最近よく美術館に行くんだが,そうしているうち,自分の部屋にも絵を飾りたいと思うようになった。
今日はその話をする。
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○ わたしが犯人です。
たとえば推理小説で,誰かが殺された,でもその死体が消えてしまった,犯人もわからない,という時に,突然「部屋に大きな絵を飾るのを趣味にしたんです」みたいなことを言い出したやつがいたとする。そいつが犯人だ。
でも,今のところ俺に絵の裏に死体を隠す必要は生じていなくて,自分が気に入った絵を見ながら生活したいとか,部屋の雰囲気を変えたいとか,そういう理由だ。
○ やっぱり私が犯人です。
部屋の雰囲気を大きく変える方法は3つあると思う。
ひとつはカーテンを変えること。
ベッドのシーツを変えること。
それから,部屋に訪れた知人を,口論の末についカっとなって殺害し亡骸を壁に埋めた後に絵を飾ってそれを隠すことだ。
(最後のやつは部屋の雰囲気が変わるというか,部屋全体が冷たい牢屋みたいなデザインになるからそれが好みじゃなかったら人を殺めるのはやめて絵を飾るだけにしたほうがいい)
要するに,部屋にいるときに目線の高さにある物をどうにかするとガラっと印象が変わるということだ。
だけど,絵を一枚買うとなったら,絵それ自体もそうだけれど,額も買わないといけないし,かなり高くつく。
なるべく安く,でもそれなりに見栄えはよくしたい。何かいい方法はないだろうか?
絵本体と額込みで,予算は1万円前後とする。
○ ポスター+額
一番安く済むのはポスターを買うことで,これだと1,000円ちょいで済む。
でも,さすがに紙を1枚だけペロっと貼り付けておくのは貧相だから,サイズに合ったポスターフレーム(額)を買おう。
だいたいポスターより額のほうが高くつくことになるけれど,こうするだけでだいぶ違う! 俺も今まではこうしていた。
額縁はデカいし外で買うと持ち帰るのが大変なんでAmazonがおすすめ。
どうでもいい話だけど,Amazonで買ったフレームにあらかじめ「こういう感じで絵を飾ってね」っていう意味合いで最初から入ってたコスモスの写真があるんだけど,これが思いのほか良かったから,俺はその見本のポスターをそのまま飾り続けている。
絵自体にそんな思い入れもなくてちょっと部屋の雰囲気をどうにかしたい,というのであればポスターとフレームをアマゾンで買うのが一番手っ取り早いだろう。
○ レプリカ
でも,ポスターだと質感が全く無いから寂しい・・・という人は,やっぱりキャンバスに描かれているものを探すことになる。
じゃあレプリカかな・・・という話になるんだけれど,手間がかかっているだけあって高い。だいたい数万円から,普通に十万円を超えてくる。
もう自分の人生をかけて好きな絵だったりしたら良いと思うけれど,部屋に適当に置いておくだけならお金かけすぎだと思われる。
ちなみに,レプリカって普通どれくらい値段するのかな~と思って,レプリカを売っている販売サイトを見に行ったら,【本物は10億円するものをレプリカなら10万円で! なんと0.01%のお値段でご提供♪♪ ^-^】とか言ってやがるところがあった!
お前そんなのありかよ!
○ プリキャンバス複製画
たとえ名画を99.9%オフの値段で買えたとしても(しかも複製じゃねーか),それでもちょっと高いよなあ。
レプリカほどお金のかかったものでなくていい。
とはいえ,ポスターよりはちゃんとしたものがいい。
その中間ということで,俺が最近Amazonで見つけて,注文しよっかなーと考えているのが「プリキャンバス」というもの。
これいいぞ,多分だけど。
プリキャンバスというのは,プリンターを利用して作るポスターには違いないんだが,キャンバス地(布)に印刷し,板に巻きつけてくれるもの。
紙と違って布だと質感が生まれるんだな。
おお,画像検索してみるとまるで本物みたい!
