国民感情に基づく結婚ってなに? の話。

小室圭が何かっていうとYahooのニュースに取り上げられては、Yahoo掲示板の連中から口汚く攻撃されているようだ。

 Yahoo掲示板の連中が口汚いのは普段通りだが、とりわけ小室圭については、その母親の素性も含めて、ここ数年スキャンダルの対象となっているせいもあり、皇室との結婚に不適正であるとか、税金の使われ方として適当ではないとか、いろいろな攻撃を一身に浴び続けているようだ。

 

俺はそうしたスキャンダルを追っかけるような趣味がないので、彼やその家族の醜聞(?)については知らないが、例え彼がどのような人物であったとしても、皇族の結婚相手として不適正だからやめさせるなんてことは出来ないし、そうした要求もしない。

それはなぜか? 俺が小室圭が個人的に好きだったり、あんなスキャンダルなんて大したことないと思ってたりしているというわけじゃない。日本国憲法にそう書いてあるからだ。

 

日本国憲法21条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると書いてある。
要するに、男女ふたりが、この人と結婚したいとお互いに思うだけで、親や親戚縁者が何と言おうと、ましてやネットの連中だけが言う「国民感情」がどうだろうと、構わず結婚できる。結婚は憲法により保障された権利のひとつだと言える。

そうした権利を保護することはとても重要で、結婚の成否にいちいち「国民感情」が 関与するような世の中になっては基本的人権に関わる問題だから、俺は小室圭の結婚についてはとやかく言わないし、二人の好きにさせてやれと思っている。

 

そもそも、Yahoo掲示板の連中が二言目には言う「国民感情」って何だろう。何がどうしたら、「国民感情的にOK」だと言えるんだろうか。結婚してよいか、世論調査や選挙でも行えばいいんだろうか。俺にはわからない。

「何がどうなったら良くて、何だったらダメ」なのかがハッキリしていることを、「反証可能性」という。反証可能性の有無が、その理屈が論理的であったり科学的であったりするひとつの大きな指針となるのだが、「国民感情に応える」というのは何がどうなったら応えてることになるのかわからないから、反証可能性が無い。従って理屈になっていない。

そういう意味では、眞子さまの父親が「国民から祝福されるような結婚をしてほしい」的なことを言ったようだけれども、ふんわりとした気持ちとしては分かるが、国民感情の話と同じで、「国民から祝福されるとはどういうことか」という定義が無いから、眞子さまの結婚可否に関する要件にはならない。祝福する国民が1人でもいいの? 100人なら? 1,000万人くらい集めてくればさすがにOK? など。これらの問には答えがないし、OKかNGを判断する人もいない。

 

そもそもYahoo掲示板を見ていると、「自分はなんとなくムカつくし、周りもそう言ってる」くらいなことを、国民感情だとかもっともらしい言葉に置き換えただけなように感じるんだが、実際そうなんだろう。「あいつムカつく」の単なる言い換えというわけだ。


そんな不確かな「国民感情」(というか自分個人のわだかまり)を盾にして、Yahoo掲示板の連中は、小室圭は結婚相手として不適正だからやめろとか、眞子様は皇室を離脱しろとか好き勝手言う。
もっとも、そのように好き勝手なことを言う権利も、ある程度までは結婚と同様に憲法で保障されているから大切にしなければいけないが、このように他人の結婚にあーだこーだ言う連中は何だか、いわゆる「毒親」みたいな感じだと思う。

 

俺の親は幸いなことに子供の権利と自由を尊重するまともな人物だから、俺は毒親という存在が実際どういうものかよくわからん。
でも、その定義からするに、子供が当然持っている権利を侵害しつつ、あれやこれは自分の好きなようにコントロールしたがる存在なんだよな。
眞子様の結婚相手にどうのこうの言うのと全く同じなんじゃないかなと思う。

まるで自分が、世の中のすべてのことに口を出し、善悪を判断し、そしてコントロールする権利があるように錯覚する。
そういう連中を探すのはそんなに難しくない。

例えば、町中に侵入した危険なクマを撃ち殺した役所に、わざわざ遠方から「可哀想だからやめろ」と電話で圧力をかけてくる連中がいるようだけど、(皇室だろうが何だろうが)他人が誰と結婚するのか口を挟みたがるのも基本的に同じもんだと俺は思う。

そんな連中が決まって頼りとする論理(のようなもの)が、国民感情という、あってないようなものというわけだ。

 

