台湾に行ってきたいわん

ニイハオ

前回の日記に書いたように仕事で台湾に行ってきたから、今日はその話をする。

 

  

麻薬大国、日本

 

朝5時、俺はバスを待っていた。

 

会社からもらったスケジュール表によると、俺は朝の8時に出発する飛行機に乗らないといけないらしい。

俺はあんまり海外旅行をしたことが無いからよく知らなかったんだが、飛行機っていうもんは、俺たちが毎朝やってるように「うおーーーー超やっべーー!」とか奇声を発しながら、寝坊した自分を呪いつつ駅の階段をカンカン駆け上って、ほとんど締まりつつあるドアの隙間から軟体動物のように身体を変形させて滑り込めるようなものではないらしくて、ちゃんと荷物検査だの出国審査だのを済ませた上、制限時間内に搭乗手続きをしなくちゃいけないんだという。

俺たちの感覚でいうと8時に出発なら7時59分57秒くらいまでセーフなのにせっかちだよな。駆け込み乗車は非常に危険なのでお止めいただいたほうがいいぞ。

 

そういう事情があって、俺は当日朝の5時のバスに乗って羽田に向かい、6時には搭乗手続きを済ませておかなきゃいけなかった。

あのな、朝5時のバスで空港行くとかもう絶対に麻薬とかアヘンとか隠し持って国外に逃げようとしてる奴だからな。そんなスケジュールで行く必要なんてないもん、麻薬持ってないと。むしろ麻薬持ってて初めて朝の5時のバスで空港に行く権利が与えられると言っていい。

で、頑張って早起きして、麻薬を大事そうに抱えながらバス乗り場まで行くと、バス待ってる人が結構並んでる! 麻薬大国日本かよ!

 

パイナップルケーキ作戦

 

台湾に行く前からこんな書いてるといつまでたっても終わらないからここから出国までちょっと省略する。

 

いろいろあって台湾に到着すると、打ち合わせ先の会社の担当者(台湾人)が空港で迎えてくれた。

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うわーここから外国人とのコミュニケーションが始まるんだ。

台湾の人は物凄く流暢な英語を喋ってくれるんだが、そこへいくと英単語は「インスタグラム」しかわからない俺がこの先どうやって生きていけば良いんだろう、ということになるよな。

 でも、言葉よりも「伝えようとする気持ち」のほうがずっと大切だと、俺は前から思っている。

前からっていうか最近「世界の果てまでイッテQ!」っていうテレビ番組で、タレントの出川が海外の人とめちゃくちゃな英語でなんとかコミュニケーションしている姿を見てそう思ったんだ。

 

そこで、俺が考えたのが「パイナップルケーキ作戦」だ。

みんなも知っているだろうが、パイナップルケーキというのは台湾の銘菓で、日本でいえば雷おこしや東京バナナじゃがりこタラコバター味などにあたる美味しいお菓子だ。

まず、会った台湾人にはいきなり「お前が今まで食べたパイナップルケーキで一番うまいの何だ? 俺はどこ行きゃそれが買えんだ?」って英語で聞くのがこの作戦のポイントだ。その英語は簡単なものだから暗記できる。

で、それでちょっとウケたら、とりあえず「友好的」な雰囲気だけは伝わるだろうから、後はもう出川イングリッシュや、身振り手振りでなんとかしたらいいんだ。

とりあえず英会話なんかより、「私はあなたの会話する気があります!!」って意思を伝えるのが大事なんだからな! 

 

そんで一生懸命その英語を覚えて(家でパイナップルパイナップル言いまくって覚えた)、空港で出迎えてくれた台湾支社の従業員のシュウさんに向かって、

 

おれ「ホ・・ ホワット イズ ザ ベスト パイナップルケーキ、 ユーハブ エバー ハド・・・」

シュウさん「あ、わたし普通に日本語喋れるんで大丈夫ですよ^^」

 

おれ「フ・・  フェア アイキャン バイ イット

シュウさん「日本語で大丈夫ですって」

 

このとおり、俺の考案したパイナップルケーキ作戦は大成功だった。

 

カレーがうまかった

 

俺たちは取り敢えずお昼ごはんを食べることにして、台北市内で人気のお店に向かうことになった。

で、台湾料理を食べたんだが、台湾とか中華圏の人って、めっちゃ大量に注文するのな!

いやもうその小籠包頼んだらこのテーブルのどこに置くんだお前、自分で絶えず持ってるつもりなのかみたいな量を注文する。

そのことをシュウさんに聞いてみると、すごく嬉しそうに「中華圏では、お客様をとにかくもてなそうと見栄を張るのが文化なんで、もう食べきれないくらいの料理を出すのが普通なんです。逆にお客さんの方は、すごく満足したことを表すために、出された料理を少し残すのがマナーなんです。全部残さず食べちゃうと、俺はお前たちのおもてなしに全然満足してない、まだ腹ペコだっていう表現なんです」と言ってくれた。へ~~~。

 

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で、テーブルに載せきれないくらいたくさんの料理を出されたあとで、俺がシュウさんに「ここに来る前の空港のラウンジで食ったカレーがめっちゃ旨くて3杯もおかわりしたんで全然腹減ってないんですけど、って英語でどう言うんですか」って聞いたが、シュウさんがすごく楽しそうに何かを伝えてくれて、そしたらテーブルの上の小籠包が1セット増えた。おい!!

