「頭の中がワカメ」と「ピアノ教室がなくなった」の話

わたしの頭の中のワカメ

 

 

俺って頭の中にワカメ入ってんのかな? 

 

健常な脳みそが入っていれば、およそしないだろう失敗が日常で多すぎるので、自分が脳みそだと思っていたものが実は増えるワカメだったという説が俺の中に根強くあるワカメよ。

 

子供の頃、グズっていると、母からよく「お前は近所の川から拾ってきた子だよ!」などという自分の出生にまつわる貴重な逸話を聞かせてくれていたものだが、これは正確には海の中からすくい上げてきた子なのかもしれない(より正確には「増えるわかめちゃん」を製造している理研食品(株)の敷地内から無断で拾ってきたことも考えられる。しかしなぜ母はそんな場所に?)。

 

先日こんなことがあった。

 

髪の毛が伸び放題に伸びて、もう会社員というより、かなりメタル寄りのロックミュージシャンみたいになってきていたから、ホットペッパービューティを通じて美容室の予約を入れたんだ。 ここまではいい。脳みそがワカメに過半数占められている生物にしては合理的な行動だといえる。

 

で、その美容室は、都内のビルの一室で営業をしている店で、以前にも利用したことがある場所だった。

 

予約当日、俺がその美容室の待合室で待っていると、これが全然呼ばれない。

やや不安なワカメ頭が、それでも待っていると美容師さんがやってきた。

 

美容師さん「ほんとに予約されていますか?」

ぼく「はい。ちゃんと○○のホームページで予約しました!」

美容師さん「ここちげーよ」

ぼく「ごめんなさい!」

 

15分くらい違う美容室で待ってたの気が付かないし。

 

このビルには3階と5階に美容室があって、本当は5階の美容室に行きたかったのに、3階でいったんエレベーターのドアが開いたのを「5階についた」と思い込んで、そのまま3階に降りて、たまたまそこも美容室だったもんだから、今の今まで自分は5階の美容室にいるもんだと気が付かなかったのだと思う。

ここは健常者であれば一度読んだだけではわからんと思う。

そして、君たちのようにきちんと脳みそが入っている人には信じられないだろうが、俺はこうしたことを会社でもしょっちゅうしている。

自分でエレベーターのボタンを押し、次に扉が開けば、当然自分の押したボタンのフロアだろうとまるで疑うことをせずに扉から出ていく(その途中でエレベーターの扉が開くなんて思っちゃいない)。

この前も13階で降りるところを11階で降りてしまって、「13階であれば自分の机があるはずの11階の何もない場所」としか表現できない何もない場所まで歩いて行ってから始めて「あれここ違う」ってなったように、頭蓋骨の容量の70%超をワカメに占拠されている生物はしばしばこうした非合理な行動をとると一般的に知られている。

 

そんで、慌ててその美容室を出て、今度は間違いなく5階の美容室に向かう。

「予約している青山です」といって待合室で待っていると、これもまた呼ばれない。

おや、もしかしてここは4階かな?

と思って一度エレベーターまで戻ってみるけど、たしかに5階の美容室に来ている。でも変だなあ。ワカメ頭なので不安になる。

すると美容師さんがやってきて

 

美容師さん「ほんとにここ予約してますか?お名前ないんですが・・・」

ぼく「僕どこに予約したんですか?

 

ここで初めて、以前行った時に作ってもらった美容室のポイントカードを見てみると、住所は確かにここで合っている。でも、美容室の名前が違う! 

え、なんで? 予約してから今日までの間に急に店が潰れて急に新しいのできたか?

 

泣きそうになりながら、再び予約したお店のウェブサイトを見てみると、

 

【当店は昨年12月○日に移転しております、お間違いになる方が多いためご注意ください】という注意書きがこんな馬鹿デカい文字で書いてある。でもワカメ頭だからこの文字の大きさでも気が付かない。10.5ptとか14ptとかじゃなくて「ワカメpt」で書いてくれよなまったく。

 

 

とぼとぼとその新住所に向かう俺。

もう髪の毛なんざどうでもよくなってきた。

 

俺たちに気が付かれないうちにこっそりと移転していた不届き者の美容室怒りの表情で入店し、受付を済ませる。

怒髪天を衝くような様子で待っていると・・・・また呼ばれないんだこれが!

