僕が通っているピアノ教室には、忙しい大人向けのコースがあって、自分の都合にあったレッスン時間を自分で予約するスタイルになっています。毎回、レッスンのたびに「それじゃ、来週は土曜日の11時からでお願いします」などと言って時間を確保するわけです。
そして、このブログをずっとお読みいただいている方であればお気づきのように、僕がこの予約時間を翌週まで記憶していることは決してありません。これは決してないのです。
ピアノ教室を出た瞬間に、予約時間のことなど忘れています。正確に言えば「お腹が空いたなあ」という生物にとって最も重要な衝動がそうした記憶を脳から外へ追いやるのです。
その結果、土曜日になってから「あれ? 今日って何時からだっけ?」などと、頭をかきながらピアノ教室に問い合わせるといったことを毎週のように繰り返しています。
予約した際には、きちんと予約時間が印字された予約票も発行してもらっています。
ピアノ教室の人も、僕のあまりの忘れっぽさを哀れんだか、あるいは苛立ったかのどっちか(たぶん両方)で、今ではその予約票の時間のところに極太のマーカーで大きな丸を書いてくれています。
その紙はだいたい翌日までにはなくなります。
これは、必ずなくなるのです。
以前は、そうした予約票や、忘れてはいけないことをきちんと玄関のホワイトボードに書き留めていたのですが、引っ越しを機に止めてしまって、またこのような状況となっているのです。
僕の哀れなホワイトボード事情については次の記事を参照してください。
脳外科手術を受ける以外の方法で、ピアノ教室の時間を記憶しておく方法はないのだろうか。
僕はスマホの検索機能などを使って、丹念に調査しました。
そして、「いちど崖から飛び降りて生まれ変わる」という方法以外に無いことが徐々に明らかとなってきた時、僕は自分が握りしめていたスマホに注目したのです。これだ。
皆さんはご存じないと思うのですが、最近のスマホには「リマインダー」というアプリが入っています。
これに、たとえば「8月1日 11時 ピアノ教室」などと登録しておくと、当日、スマホが振動してそれを僕たちに教えてくれるのです。
なんて素晴らしいのでしょう! これでもう記憶する必要がありません、だって、誰かが代わりに覚えてくれているのだから!
僕のように、SNSに脳みそを置き忘れてきたような人は、明日の予定はすぐ忘れるくせに、かたやスマホは一日中忘れず握りしめているものですから、これを使わない手はありません。
さっそくSiriを起動して「今週の土曜日、11時からピアノ教室ってリマインドして」などと指示します。
忘れん坊のくせにいいご身分です。
が、Siriは何も不満を言うことなくリマインドをセットしてくれます。とても素晴らしい。あとは当日を待つだけです。
で、その週の土曜日の11時にリマインダーが鳴り響いてから分かったことなんだけど、これってイベントが始まる時間にセットしても全く意味ないのな。
なぜなら、「11時からピアノ教室だぞ」って、11時00分の時点ですっかり忘れてパジャマ姿の俺に言われても今からどうしょうもないんだからな。
ちょっと考えたらわかることなんだが、Siriの野郎はそれについて何も教えてくれなかった。
そして、今僕がSiriを使って調べているのは、人間の記憶中枢を司る海馬の手術に定評のある脳外科医に関する情報です。
ホワイトボード買お・・・。