簿記について

ツイッターのフォロワーに、今年から簿記を頑張ろうとする人がいるので、今回は簿記の勉強について書く。


簿記は、会社の商売の記録をつける作業で、個人だと家計簿によく例えられる。

何を仕入れた、何を売った、人件費払った、家賃払った、その他その他があって、結局これだけ儲かりましたという1年の(お金に関する)出来事の「記録をつける」作業を簿記という。

具体的になにをするかっていうと、
1.取引の記録をつける(仕分けとよばれる)
2.それを表に写す

こんだけ。

1.取引の記録をつける(仕分け)

冒頭で述べたように、「物を売った」「車を買った」「家賃を払った」とかいう出来事について、ルールに従って記録することを「簿記」という。
この記録する作業のことを、簿記の世界では「仕分け」という。
「記録」することが簿記ならば、仕分けは「簿記そのもの」、あるいは「簿記の全て」と言っていい。
裏を返せば仕分けさえ理解して、暗記すれば簿記はもうだいたい終わり。

その仕分けが済んだら、3級だったら精算表、2級~1級だったら損益計算書とか貸借対照表とかっていう、いろんな表を作る必要がある。
この表をつくることが簿記の最終目標ではあるんだが、その表の元になっているのは全てこの「仕分け」なんだ。
だから仕分けができないと表もぜんぜんつくれない!
だからまず仕分けのやりかたをどんどん覚えること。


最初はとっつきづらいかもしれない。
とくに「借方」「貸方」のどっちに書くんだっけ(左右どっちだっけ?)とみんな必ず悩む!
だから、とりあえず何を左右どっちに書けばよいのかを覚えることだ。
簿記3級は、この左右をきちんと覚えた人から順番に合格するようになっている。

覚え方のコツとしては、

「資産」は左
「負債」「資本」は右

とまず覚えてしまうこと。
資産が増えたらに書く。負債が増えたらに書く。
で、逆にそれが減ったら逆側に書く
現金を払ったら、資産が減るので右に書く。借金を返したら、負債が減るので左に書く。


これを理解したら、「現金」とか「借入金」だとかいう科目が、それぞれ「資産」「負債」「資本」のどれなのか覚えればいい。

例えば「現金」って名前から「資産」じゃん! だから増えたら左(資産は左が基本だったね)、減ったら逆の右に書く。
これで1こ終わり。あとこれを30個くらい覚えれば終了。簡単でしょ?

コツとしては、持ってたら嬉しいのは基本左側。持ってるとイヤだな~ってのは基本右側。
それが減ったら、その逆側に書く。持っていて嬉しい現金(左側)が減ったら(「嫌だな~」な)右側に書く。


わかりづらいのが、「減価償却(げんかしょうきゃく)」「有価証券(株のこと)の評価」「未払い・前払い」「売上原価の計算」あたり。
こんな科目、家計簿では見たこと無いよな。
簿記をするにあたっては、こういう特別な項目も記録しなきゃいけない。
その理由から理解したほうが覚えやすいから、あとで俺のブログで1つまるまる更新して説明しようかと思う。
今回は概説なんで細かい説明はしない。

2.表をつくる。

簿記(3級)では仕分けが終わった後に何をするかというと、その仕訳の結果を(さっき言ったように)「残高試算表」や「精算表」っていう名前の表に転記していく。

仕分けは単に「車を100万円で買いました」って書いてあるだけだから、それだけ見せられても「結局、トータルでいくら儲かったのよ」ってのが分かりづらい。だから表にしてやる。そんだけのこと。

仕分けで書いたことをそのまま写すだけだから簡単・・・と思いきや、いざやってみると「表のどこに書いたらいいのかわかんね!」ってなる。
だいたいみんな、きちんと仕分けして、きちんと表にそれを写したつもりでも、合計の数字が合わない!!えーん!!ってなるもんだ(そういう時は試験に落ちている)。 だからここは表をつくるための練習が必要。
このひょうを作るためだけの特別な仕分けもあるから、それにも慣れる。

3.資格試験のための勉強方法

さて、簿記3級の試験内容を見ると、

第1問:仕分け・・・20点
第2問:帳簿・・・・10点
第3問:試算表作成・・・30点
第4問:伝票・・・・10点
第5問:精算表作成・・・30点

(合計100点)

となっている。そして、合格点は「70点」とされている。

これらのうち、

第2問:帳簿
第4問:伝票

この辺は、とっつきづらい。
例えばお店で売っている商品の在庫管理するための表を作らされる(商品有高帳という)。
でも、それができたって、たった10点。おまけに2級以降そんなのさっぱり出てこない。そんなのに時間をかけていると落ちる。
簡単なので全部捨ててしまうのはもったいないから、試験前1週間くらいで「ふーんそうやって書くんだ」ってやり方を覚えればそれでいい。逆に言うと他と同じように時間かけないこと。


で、力を入れる点はここ。


第1問:仕分け(5題)
第3問:試算表作成
第5問:精算表作成


これが全部できれば80点で、余裕で合格する。
ちなみに、試算表も精算表も、仕分けの結果を表に移すという作業では全く同じものだ。

そして、さっき言ったように、「基本は仕分けを覚える」「表は仕分けの結果を写すだけ」ということを踏まえると、本当に力をいれるのは問1「仕分け」だけになる。
これこそが「簿記は仕分けが全て」という理由だ。だからとりあえず仕分け覚えよう。