もう嫌になって、自分の頭を割って中身のワカメを酢漬けにして食べていると(お腹が空いたときにこうした利点もある)、美容師さんがやってきて、

 

美容師さん「あの~、来週の同じ時間で予約が入ってますが・・・

ぼく「僕いまワカメ食べてるんで話しかけないでください

 

以上のようなことは俺の「頭の中増えるワカメ説」の根拠となる42の出来事のうちの1つに過ぎない。

結局その日は、髪の毛もボサボサ状態のまま、大人だけど少しだけ泣いてから家に帰った。

髪の毛もワカメだし、その中身もワカメだし、もう俺はこの先の人生を地上ではなく海の中でミネラルを吸収しながら漂っているのが良いのかもしれない。

ちなみに言うと俺はワカメの食感が苦手だから食えん。

もうどうしたらいいかわからん。誰かたすけて

 

f:id:amemiya_a:20190702225507j:plain 俺

 

ピアノ教室がなくなった

 

このブログでは以前から、俺が通っているピアノ教室の話をしばしば書いてきた。

主に、厳しくも面白い先生の話題が多かったような気がする。

 

先生は2メートルくらいあるニシキヘビを常にクビから巻いている人で、その蛇が俺の頭をたまにチロチロ舐める。その側で俺はピアノを弾いていて、上手にできないと、まるでしなる鞭のようにそのヘビで俺を容赦なくひっぱたく! ヘビが可哀想。

 

先日、そのヘビ使いの先生が辞めることになった。

結婚したのか、ツイッターのみんなのように会社が嫌になったのかはプライバシーに関わることだから聞いていない。ヘビが病気になったのかもしんない。

 

俺が通っているピアノ教室は、某楽器メーカーがチェーン展開しているレッスン場のうちのひとつで、先生が辞めるんだったら翌週から違うヘビ職人が補充されるのかなーと思っていたら、違う店舗に移動するか俺たちも辞めるかのどっちかだと。

え、この店ごとたたんで焼き鳥屋にでもすんのか?

 

今の賃貸マンションを選んだ理由のひとつに「ピアノ教室から近い」というのがあったんだが、引っ越しからわずか60日後に教室が消滅するとは思ってもいなかった。

そして、移動を勧められた最寄りの教室は、ここから電車で2駅隣だと・・・。

チャリで5分の場所にあっても遅刻すんのに、あまりに面倒くさすぎる・・・どうしよう。

 

というか、世間にもっとピアノの先生のバイトとかあってもいいと思うけどなあ。

ピアノの先生っていうと、きちんと音楽大学だのピアノ科だのを出た人が専門的に指導するっていう敷居の高そうな感じがするけれど、少なくとも俺相手だと全然そんな必要ないからな。

「そのソは♯だっつってんだろボケナス」

くらいのことが言えたらそれで十分だと思われる。誰かうちのピアノ教室の先生になってくんないかな??

 

というか俺は俺で、これまで月に4回、1年以上レッスンに通いつつ、未だにしょーもないレベルにいるので、月謝で12,000円も支払っている意味もあるのかなと思えてきた。家で練習しない俺が全部悪いんだが、これを機にちょっと休止しようかなあとも思っている。

 

以前は、「ピアノ教室に通っていれば、飽きようが嫌だろうがきちんと練習するだろう」と思っていたけど全然だわ。全く俺という人格を読み違えている。

まずすぐ酒飲む。ランニングに行く。ネットフリックスでエヴァンゲリヲンを全話見ようとする。

ただでさえ練習してないのに、ここから更にピアノレッスンをやめたら一体どうなるんだろうか? メルカリでピアノ出品すんのかな?

 

しかし、この前テレビで「君の名は」を見ていたら、やっぱりこうした作品の曲をピアノで弾けるってのは素晴らしいことだな~と思った。

音楽の素晴らしさを、デカい声で叫ぶか、両手で胸を叩くこと以外の方法で森の仲間に伝えられるというのは人間に与えられた大いなる喜びだと思う。

 

取り急ぎ、ピアノレッスンはいったん休止するかもしれないが(焼き鳥屋が再びピアノ教室に戻るまで)、自宅での練習と、それからブログへのアップは継続していきたい。

 

そのためにツイッターのフォロワーでも誰か暇してる人でピアノ教えてくれんかな? 小学校の時に2年やってたとかでも全然構わない。

 

「そこはドじゃなくてミだっつってんだろ、お前あたまの中ワカメ入ってんのか」

くらいのことが言えて、あとはヘビを振り回せるくらいの体力がある人であれば。