2022年皐月賞の予想と、合理的な馬券の買い方についての話。

今日は中山競馬場で「皐月賞」が行われるから、競馬の予想をする。

なんか、グダグダと禄でもない話を書いていたら超絶長くなってしまったので、目次を置いておく。結論を知りたい方は最後の項目だけ読んでいただければよい。

 

 

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そもそも動物の競争の予想なんかできるのか?

さて、2022年皐月賞の予想をするにあたり、考えておきたいことがる。

 

中山競馬場のコース適正か、皐月賞に向いている馬の血統か?

それが違う。
俺たちは、一体なんだって「ウマ」の競争を合理的に予想することができると確信しているんだろうということだ。


競馬新聞を買ったり、有料競馬予想サービスに課金したりする人が一定数いる。

それはすなわち、20頭近くの馬たちがそれぞれどの順番でゴールするかについて「考えれば(それなりに)わかる」と思っているということだ。

 

でも、会話もできない、何を考えているかもわからない動物が20頭集まって、それがどの順番でゴールするかを予想するというのは、よくよく考えてみると不思議なものだ。

 

なぜなら、動物は必ずしも本気で走るとは限らない。

 

どんなに緻密な予想*1も「馬がその能力を完全に発揮する」前提がおかれている。

だから、裏を返すと、レース前に「なんか今日は天気悪いな~。やーめっぴ♪」という気分になられたらどうしょうもない。

2012年の有馬記念ルーラーシップとか、2015年の宝塚記念ゴールドシップだとか。

 

そういう性格の面も込みで予想をする手法もあるだろうけれど、いくら知能が高いとはいえ馬の気持ちを合理的に推測する試みというのに、俺は自分のお金をかける気にならないなあ。

 

これを表すのに適しているジョークがひとつある。

物理学を極めた者ならば競馬の予想もお手の物だと考え、物理学者に競馬の予想を依頼した。

物理学者は依頼を引き受けたうえでこう言った。

「よろしいでしょう。ではまず、全ての馬を完全な球体だと仮定します」

 

予想なんかできない、わけじゃないけど。。。

 

もっとも、馬の競争の予想が完全にできないわけじゃない。

なぜなら、(ディープインパクトのような)ずっと勝ち続ける運動神経の高い馬と、逆に1回も勝てない馬の違いというのは紛れもなく存在するからだ。

それが競馬というギャンブルを可能にしている要素なのだろう。

 

だから、出走馬の中から「明らかに抜けて強い馬」を探すことは合理的に可能なのかもしれない。

この観点でいうと、2歳馬のデビュー戦は、これからG1を勝ちまくる名馬と、今後1回も勝てないような馬が一緒に走る唯一のレースだ。

だからこうしたレースは当てやすいと(一般的には)言われている。

 

でも、それも「G1レース」という最も高いクラスのレースとなると、みんな実力伯仲、それこそ馬の「当日のお気持ち」次第でいくらでも結果が変わってくるんじゃないだろうかと思われる。

同じG1級の馬の中でも、全力を出し切った際の力の違いというのはもちろんあるだろうが、その違いというのは当日のわずかなコンディションの違い、レース前の気分的なものに相当左右されるんじゃないだろうか。

そういうのを含めて、自分のお金を投じるに値するほど現実的な予想ができるとは俺には思えない。

 

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やっぱり予想なんかできないのか?いや──。

 

以上の話を踏まえて、競馬なんてやめておけというのか?

結論は全く正反対のものとなる。

いっぱい買えというのがそれだ。

 

ここに記載した俺の感想は「生き物である馬のゴール順位を正確に見積もることは不可能じゃないか」というものだが、それは、例えば「この馬が勝つしか考えられない」という予想に基づいて、1頭しか買わなかったり、その馬から流したりする*2ことの非合理さを言っている。

 

実際に、一頭一頭の実力を検証し、これだと思う1頭を選んで馬券を買ったらどうなるか。

それを自ら実証したのが以下の記事だ。

amemiya-a.hateblo.jp

 

ここでは敢えて、あたかもそれっぽい理屈をつけて全頭の順位付けをしたうえで、これだと思う1頭を軸と決め、そこから流すような馬券の買い方をした。

結果はご存じのとおり大ハズレに終わった。

俺がここで身銭を切って言いたかったことは、馬のことは考えても考えきれないということだ。

 

