山岡の思い出について

最近,他人の日記ブログを熱心に読んでいて,ふと高校から大学の時代に自分が作っていた日記サイトのことを思い出した。

 

その頃は今のようにブログだとかTumblrだとか無いから,懐かしのソフト「ホームページビルダー」とかを使ってせっせと書いていたわけ。

 

【ホムペのキリ番踏んだあなた!踏み逃げ禁止ですよヽ(`Д´)ノ BBSにカキコしてください!^^ 入場はここから→【HOME】This page is Japanese only.

とか言われても平成生まれのお前たちのことだから,きっと何のことかわからんだろう!当時は世界の全ての中高生がこんな文言を使って爆笑するしかないホムペを作っていたんだ。

 

で,俺が過去に作っていたサイトも日記がメインなんだけれど,何かしらアイディアを思いついた時は小説みたいなものも書いていた。まさに黒歴史というもので,賢明だった俺はサイトの更新に飽きたのと同時にそいつを全部消してしまった。

でも,当時書いていたその小説の設定はよく覚えているから,今日はその話をする。いつもにも増して前置きが長いな!

 

 

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まず,自分が中世ヨーロッパに生きた聖戦士「パルジファル」の生まれ変わりだとガチで思い込んでいる県立高校2年生の山岡という男が主人公だ。

 

こいつは自分を聖騎士だと思っているから,当然いつか冒険の旅に出かけなきゃいけないと思っている。
そして冒険に出掛けるためには,村で武器や防具を買って,装備を整える必要があるよな。
それこそが,山岡が高1からココイチでバイトをしている理由だ。

 

ちなみにこいつはバイト先でも自分のことを「パルジファル」と正式名で呼ばない店長にキレている。
聖なる騎士の名を与えられているにも関わらず,何度説明しても店長は自分のことを「パルジなんとかは知らないけどバイト代分くらいは働いてください」とやり返されるから,山岡は店長のことを「いつか倒す魔王リスト」に加えている。魔王はもはや数えきれん程にいて,嫌なことがあるたびに増えていくというわけだ。


で,あるとき山岡が通っている高校に,転校生の和久井という人物がやってくる。

山岡は自分の通っている高校でも,自分のことを「パルジファル」と正式名で呼ばない同級生に対してクソキレまくっているから,当然ガチでやばいやつだと思われていて学校ではいつも一人でいる。


ところがその転校生(和久井)はやたら山岡に仲良くしてくれる。
ちゃんとパルジファル様と呼んでくれるから,山岡ことパルジファルも悪い気はしない。

で,いろいろと学校の出来事や,交友を通じて,山岡と和久井が親密になっていき,ある時山岡が「俺は,こんなところにいちゃいけない。いつかは冒険に出るんだ」という言葉を聞いた和久井が「そう言うのを待っていたんだよ。これから違う世界に一緒に行こう。君を冒険が待っているよ」と言い,和久井に連れられた山岡は,バイト代を握りしめてこの地球とは違う次元の世界に旅立っていく…。


で,プロローグはこんなところで,ここから先を端折って説明すると,旅だった先は(ありがちだが)今よりずっと文明が進んで,高度な知能を持った人間同士が,ロボット軍団か何かそんなやつ(決めてない)を作って,戦争をしている世界で,和久井はその片方の国の使者みたいな奴。
その戦争に山岡を参加させるため,地球から連れてきたというわけだ。

 

 

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多分こんな世界(イメージ)

 

なんでそんな戦いに,山岡みたいな奴を連れてきたかって話になるよな。

それは,高度な知能をもった人間同士が戦うと,お互いが物凄いコンピューターで相手の動きとかを予測し合って,その結果,コンピューターが予測する→もっと凄いコンピューターが予測する→またもっと凄いコンピューターが・・・みたいな計算合戦が繰り返されて,お互いに身動きがとれない状態が続いている。
冷戦が,核兵器じゃなくてコンピューターで行われている感じ。

 

だけど,理由は忘れたが,片方の王国にはこの戦いをさっさと終わらせないと自分の国が滅んでしまうという事情があったから,いい加減その予測合戦をやめて,実際に戦いを挑まなければいけない。

その状況を打開するために,そこの国王が考えたことは「高度の知能同士ではラチがあかないから,むしろバカを戦いに参加させてみるわ」というアイディアだった。


バカはたまに,高度の知能を有する人間たちが想像もつかないことをやらかす・・・その不確実な可能性に期待したというわけだ。
そんで「地球に行ってバカを見つけてこい」という司令をうけた転校生が見つけてきた「どこからどう見てもバカそうなやつ」が山岡だったということ。

 

国王から正式に「聖騎士パルジファル」の名を与えられた山岡ことパルジファルは,その世界ではもう数千年前に「こんなもん何の役に立つんだよ…」とか言われて廃れた刀を「伝説の魔法剣」だと言われてこれを受け取り,浮いたバイト代で肉まんを食った。


そして,高度文明に対して数々のバカで下らない,でも勇気のあるアイディアを武器に,戦いに出掛けていく。


ちなみに山岡以外にもバカを連れてこようと,高度文明は,地球の様々なところに使者をよこしてはバカの見本のような奴らを連れて帰っている。


ダイエット教室の初日に右手と左手にドーナツを持って現れた女(原田)は,教室の前でスカウト。
「自由な服装でお越しください」といわれた会社の説明会にダメージジーンズ(しかもこのために買った)を履いていった就活生の男(高野)は,面接官になりすまして拉致。それから森元首相本人(当時の政治ネタもちょいちょい入ってる)。

 

これらを引き連れて新世界での戦争がはじまるわけだが……なんかそのバカどもを一人ひとり説明している途中で飽きたらしい。
こいつらが戦いに出かけていった後の話は1ミリも書いてない。だいたい世界を救うメンバーが,パルジファル,原田,高野,森元首相だからな。多分パルジファルの話を書いたあたりで後は適当になってきたんだと思う。
しかも,たしか小説のタイトルは「山岡の思い出」とかそんな適当なやつだった気がする。


俺は思う。小説が書ける人というのは優れた構想力以上に,ひとつのことをずっと書き続けられる忍耐力のある連中で,こんなひとつのブログの途中から全然違う話をはじめるような奴には絶望的に向いていないのだ。
というわけで誰かこの先を書いてくれ!!