証券アナリスト試験くらいの用語であればすぐに出てくる。これを活用する。説明が簡潔でわかりやすいのは野村證券のサイトで、俺は本当にこれをよく活用した。ありがとう野村證券

 

 以上のやりかたで、1次試験(証券分析、財務分析、経済)および2次試験はそんなに苦しむことなく突破できると思う。

とにかく、解説を読んで「ふーんそうなんだ」と思って、そのままの形で覚えてしまう。

これを繰り返していくうちに自然と身についてるものだから、諦めないでほしい。