何でも反論するアマノジャクとストレス無く会話する方法。

こちらが何を言っても

 「いやいや、でもさ・・・」
 「え、そうか?・・・・」
 「そんなことないだろ、・・・・」

などという否定から会話をはじめるタイプの人、一般的に言えばアマノジャクな人たちを身の回りで探すのには苦労しない。

皆さんも日々そうした人の対応に苦労している、または自分自身がそうだという心当たりがある(とても希少な)人もいるだろう。

 

こうしたタイプの人たちとどのように接したらよいのだろうか?
「なるべく接さない」ことが最適であることは言うまでもない。
なるべく会わない、話さないようにする。なるべくLINEも返さない。
バケツに組んだ綺麗な水を、自分でひっくり返すようなことはばからしい。

 

が、それでも、自分の生活のうえでどうしても接さないといけない人が、たまたまそういうタイプだということもあるだろう。
代表的にはやはり会社の上司だが、「それ以外はイイヤツなんだけど・・・」という友人なども該当するかもしれない。

こういう人間とは「関係を絶てない」「絶つまでではない」ので会話を回避できないが、会話をするたびにストレスが蓄積されるので困ったものだ。

 

他人との会話をいったん「いや、」で受けるのは、相手に必ずしも悪気があるわけでなく、「癖」に近い場合もある。育ってきた環境が大いに関係しているのだと推察する。可哀そうなものだ。


または、本人にとっては単に会話に「別の観点を取り入れて広げようとしている」だけであったり、自分がいかに知的であるかをアピールするために相手を否定していることもあるだろう。いわゆる「マウント」というやつだ。

前者は単に面倒で、後者はより悪質な人物だといえる。

 

いくら悪気がないといっても、形式的にであれ否定されているこちらの身としては会話のたびに神経がそがれる。会話をする気力がなくなるし、こちらの自尊心も徐々に減らされていく。これが悪化すると、いわゆる「モラハラ」になるのだろう。

なので、やはりそういうタイプの人間は相手にするべきではない。

 

が、それでも、どうしても、いや何としてでも会話をしないといけない場合に備えるため、そんなアマノジャクタイプな人間とストレスなく会話をする方法についてご紹介する。

 

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〇否定するであろう内容を、先回りして言っておく。

 

まずは、以下の会話を見てもらおう。
Aさんがアマノジャク、Bさんが一般人とする。

 

A(アマノジャク)「今度ご飯食べに行こうよ」
B(一般人)「いいよ。」
A「なに食べたい?」
B「うーん。鍋とか?」
A「いやいや、鍋って、この時期だと暑いじゃんw」

 

これは全然ダメなケース。
ダメというか、皆さんも常にこうした会話で苦しんでいるのでしょう。

 

というかアマノジャクな連中の中には、なんでこちらに案を出させておきつつそれを否定するやつらが一定数存在するんだ?
人に考えさせてるんだったら、出された案を甘んじて享受しろと言いたい。
または、そんなに「いやw」ならお前がちったあ提案したり作業したらどうだ? はあーまたイライラしてきた。

 

通常ならここでブチギレて人間関係を焼き払ってもいいくらいだが、そうしたストレスをそもそも貯めないような会話術が存在する。心理学でいう「心理的リアクタンス」という現象を利用したものだが、実際の会話例を見てもらった方がわかりやすい。

 

A「今度ご飯食べに行こうよ」
B「いいよ。」
A「何食べたい?」
B「うーん。【この時期だと暑いだろ】って絶対言うと思うけど、鍋とか」
A「いや、暑いだろうけど、食べたいならそれでいいんじゃない?」

 

このわざとらしい会話が、紹介したい方法のすべてだ。
ポイントはただ1点で、Aさんが即座に「いやw」と言って否定してくるであろう内容を、Bさんが先回りして予言しておくのだ。

この一言がいったいどういう効果を生むのだろう? いくつかある。

 


・効果1「アマノジャクを逆に利用できる」

彼らはアマノジャクに取り付かれた人たちだから、相手の会話を否定しないと死んでしまう病にかかっていう。

このような「こちらの会話は必ず否定される」というルールを、逆に利用するのだ

 

上記した会話の例で説明しよう。
あなた(Bさん)は、まず、きっと相手は、せっかく自分が鍋を食べたいにも関わらず、「この時期だと暑いだろw」とか言ってくるんだろうな~と想像するところから始める。自分で考えてもいないくせにひどい奴だ。

そこで、先手を打って「この時期だと暑いだろ、とあなた言いますよね?」と相手にいうのだ。
そうすると、否定の神に取り付かれた相手は、この「この時期だと暑いだろ、と言いますよね?」を否定せざるをえない。

仮に、ここで「暑いだろ」と言ったら、相手の予言に乗っかることになる。
アマノジャクとしてそれは自己の死を意味する行為である。その結果、もともと言うはずだった「暑いだろw」という反論がしづらくなるのだ。
相手の言ったことに従いたくないという悲しい習性を逆に利用するのである。