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そして、見過ごされがちだが、眞子様の人権にとって重要な点がもうひとつ。

仮にYahoo掲示板の連中が言う通り、国民感情とやらに配慮した結果、この結婚が破断になれば 、今後、眞子さまが結婚を予定する相手には、必ずこの【国民感情に沿っているかどうか】のチェックが入ることになる。話は小室圭だけに終わらないのだ。

 

今後、眞子様の交際相手は、生い立ちや、親族、性格や性的嗜好、学校での様子など、すべてが週刊誌やネット掲示板の話題となって、何の権利かは知らんが「OK」「NG」の判断を下されることになる。

だが、その判断に眞子様は従わなければならない。なぜなら、過去に小室圭をその判断でNGにしたのだから、次の男とは自由にやるのでは一貫性がなくなる。

そしてそれら一連の行為は、対象が皇族だろうが甚だしい人権侵害だ。

当然ながら、今後、男女問わず皇族と結婚したがるような人なんて皆無になるだろう。

 

実際に、皇族の結婚相手は「まともで、由緒正しい人に限るべき」などという、憲法21条のほか憲法14条などにも抵触するようなことを言っている人もいるけれど、もしその案を採用するとしても、誰が、どのような方法で、その人のまともさ、由緒正しさを判断するのだろうか。俺にはわからない。 結局のところ皆がみんな「自分がムカつくからだめ」レベル以上の話をせず、全く何も決まらないことになる。

 

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また、こうして「憲法ガー」と言うのに対して、「皇族は憲法の適用対象外。一般人とは違うんだ」みたいな話をしている人もYahoo掲示板では見かけるが、最高法規である憲法が適用されない人たちがあるなら教えてほしい。どういう理屈で「皇族は別」なのか。

税金で養っているのだから、皇族などは人権を制限してもいいのだと、彼らは当然な顔をして主張する。

しかし、皇室典範だって日本国憲法の「下」なので、皇室典範の内容が日本国憲法に違反していれば、その規定は無効となる。従って、皇族は間違いなく憲法基本的人権の保護を受ける。そもそも天皇の存在だって憲法で規定されているのだから。

 

 

ところで、こうして個人の権利が攻撃されている時に限って、日頃から人権だの、フェミニズム運動だのしてるリベラルな連中が静かなのも困ったもんだ。
お前たちがいま頑張るのは、原発阻止でも、森元総理への悪口でもなく、眞子様憲法に基づいて無事に結婚できるように尽力することだ。護憲活動に関する日頃の熱い思いはどこへいった。Yahoo掲示板がネットウヨクどもの好き放題にされていて悔しくはないのか。

 

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また、小室圭との結婚を止めさせる理由として、結婚後に支払われる結婚支度金のようなものが税金から拠出されるので、それが嫌だという意見も非常によく見かける。

自分がムカつくやつに、自分の金が渡るのが嫌だという気持ちも分かるが、たかだが1億円程度の税金(国家予算の0.0001%程度)の使い道について、Yahoo掲示板に書き込んでる連中が、普段から他のどんなことに使われているか熱心にウオッチしていのか、俺には疑わしい。

他にもいろんな無駄なことに税金が使われている中で、よりによって結婚という重大な人権のひとつを制限してまで1億円の支払いを止めさせたい理由が俺にはよくわからん。
正確にいうと「なんかムカつくから」以外の理由がよくわからん。

 

「税金を払っているんだから口も出す」のような意見もYahooでは見かけるが、これはとても恐ろしいことだと思う。
要するに、誰かから(または、税金などで)養育されていたら、誰と結婚するな、または誰と結婚しろ、みたいなことを受け入れなきゃいけないってことだ。
それこそ毒親みたいなもんで、成人するまできちんと育て上げた実の親ですら、子供の結婚の意思には関与できないのは上記した憲法のとおり。
他人の結婚を、公共事業の適正性の精査か何かと勘違いしてるんじゃないのか。


というか、税金の適正な使途がどうのというロジックめいたことも、国民感情がどうのこうの言うのと同じく、すべて「なんかムカつくから」に集約されるんだと思う。

なんかムカつくから人権を制限しようとする。これが近代国家のあり方か俺には疑わしい。

中世のヨーロッパでは、なんかあいつ気味悪いから魔女だってことにして、死刑にしちまおうぜ、などということがされていたらしい。

小室圭はなんかムカつくから、眞子さまとは結婚できないってことにしようぜ、という理屈(?)と同じことだ。

そういう魔女狩りみたいなことを止めさせるために、「法治主義」の原理が整備されたのだから、大人しく静観すべきだと思う。
普段から法治や立法の仕組みを理解して、ものごとを是々非々で考えられる人まで、このカップルの結婚には「破断にしろ」とか言うもんだから残念な思いがある。