資格試験に向けての勉強法としては、さっき言ったように仕分けをとにかく覚えること(2級も同じ)、それを精算表に写すこと。
これに勉強時間の9割をつぎ込む。

具体的には、基本的な仕分けを覚えたら、ひたすら「精算表を作る問題」をやる。
精算表をつくる時だけ行う仕分けがあるから、それもきちんと覚えること(これを決算整理仕訳という。単純だけど精算表をつくるためだけの仕分けだからみんな混乱する)。

落ちるパターンとしては、

1.仕分けをきちんと暗記していない(パっとでてこない)
2.仕分けだけ暗記して、精算表をつくる練習をしていない(何をどこに書けばいいかわからず死亡)
3.配点の低い「商品有高帳」とか「買掛金元帳」を勉強しすぎる(全部スルーでもいいけど、簡単だからちょっとくらいやってもいい。)
4.試験日当日に電卓を忘れる。

という感じ。

ちなみに俺は大学では商学部に在籍していて、学部1年生の時に簿記の講義があったんだが、定期試験の時に電卓を忘れたことがある。しかも2回も!!
前期後期で2回とも簿記の試験に電卓を忘れて、それは多分簿記を勉強するよりももっと大事な脳の部分をなんとかしないといけないんじゃないかと思う。

電卓がないと簿記なんかできないから、そのたびに大学の購買で電卓を買い・・・実家には電卓が溢れかえっているんで、必要な人いたらあげます。
みんなは絶対忘れないようにね。試験会場で貸出なんてやってないからな。

4.「簿記的な考え方」について

余談だけど、簿記をやるうえで身につくスキルとして、会社の帳簿が読めるようになるというのもあるが、この他に「簿記的な考え方」が身につくようになるとも言われる。

簿記的な思考って何だろうか。俺は「何でも対価があることを知る」ことだと思う。


例えば、1,000円で本を1冊買うと

借方 金額 貸方 金額
1,000円 現金 1,000円

と仕分けする。
本を1個手に入れるためには、1000円を失わないといけない。こんなのはわかる。


で、次に、この本を読むとする。読むのは自由だからお金とか支払わないよね。
だから仕分けなんてしない・・・普通はそうなんだけど、「簿記的な思考」ではこれも仕分けができる。

例えばこの1,000円の本を読むのに1時間かけるとしたら、自分の自由な1時間を払って、1,000円分の本の内容を手に入れたと考えることができる。
仕分けは次のとおり。

借方 金額 貸方 金額
本の内容 1,000円 自由時間 1時間


また、この自由な1時間でバイトができるものとすると、これをきちんとお金にも換算できる。
仮に時給1,200円のバイトに行かず(シフトを断り)本を読むとすると、自分の1時間の価値は1200円だから、

借方 金額 貸方 金額
本の内容 1,000円 バイトしなかった時間 1,200円

となる。1,200円分の時間で、1,000円の本の内容を買ったと考えられる。
でも、これでは左右(貸借)の金額が一致していないので、このまま終われないのが簿記のルールだ。
きちんと両者が揃うまでやる。そのためにはどうしたらいいだろう?

一番簡単なのは、1200円のバイトに行かずに1,000円の本を読んだ分の差額200円を「損」として考えてしまうこと。

借方 金額 貸方 金額
本の内容 1,000円 バイトしなかった時間 1,200円
読書の損 200円


これで両者が釣り合う。
これを見ると「本なんか読まないでバイトすりゃよかったなあ」という結論になる。

でも、できれば損なんかしたくない。そのためにはどうしたらいいんだろう。

その本から1,200円以上の価値を学び取ること、これだ。
バイトしなかったことによる1,200円を上回るほどの効果(感動とか、タメになったとか)を、読書から得ることができればいい。

仮に1時間の読書で、1500円分の感動を得たとすれば、さっきとは逆に利益が出ることになる。

借方 金額 貸方 金額
本の内容 1,500円 バイトしなかった時間 1,200円
読書の益 300円

あるいは、今すぐには自分の利益にならないけれど、将来的に活かすことはできそうだ。
資格試験のためのお勉強なんていうのはまさにこれ。

この場合、「将来役に立つ」っていう資産を獲得していることになるから、

借方 金額 貸方 金額
本の内容 1,000円 バイトしなかった時間 1,200円
将来役立つ知識 200円

これでも両者が揃う。
「損」にするか「益」にするか、「資産」にするかは自分次第。


肝心なのは、何をするにしても対価があり(この場合は読書をするための時間)、その結果、損したり利益になったりする。
その結果必ず「貸借が一致する」と考えることが、簿記的な思考なのだと思う。

5.簿記3級は6月から試験内容が変わるよ。

※簿記3級は、2019年6月の試験から出題範囲が大きく変わるので、できることなら2月24日(日)に実施される試験で合格しておいたほうが良い。
受験申込方法は、最寄りの商工会議所のホームページを確認してもらいたい(申し込み期限はだいたい1月4週目までとなっているから気をつけて)。


改正内容は以下のとおり。

pboki.com


と言っても勉強前だと何言ってんのかピンとこないので解説すると、2級の内容が3級に降りてくる。割と難しくなる。

過去に、簿記2級の範囲に1級の内容が加えられる変更があった際は、30%くらいあった合格率が半分の15%まで落ち込んだ。

上記したように3級はおおむね1ヶ月くらい勉強すればとれる資格だと言われているから、どうせやるなら今やったほうがいいと思う。