 

・たったこれだけの手法なので、応用も利く。

「こんなこと言ったら、素人の浅知恵だといわれると思いますが・・・」
「こんなの欲しいと言ったら、また無駄遣いだといわれると思うんだけど・・・」
「こんな事言ったらキモチ悪いから理解できない、って言われると思うんだけど・・・」

こういう前置きというか、予言をすることで、そのあとで「浅知恵だ」「無駄遣いだ」「気持ち悪い」などという予言にそった反論がしづらくなる。


だって、アマノジャクは「いやいや、」で会話を受けるしか方法がないんだもの。
そして、「いやいや」で受けてしまったが最後、「浅知恵っていうけどそんなことないよ」という、自分が将来するはずだった反論に対して否定するしか道がないのである。

それがこの手法のすべてである。

 

たいていの読者は知っているだろうが、ジョジョの奇妙な冒険に登場する「ジョセフ・ジョースター」の決め台詞は、「次にお前は、〇〇と言う」だった。
作中では、敵がまさにその言葉を吐きながら死んでいったものだが、あなたもジョセフになった気持ちでこの技を繰り出そう。

 

なお、ここで「暑いだろ、って反論してくるのが分かるのであれば、涼しいものを食べに行こうって提案をそもそもしたらよいのでは?」と感じる人もいるかもしれない。

あなたはアマノジャクを甘く見すぎている。

「暑いっていうだろうな~」と想像して、涼しいものを食べにいこうと言ったら、今度は「体が冷えるだろw」と言うにきまっているのだ。というのは、彼らにとって反論は論理からくるものでなく、使命や呪いからしているものだからだ。

だから、先回りにして彼らが納得する方法を考える試みのすべては無駄なのである。

 

また、こうした手法はネットの掲示板などでも使える

ネットの掲示板は世界中からアマノジャクな連中だけが吸い寄せられている掃きだめのような場所だ。書き込まれたすべてに対して「いやそれは違うよ」「お前なにいってんの?」などという言葉を言いたくて仕方がない。
そうした言葉をすぐに出せるように辞書登録している連中すら存在するだろう(iを押すだけで「いやそれはおかしいwお前なにいってんのw」と変換される。)。


なので、書き込む際には、たとえば「こういうこと言うと叩かれそうだけど」、「間違ってると思うけど」という前置きをしておく。
こうすることである程度、集中砲火を受けないで済む。

 

このように、ポリシーだのパターンだの、ルーチンだの、決まった生活様式を持っている人は誰かに利用されやすいのだ。


・効果2「仮に、さらに否定されても【肯定の会話】となり、ストレスが減る」

 

この効果についても、わざとらしい会話を再び見ていただこう。

A「今度ご飯食べに行こうよ」
B「いいよ。」
A「何食べたい?」
B「うーん。【この時期だと暑いだろ】って言われるだろうけど、鍋とか」
A「うん、暑いから鍋はちょっとな~」

 

おわかりだろうか?

結局、鍋を食べに行こうという案は却下されているわけだが、「いやいやw暑いから鍋とかないっしょw」という反論に比べて、だいぶストレスが違ってくる。
その理由は、B(僕ら)に向かって、Aがいちど「うん」という肯定をしているからだ。

あなたは正しい。あなたのいうとおり、暑いから鍋以外にしよう。
結局、鍋に行こうという案は却下されているのだが、単純に反論された場合にくらべ、自尊心が維持できる会話に変化する。

このように、相手がするであろう反論を先回りすると、仮にそのとおりに反論されたとしても、会話のはじまりは「そうだね。」とか「うん。」にならざるを得ない。
その結果、反論しているはずなのだが、会話全体としては「肯定系」になってしまう。
結論は変わらないけど、精神衛生的にずっと良いのである。

 

更に良いことがある。

会話が肯定系になるので、その先のことを一緒に考えてもらいやすくなる。これが重要だ。
このことは、効果4でも再び述べる。

 


・効果3「相手に、自分との会話で苦労していることを匂わせられる」

上記のとおり、アマノジャクとの会話は、普段はしなくてよい努力やストレスが多く発生し、大変疲れるものである。


理想を言えば、そのことを相手に気が付いてもらい、少しは気を遣ってもらうことだろう。

が、ただでさえアマノジャクな人たちが、面と向かって「お前は何でも否定する。ちょっとはこっちの身にもなれ」と言われて「うんわかった」と応じる確率ってどれくらいあるだろう? 限りなく0に近いのではないかと思う。

 

そこで、会話をする際に「こんなことを言うと、〇〇〇って言われると思いますが、」と一言入れておく。
こうすることで、「僕たちは、あなたのことを〇〇〇っていう反論をいちいちしてくる面倒くさいやつだと思っているんです」ということが示唆される。この示唆が重要なのだ。


これにより、相手には「あ、俺って、この人とってはこんな面倒なイメージなんだ・・・」と想像させることができる。
その結果、多少、しおらしくなる。 多分な! いや無理かな?

