何にでも塩かけて食う男の話

最近人から言われて気が付いたんだが,俺は何にでも塩ぶっかけて食べるようになってきた。かなりやばい。

俺はいつまでも若くありたいと思いつつ,もう味覚からおっさんになりつつあるんだ。

こんな悲しいことが世の中にはあるんだということをみんなにも知ってもらいたくて今日はこうして筆をとりました。

 

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先日さっそくこんな悲しいことがあった。

ファミマでポテトチップスを買ったんだが,これが「フランス産岩塩」と「瀬戸内海の塩」という,2種類の塩を贅沢に使ったものだそうで,実にうまそうだったんだ。

 

で,家で食べてみたところ,うーんたしかに美味しいけれど・・・,なんだかもうちょっとしっかりした塩気がほしいなあ,とか思って家にあった普通の食塩をぶっかける! 

 結果として2種の贅沢な塩と1種のどうでもいい塩を使ったポテトチップスになってしまったんだが,うまい! だがもう最初から食塩ぺろぺろ舐めとけって感じだ。

 

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さらに,この前こんな恐ろしいことがあった。

 

俺は近頃,家でビールを飲むときのおつまみとして「リッツ」を食べることが多い。

あれは安いうえにたくさん入っていて,実に素晴らしいおつまみだ。

みんなもそう思うだろう。俺もそのリッツにハマってきた。

 

で,会社の同僚と,リッツは美味しいよね,本当に神が創ったお菓子だよね,あれ以上のお菓子はこの惑星のどこを捜し歩いても見つからないって話をしていたとき,俺がすごくナチュラルに「あれに塩かけるとうまいよな~笑」と言ったところでちょっとあれ? という雰囲気になった。え,何か変なこと言ったか?

 

その同僚からは完全に病人を診るようなまなざしで,あれにはもう十分な塩がかかっているんだということを教えてもらったが,俺は引っ込みが付かなかったから,その同僚には毎日隠し味として塩5kgが入った手料理を食べさせ健康を害したうえで殺害し,その遺体は死海に沈めた。塩というのは実に様々な用途で役立つものだ。

 

このように,既に塩のかかっている食べ物にさらに追加で塩をぶっかけて食べることを,例えばスターバックスホイップクリームを追加してもらうことが「エクストラホイップ」と言うように,我々の業界ではこれを「エクストラソルト」と呼んでいる。

 

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塩に関する話をもうひとつしよう。

先日,家に帰ってからリッツを食おうとしたら(もう主食がリッツだ),塩がない。

これではエクストラソルトができない!

 

が,その日の夜,俺はたまたま,会社の上司の親族のお通夜に出席してきたんだが,その帰りに葬儀場の人から小分けパックになったお清めの塩をいただいていて,それがスーツの上着から発見された。

 

ここで,まだ高濃度の食塩水によって脳が汚染されていない健康な人であれば,「いけね,お清めし忘れちゃった! どうりで部屋中でポルターガイスト現象が起こり続けるわけだわ」とか言って,玄関あたりで塩を振りまくだろうが,勘のいい読者のことだから,この塩がゴースト対策ではない他の用途でどのように俺の役に立ったかわかるだろう。

 

例えばスターバックスホイップクリームを追加してもらうことが「エクストラホイップ」と言うように,我々の業界ではお清めの塩を食用にすることを「ヘヴンズソルト」と呼んでいる。あんまスタバ関係ねえ。