(ピアノ)脱力ってどうやんだよ

●「脱力」ってどうやるの。

 

ピアノ教室でピアノを弾くたびに,先生から「もっと力を抜いて弾かないといけませんよ^^」と言われて,お仕置きとして軽く往復ビンタされている。

うそ。そんな体罰が行われている教室じゃなかった。往復ではなく片道ビンタで済んでいる。


でも,力を抜いてくださいね~と毎回のように言われる。
自分としては力を入れているつもりが全くないんだが,どうもピアノを弾くにはそれでも力が入りすぎなんだそうだ。

 


力を入れているより,力を抜いているほうが手を早く動かせる。
みんなもその場で,手に力を入れて振ってみて,その後に力を抜いて手を振ってみてほしい。どっちが素早く動かせるかわかるだろ。ピアノを弾くにはその状態が必要なんだそうだ。

 


で,それはわかるんだが…力ってどうやって抜くんだ?????
鍵盤を押す時には必ず力が入るじゃん! 何をどうしたらいいのかよくわからん。

先生に「もっと抜く!」と言われ,俺がすることといえばただ腕を宙ぶらりんにしながら立ちすくむばかりだ。

 

 

●俺はサイヤ人の生き残りだ。


そんな俺が最近考えているのは「俺ってもしかしたらサイヤ人なのかもしれない」ということだ。
サイヤ人というのはドラゴンボールという漫画に出てくる超人的な力を持った連中のことだ。

あいつらは,何もしてない状態,平然としながらでもすんごい力を持ってるから,例えば一般人の身体を軽く「おっす^^(ドンっ)」って押しただけでも押された側は前方に2キロメートルくらいぶっ飛んでいくの。山を砕きながら。

で,俺もそんなサイヤ人の生き残りで,自分の感覚では力を凄い抜いているつもりなんだけど,周りからしたら「お前その腕力何なんだよ!!というか人間なのか?!」ってくらい腕力がとんでもない状態になっている可能性はある。

そうなるともう俺はピアノなんか弾いてないでさっさとフリーザを倒しに行けって話になるんだが


●強制的に力を抜く方法を考えてみた。


自分の意識だけで力を抜くのはちょっと難しそうだ。
だから,ちょっぴり外部からの力を借りて,強制的に脱力する方法を考えてみた。


1.逆立ちをする。

ピアノ教室へ行く前に,家で逆立ちを10分くらいしておく。
そうすることで脱力してピアノが上手くなるという新理論だ。

で,これは実際に家で試してみた。逆立ちをするなんて中学の体育の時間でふざけてやっていて小川君を大怪我させた時以来だ。
5分間やってみる。頭に血がのぼる。逆立ちをやめた途端に猛烈に立ちくらみがする。もうダメだ立てない,今日はお休みだ・・・。この方法はあまり健康によくないからボツ。次だ。

 

2.腕立て伏せをする。

ピアノ教室に行く前に,家で腕立て伏せを10分間くらいしておく。
そうすることで脱力してピアノが上手くなるという新理論だ。今度こそ。

で,これは実際に家で試してみて,確かにヘトヘトになったおかげで力が抜けた。いい感じだ。
だが次の日,猛烈な筋肉痛にのたうちまわりながら俺は考えた。

筋肉痛になるということは筋肉が鍛えられて発達しているということだ。この方法を続けたら俺は更にパワーアップしたスーパーサイヤ人になってしまう!

そうなれば俺はもうピアノなんて弾いてないでさっさと魔人ブウを倒しに行けという話になってしまうからボツ。

 


3.イカになる。

イカというのは海に住んでいて,しばしば刺し身になる生き物だ。

あいつらは実にグニャグニャしている。その動きに「力み」が無いのだ。
つまり,あくまで理論上の話だがあいつらはピアノが上手なはずだ。
という訳で,俺は明日からイカになろうと思う。だがどうやって?
脱力する方法よりも明日からイカになる方法のほうが難しそうだ。

でも,大丈夫。
人間からイカになったイカ大王みたいな奴もいるから無理なことはないはずだ。

 

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イカ大王

 

4.バッティングセンターへ行く。

ピアノ教室の近くには小さいバッティングセンターがある。
バッティングセンターって何なのかわからん奴に言っておくと,機械仕掛けのロボットが何台か設置してあって,こちらに向かって130キロの猛スピードでボールを投げてくるから,それを金属の棒を振り回すことで打ち返すという恐ろしい場所だ。

ここでそうした練習を繰り返すと,野球がうまくなるか,未来の世界で機械仕掛けのロボット軍団が人類に反乱を起こした時に役立つというわけだ。

ピアノ教室に行く前に,毎回そこへいって,150キロのボールを500球くらい打ちまくるというのはどうだろう。確実に脱力できるはずだ。

だがそんな努力ができるならピアニストになる前にプロ野球選手になれそうだ。

 

5.何も食べない。

食べ物を何も口にしなければエネルギーが無くなって,ついでに筋肉も落ちるから確実に脱力に近い状態になる。
いつからそんなにもピアノに情熱を注いでいたんだ? とは思うけれどこれは手っ取り早い。


調べると1週間くらいなら何も食べなくとも死にはしないらしい。いいじゃないか。ダイエットにもなる。

だが,ピアノのレッスンは1週間ごとにやってくる。
週末のレッスンのために1週間断食をする。そこまではいい。だが今度は次の週末のレッスンのためにまた1週間断食をする必要がある。

これを繰り返すと,ちょっと考えてみたんだが俺は死ぬまで何も食べられないことになる。多分だけど死ぬよな。

 

あれ?死んだら脱力できるんじゃないか? って新理論にすこし気が付きかけたけれど,死んだら楽譜が読めないからダメだ。

  

・・・・

 

などと色々と考えてみたものの結局のところ実用的なのはイカになるくらいなもので,あんまりいいアイディアが湧いてこない。
ピアノがお上手なみなさんはピアノを弾く時,どのように脱力状態を実現しているというのか。
やっぱ斧か? 斧ですこしだけ腕を斬りつけてるのか?