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「なんとなく」はわかる。

 

でも、大丈夫。

何が勝つか、何が2着にくるか、、そういう精緻な予想は無理でも、「何となくこの馬は上位にきそう」「何となく下位になりそう」というのは、これまでの戦績から類推することはある程度可能だろう。

仮にこれまで3戦連続で10着だったら、今回いきなり1着になる可能性は高くない。逆もしかり。

その、「何となく上位にきそう(ただし順位はわからん)」という馬を、全部買う。

これが競馬の極意だ。

 

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「ボックス買い」こそ正義

 

うん、お察しのとおり、この記事は、競馬ファンにとっては「ボックス買いをしろ」という一言で済んでしまう内容の無い記事だ。

 

ボックス買いとは、何となく上位にくるチャンスのありそうな馬を何頭か選んで、そのうちのどれかが上位に来たら当たり、というかなり手広い買い方のうちの一つだ。

それに対して「3連単」という極端な馬券もあって、1-2ー3着にゴールする馬を着順通りに当てるというものだが、予想も不可能な反面、配当も宝くじ並みのものとなっている。こういうものにたくさん手を出してはお金がいくらあっても足りなくなる。

 

「ボックス買い」。これは、馬の気持ちはわからないが、とりあえず競馬を当てたいという人にこそお勧めしたい馬券の買い方だ。

 

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ワイドのボックスを買いましょう。

 

でも、ボックス買いにもいろいろある。

馬連*3のボックスを買おうという人は、まだ「自分は馬の気持ちがわかる」または「馬を完全な球体の物質として考えている」タイプだろう。

 

馬連ではなくて、さらに当たる確率を広げたワイドのボックス、つまり、何となく上位に来そうと思った馬のうち2頭が、1~3着に入れば当たる馬券が最も良いと俺は考えている。

 

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実際の買い方(手順)

 

手順は次のとおり。

1.なんとなく上位に来そうな馬を探す。

2.それらをワイドのボックスで買う。

以上だ。

が、さらにお金儲けをしたいならば、細かいコツがある。それぞれ説明する。

 

 

1.なんとなく上位に来そうな馬を探す

なんとなく上位になりそうな馬の選び方はいろいろある。それこそ競馬新聞を買う理由の一つかもしれない。

 

でも、もっと簡単でお金のかからない方法がある。

オッズ順に見ていけばそれでよい。

オッズというのは、その馬がどれだけ買われているかを示す指標のようなもので、オッズが低い(一番人気であれば、おおむね2~3倍)馬ほど人気があることを表している。

誰かがお金を払って馬券を買うと、このオッズは下がっていく。その誰かは、競馬新聞を読み、有料の競馬予想サービスに課金し、真に馬の気持ちがわかると思っている人たちが一生懸命に予想した結果なのだ。

つまり、オッズは集合知であり、これを利用しない手はない。

で、ここからは個人のサジ加減だが、だいたい単勝オッズで10番人気くらいの馬までは、G1レースでも3着以内に高頻度で入選している。

18頭中の後ろから数えたほうが早いくらいの低人気馬が3着以内にほいほい来るのだから、やっぱり競馬の予想は難しいということだ。

だから、ある程度精緻な予想なんか放棄して(というか時間の無駄だと自覚して)、10番人気までの馬を全部買う。これだ。

 

(なお、結果を予想するプロセスこそが競馬の楽しさそのものではないのか? というもっともな疑問はこの際置いておく。) 

 

2.オッズの高い順に買う

 

ただ、1番人気~10番人気までの馬をすべてワイドのボックスで買おうとすると、45点の組み合わせとなる。

これはつまり、最低でも45倍以上の配当がつかないと、買うだけ損だということを意味している。早い話、すこし買いすぎ。

 

でも、ここでやってはいけないのは、この10番人気から「自分の考え」で買い目を絞ったりすること。それだと恣意的な判断が入り、せっかくワイドのボックスで買おうとする意味が全くなくなってしまう。

でも、それだと45通りの組み合わせとなってしまうから、何とかして買い目を減らしたい。どうすれば?