 

もっとも、法的にこの結婚を破断に追い込む方法はゼロじゃない。

上記したとおり、俺だって小室圭が好きだったり、彼の人格を支持しているから結婚に口を出すなと主張しているのではない。

法によって認められているのだから、その法に従って黙って見てなさいと言っているのであって、その状況を変えたければ要するに法を変えたらいい。

具体的には、小室圭と眞子様が結婚するまでに、憲法21条を改正したらいい。
Yahoo掲示板の連中が望むように「結婚は両性の合意により成立するが、なんかムカついた場合はこの限りではない」とか。

憲法21条についてはこのほかにも、「両性」の部分が結婚を男女間でしか認めない前提になっているからよくないとかで改正議論の的にされやすいから、一緒に改正することで手間もそんなにかからないと思われる。

小室圭がムカつくから憲法を改正しようというのならば、それなりに筋が通った意見になるだろう。

 

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ただ、小室圭も小室圭で、彼もまた自分で炎上を引き起こす性質があるのも困ったもんだ。
上記したとおり、国民感情なんてのはあってないようなもので、何がどうなったら「国民感情に応えた」ことになるのかもわからない。
なので、そんなものに配慮して、また掲示板で叩かれるだけの文書なんてせっせと作ったりせず、さっさと定職について、さっさと結婚しちまえばいいんだ。

君や、君の母親がどのような人物だったとしても、君と眞子さまが合意していれば結婚できる。法律を勉強しているならばわかるだろ。そんな書面で母親の言動を説明する必要なんか微塵もない。自己満足以外のどんな理由であんな書面を公開したのか、俺にはわからない。


ただでさえ、小室圭が眞子様と婚約した2017年から4年間も、ネットの連中は遅々として進まないドラマを見せられているようなもので、それでヤキモキした結果として悪口を言いたくなるのかもしれない。

要するに煮え切らない態度も炎上に油を注いでいる原因なのだと思う。

 

俺が小室圭だったら、母親の問題はこの結婚とは全く無関係だと一回だけ釈明した後は、何も記者発表するようなことはせず、速やかに就職して、(結婚は憲法上保障されているので全く不要だと思うが)場合によっては「納采の儀」を取りやめたりしてから(Yahoo掲示板の連中は、この儀式が行われるのがとにかく嫌なんだそうだ)、さっさと婚姻届を区役所に提出する。眞子様のことが好きだったら、やるべきことは以上だ。

それから、ネットの連中の嫌がらせに備えてアメリカに移住して、この後一切、皇室に関わるようなことはしない。

それを早く実行せずグズグズしているから、不要な勘ぐりを呼んだり、痛くもない腹を探られるのだろう。

 

もっとも、いつ結婚するだとかも完全に小室圭と眞子様の自由だし、実際は宮内庁も、毒親の如くうんだらかんだら言ってきて、このように自由なことができないのかもしれないが、そこで覚悟を見せれば見直す人も出てくるんじゃないかな。
「この世界を全員敵に回してでも君を愛する」なんて、今どきドラマでも言わないようなことをリアルに実行できるのは君だけだ。

 

そして無事に結婚できた後、アメリカで仕事を見つながら暮らしていくのは大変かもしれないが、弁護士としての仕事なら実はたくさんある。
これまで自分や母親の悪口を書きまくってきた週刊誌やYahoo掲示板の連中を片っ端から名誉毀損で訴えまくって、慰謝料請求する。これだ。
こうした悪口はありがたいことに現時点でも無限と形容して差し支えないほど大量にあるから、数年間は弁護士として食い扶持に困らないし、弁護士業としての実績作りにもよい。

もしかしたら彼は後年のコレを狙って、いまは「炎上芸」をせっせとしているのかもしれない。

そうだとしたら、眞子様にとってはこれ以上ない最強の旦那になることだろう。

 

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以上のようなことはツイッターでも繰り返し言っているのだけれど、フォロワーにすら全く支持されないから、本当に小室圭って嫌われてるんだな~と思う。

 

でもまあ、彼が、俺や俺の家族に何か嫌がらせをしてきたわけじゃないから、基本的に彼の結婚については上記のような感想を持っている次第。