Amazonで検索してみるとわかるが,このクオリティでも価格が5,000円くらいと結構手ごろ。やってることは布に印刷しているだけだからそうなるんだろう。
とはいえ,ちょっと部屋に飾る分にはこれで十分な完成度だと思う。
(これだけステマしてるので,ここをもしプリキャンバスのメーカーの方がご覧になっていたら俺だけ3割引くらいにしてください。)
で,さらにオプションとして「立体仕上げ」というものができる。
これいいぞ,多分だけど。
これはその名のとおり,印刷されたキャンバスに透明の樹脂みたいなのを付着させて,単なるポスター印刷ではわからなかった絵の具の隆起みたいなのを表現してくれるらしい。
印象派の絵は筆の動きだとかに味がある(とかいうのを解説サイトで読んだことがあるから俺は知らないけど多分そう)ので,この「立体仕上げ」をするのとそうでないのとではきっと全然違うだろうと思う(ただ,これすると2,000円くらい高くなる)。
絵+立体仕上げ+額で,だいたい1万円くらい。
もちろんキャンバスに布を貼り付けて送ってくれるから,額なんていらん直接飾るわいというのもアリ。
うん,わかるぞ,お前たちはどうせこれだけ言ってもステマだろとか言ってろくに調べもしないだろうから,俺がかわりにこれを買って見せてやる
5月中に取りあえず1枚,その後毎月のお小遣いでちょっとずつ買っていこうと思う。
○ ほしい絵
だいたい今回の記事では「プリキャンバスって凄いのがあるらしいぞ。俺はそれを買う」ってことを言いたいだけだったんで,ここからは俺が買おうかなと思っている絵の話をする。
俺は基本的に,使っている色が鮮やかな絵が好き。
だから印象派はどれもいいよね,見ていると気分が明るくなる。
それに印象派の描く絵は,「この裸で横たわった女は,当時の画家本人のゆがんだ性癖を表しており・・」みたいなろくでもない深読みをしなくていいからボーっと見ることができる。
そんなわけで,買う候補は次のうちのどれか。
ルノワール
「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」
いやー 文句無く可愛い。
表情に気品があって,髪の毛の描き込みが凄い。毎日見ていたい。
来年,国立新美術館などで「至上の印象派展・ビュールレコレクション」いう展覧会がやるんだが,その広告がこの絵で,キャッチフレーズが「絵画史上 最強の美少女<<センター>>」だからな。
たぶんコレにする。
※国立新美術館での展示は来年2月14日から。
同じくルノワールの代表作。
青と白の衣装に,木々の木漏れ日がうつる,本当にさわやかで良い絵だと思う。毎日の朝にこれを見たい。
クロード・モネ
「ヴェトゥイユ,モネの庭」
庭に伸びる無数の鮮やかなひまわりと,子ども。奥さんが亡くなった翌年に描いたらしい。
ひまわりといえばゴッホだけど,モネもひまわりは結構描いていて,どれも凄くいい。
ファン・ゴッホ
「ひまわり」
そのゴッホのひまわり。
今年ゴッホとゴーギャン展に行った時には「ひまわり」の展示は無かった(新宿の東郷美術館に行こう!)けれど,机の上に飾れるくらいの小さな「ひまわり」を買った。大きいのもほしい。
ゴッホはひまわりを何枚か描いてるんだけれど,ゴーギャンと一緒に暮らすための家の装飾のためだったんだって。
そんなに一生懸命準備して,でもその共同生活が2ヶ月くらいで破綻して,そしてすぐ自殺するとか,切ないなあ。
みんなはどれが好き?
4枚目と5枚目はちょっと色調が暗いから,ゴッホ自身も気に入っていた3枚目(上で写真を貼ったやつ),か,7枚目のひまわりにしようかな。やっぱり毎日見るなら明るい絵が自分の精神のためにもいい。
でも,本当に一番好きなのは2枚目のひまわり。
黄色いひまわりの背景が,この深いブルー!
ゴッホは,夜のカフェテラスや,星降る夜だとか,夜空を青で表現していて,俺がこの青色がすごく素敵だと思う。
ゴッホ自身も「夜は昼よりずっと色彩豊か」と言っている。
ただ,有名な話だが(コナンの映画でもやった!)この2枚目のひまわりは,戦争中に日本の芦屋で保管されていたものを,空襲で焼失したとされている。
だから幻のひまわりだと言われていて,それゆえにレプリカとかも販売られてないんですなあ(それどころかポスターとかもない)。
本当にいい作品なのに残念というしかない。
が,世界中の名画のレプリカばっかり飾ってあることで有名(大人気)の,徳島の大塚国際美術館で復元され,展示されているんだって。
これ見たいな~~!!!
プリキャンバスのメーカーの方がここを見ていたら,俺だけ3割引にしてもらうのは諦めるから,この「芦屋のひまわり」を商品ラインナップにいれてくれ!!
※探したら2枚目のひまわりのマグカップはあった。
なんでマグカップなんだよ!!というかコレができるんだったら普通に絵を作ってくれよ!!!