このように、「お前いちいち反論してきて面倒くせーよ」と言う代わりにも「あなたはきっと〇〇などと反論されるでしょうね」という手法は使えるのである。

 

・効果4「さっさと答えを教えてくれる」

会社には、「自分で考えてごらん♪」系の上司がよくいる。
知らないことを自分で考えることで仕事ができるようになると思っているのだろう。

 

たまには、そうだろう。
でも、聞いている側としては、上司のそんな「部下育成遊び」に付き合っている暇なんかないんだよな。
なので、さっさと答えを教えてほしい。

そんな時にもこの手法は使える。
「こんな案を出したら、新人以下の案だと言って笑われるんでしょうが・・・」
と言って提案してみる。いかにデタラメなものでもいい。


99%、「うん、これはちょっとまずいねえ」などと言いながら、嬉しそうな顔で、ここをああしろ、あそこをこうしろ、という話をしてくるはずだ。
そしたら、言われたとおりのものを作ってくればよい。
更には、言われたとおりのものを作って持っていくときにも「言われたとおりのものが多分できていないと思うのですが・・・」と言えばよい。

 

このように、答えをなかなか教えてくれない人に対しては、デタラメな案を持っていきつつ「こんなのデタラメっていうでしょうね」などとわざとらしく言ってやるのが効果的だ。

 

・注意「初心者ですが」はやめておこう。

これらの案は、あくまで「相手の言葉を想像して先回りする」ことで、アマノジャクの性質を利用することが目的であった。
この会話術に類似する「初心者ですが教えてください」や「門外漢ですみませんが」などもあるが、これは効果が薄いか、または逆効果になるのでやめておこう。
「初心者であることを盾にして、ちっとも調べないなこいつ」と思われるのがオチだからだ。

このように、相手の言葉を推測する方法と、初心者であることを宣言するだけの方法とは、似て非なるものである。

 

〇なお、この手法をとったうえで、ストレスがたまる場合もある。

A「今度ご飯食べに行こうよ」
B「いいよ。」
A「何食べたい?」
B「うーん。【この時期だと暑いだろ】って言われるだろうけど、鍋とか」
A「そんな暑くはないけど、俺が単純に鍋が嫌い」

 

などという、すべてを否定するパターン。

この場合、アマノジャクというか単なるクソ野郎に近いので、「じゃあ何ならいいんだよ」とぶちかましてもらって問題ない。
そんな奴との関係なんざ早々に打ち切ることだ。

 

そして同時に、自分がそうならないように気を付けもするべきだ。
相手の言葉はいったん「うんそうだね」で受けつつ、「ほかにはこういうのはどう?」と言うクセをつけるとか。


言っておいて何だが、これまで相手を否定することを生業にしてきた人にとって、「うんそうだね」などというこれまでの人生で一度も発したことのない言葉を、さらに「クセ」にするのは相当困難だ。

 

その時は、相手が喋っている間から「うん、うん」と言い続けているのが良い。
ちゃんと聞いて、熟考して返事をすると「いや」になるから、相手が喋っているときから「うんうん」うなづいておく。

そうすると慣性の法則で、こちらの会話も「うん、」から始めることができる。

A「何食べたい?」
B「うーん。(うん)すぐには思いつかないけど(うん)、しいて言えば(うん)鍋とかかなあ(うん)」
A「うん。鍋かあ~。まあいいかもね。」


なお、俺は令和の歴史にかかわらない限りは「あ、そうなんだ」で済ましている。
これをいい加減で、親身になっていない様子だと思う人もいるだろう。
実際、どうでもいいと思っているから親身になっていない。
が、親身になっているつもりで(またはマウント目的で)いちいち反論してくる面倒な奴よりは若干程度マシじゃないかと思う。


〇人付き合いは考えよう

今回は、一言目には相手の言葉に反論してくるアマノジャクな人間と、ストレスなく会話をする方法について書いてきた。


これを読んで、「いや、そんな方法じゃ、アマノジャクな人には実際に通用しないと思うけどね」と感じているかもしれないが、同じ状況に陥ったらぜひ試してみてほしい。

 

もっとも、できる限りそういうタイプの人間とは付き合いをしないことをやはり第一に推奨する。
「フレネミー」なんて言って、友達だと思っていたはずが実は自分を攻撃する側の人間であった、なんてことはよくあるようだ。
そもそも、ストレスをなくすあらゆる手法を使ってまで維持する人間関係なんて、そんなにない。


こいつと付き合わないといけない理由を10個考えてみよう。

それができないなら、あなたが得をする人間関係ではないから、さっさと見限ることだ。