 

ここで思い出したいのが、なぜ僕らはワイドのボックスなんかで買おうとしているのだろうということ。

それは「実力伯仲なので、何が1~3着にくるかなんて何となくでしかわからない」からだ。

実力伯仲、つまり、今ワイドのボックスにいれた10頭は等価だと扱う。

この場合の最適解、それは「配当が高い順番に、自分が許容できるだけたくさん買う」。これだ。

 

だって、このボックスは、「何となく来そう」な馬たちの等価な組み合わせなんだから、当たったら配当が大きいほうがいいに決まっている。単純な話だ。

 

2022年皐月賞で実証する。

 

上記の買い方を、2022年の皐月賞で説明する。

細かい話は省くが、今回の皐月賞は抜けて強い馬がいない(=1番人気のオッズが高い=1番人気が負ける確率がそれなりに高い)から、ワイドで買うとそれなりに儲かるようにできている。

まさにワイドのボックス買いにうってつけのレースだ。

 

で、手順に従って1~10番人気くらいまでの馬をピックアップする。*4

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12.ドウデュース

18.イクイノックス

01.ダノンベルーガ

04.キラーアビリティ

14.ジオグリフ

02.アスクビクターモア

16.デシエルト

11.オニャンコポン

10.ジャスティンパレス

06.ジャスティンロック

07.ボーンディスウェイ

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なんか11頭いる気がするけど、12番人気のボーンディスウェイがどうしても「来る」としか思えなかった・・・・・。

実際に来たら、あとでブログ改ざんしました感がすごくなるけど、まあいいか・・・。

第一、人気の馬を恣意的に切ることは推奨しないが、人気薄の馬が「何となく来そう」として加えることは全く構わない。なぜなら、G1ともなると全ての馬は限りなく等価なのだから。

 

 

で、次に、これらの馬をワイドのボックスで買ったときの組み合わせを検討する。

単純に、オッズの高いものから順番に買えばいい。

JRAのネット投票サイト「IPAT」ならば、選んだ馬の組み合わせをオッズ降順で表示させることができるから便利だ。

今回は、何となく15通りくらいの組み合わせを買うこととした。オッズの高い方から数えて15番目の組み合わせがワイド「4-11」の32倍となり、15通り買ったときの約2倍となるからだ(これ以上買うと、買う点数に比べてオッズのうまみがなくなる)。

 

が、買い目を整理している中で俺は、この買い方の1つの問題に気がついた。

ワイドのボックスで買ってはいるものの、このようにオッズの低い順に買い目を絞ると、ある特定の人気のない馬との組み合わせばかりとなり、結果的にはその馬を軸とした流し馬券を買っているのとそんなに変わらないということだ。

また、「組み合わせを全部買う」からこそボックスというのであり、オッズに基づこうが何だろうがそこから買い目を絞ったら、その時点でそれはボックス買いではない。

 

そう、ここはもっとブラッシュアップができるかもしれないんで、各自いろんなアイディアを出して。この理論はいま生まれたばかりなのだから。

 

が、買ってしまったものは仕方ないので、買い目を整理したうえで公開する。

 

2022年皐月賞買い目

すべてワイドの15点。

最高配当は6-7の約80倍。最低配当で4-11の約30倍。

特に相手となる組み合わせが多かったジャスティンロック、ボーンディスウェイ、オニャンコポンの3頭に整理した買い目を公開する。

 

06.ジャスティンロック

 -01.ダノンベルーガ

 -04.キラーアビリティ

 -07.ボーンディスウェイ

 -10.ジャスティンパレス

 -11.オニャンコポン

 -18.イクイノックス

 

07.ボーンディスウェイ

 -04.キラーアビリティ

 -10.ジャスティンパレス

 -11.オニャンコポン

 -14.ジオグリフ

 -18.イクイノックス

 

11.オニャンコポン

 -04.キラーアビリティ

 -10.ジャスティンパレス

 -14.ジオグリフ

 -18. イクイノックス

 

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クラシック初戦。全馬無事に、よいレースを。

 

*1:例えば、コース状態の検討(芝が荒れているるかどうか)や、展開の検討(逃げ馬が多いから差しが有利だとか)など。

*2:「流し」とは、特定の馬(軸という)から他の馬との組み合わせの馬券を買うこと。当然、軸とした特定の馬が負ければすべて外れることとなる

*3:馬連とは、選んだ特定の2頭の馬が、1着ー2着(順不同)にゴールすると当たりとなる馬券である。

*4:オッズは時間帯によって変動するけど、まあ厳密でなくていい。だって相手は馬だもの。10番人気と11番人気の馬が入れ替わったって大した違いにならない。