 

めっちゃパイナップルケーキ大好きな人

 

お昼ごはんを終えて、台湾支社に到着してからは、現地の人と名刺交換などして、すぐに会議だった。俺は4時おきで来てんだぞ。

 

なお、ここでも俺のパイナップルケーキ作戦は続行中で(日本語が理解できるのはシュウさんだけだった)、名刺交換する時、ナイストゥミーチューの2言目には必ず「この辺で一番うまいパイナップルケーキを教えろ、俺はそれを絶対買って帰るからよ」みたいな話をして笑ってもらっていた。

 

が、ひとつ想定外だったのが、台湾の人は想像以上に親切で、俺のそんなアホみたいな挨拶を真剣に考えてくれて、ちょっとまってろ俺の知り合いにパイナップルケーキマニアがいるんで聞いてきてやるよ!そこにいろよ!みたいな感じで聞きに行ってくれてる!! うわ~~ありがとう! でもそんなにガチで探してないんだ!

 

ちなみに、台湾の人が言うには、観光客がよく買っていくのは東京の表参道にも出店している「サニーヒルズ」という店なんだそうだ。

が、そこはこの会社からだと少し遠くて、行くのに時間がかかるから、今回のスケジュールで行くのは無理かも、的なことを教えてくれたんで、俺はちょっとウケるかな~と思って「オーーマイゴット!!! ザッツトゥーバット! オー、マイ、パイナップルケーキ!! ホワイ! ホワイ パイナップルピープル!」とかめっちゃウソくさい英語使って残念がっていたら、翌日、宿泊先のホテルからチェックアウトする時に台湾支社の人が挨拶に来てくれて、俺のことを日本からやって来た世界で一番パイナップルケーキが好きな奴とか、お前くらいパイナップルケーキ好きな奴マジで初めて見たわとか思ったのか、昨日話してたサニーヒルズのパイナップルケーキをわざわざ買ってきてくれた!!(しかもプレゼントしてくれた)。すげえ~!こんな親切な国の人たちがいるんだな! 俺も手ぶらでこないで東京のお土産のひとつでも持ってくるんだった・・・。

 

 

I will die

 

そんな浮かれまくった俺にも天罰が下ることになる。

この日は、日本では1ヶ月ほど季節を先取りしたような寒い日だったのが、台湾に来ると一転、基本的に半袖短パンみたいな感じの夏日だった。金魚を入れたバケツを持って二国間を行き来したらその日のうちにみんなお腹出して浮いちゃうくらいの寒暖差に、人間である俺も結構辛いものがあった。

 

おまけに、会議室ではこれでもかってくらいクーラーが効いている。台湾メーカーの威信にかけて、日本人に最強の冷風を浴びせているかのようにガンガン効いている。

会議中は気を張っていたから大丈夫だったけれど、終わった途端に身体がフラフラ、ホテルの部屋についた時には寒気とダルさで立ち上がれず、ホテルの人に頼んで熱を計ってもらったら38度もあった。

このことで、せっかく個人の部屋に温泉が2種類ずつあるという日本でも泊まったことない豪華なホテルだったにも関わらず一晩中うなされて寝ていたのだった。

 

ちなみに、薬を持ってきてないものだから、ホテルのフロントで貰おうと身体を引きずって行ったんだ。

たしか熱があるってフィーバーだったよな・・・と思い出しつつ、

 

俺「アイハブ フィーバー、アイ ドントハブ メディシン 、ドゥーユー ハブ メディシン?」

 

フロントの人「※よくわからん英語で(ここに薬はない。ここから一番近い薬局(ファーマシー)はこの山を下りて片道2キロくらい行ったところにあるぞ)」

 

俺「アイウィルダイ

 

なんていうやり取りをして、取り敢えず氷枕だけ借りてきて寝ることにした。ちなみに言うとその氷枕はめちゃくちゃパイナップルの匂いがした。同じ冷凍庫に入れてんだ。

 

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パイナップルで喧嘩しないで

 

そんな体験をしつつ、世界一のパイナップルケーキをめぐる俺の旅は幕を閉じた

ちなみに、いただいたサニーヒルズのパイナップルケーキのほかに、空港へ向かう途中に寄ったオークラというホテル(日本のホテルオークラと関係してるのかわからん)で別のパイナップルケーキを買った。

2日間ずっと同行してくれたシュウさんいわく「サニーヒルズのは確かに有名だけど、日本人の口に合うのはオークラだと思う。と言うか台湾支社の奴らも、日本でも買える物じゃなくてこういう地元の人のオススメをあげればいいのにって凄く思ってる!」って怒りながら運転している。パイナップルケーキで喧嘩しないでほしい。

 

で、帰国してからさっそく食べたが、どっちもかなりうまい!

ケーキってほど柔らかくなくて、ソフトクッキーってほどはしっかりしてない絶妙な歯ごたえに、パイナップル餡の品のある甘さがよく合って実にうまい。

サニーヒルズのほうはしっかりとした正統派って感じで、オークラのは、ちょっとチーズケーキみたいな風味のある、柔らかな洋菓子みたいな感じ。うん、どっちもめっちゃうまいし箱も可愛い。

 

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今後、会社の役員会等で、今回の出張の報告をするという仕事が残っているんだが、このパイナップルケーキ2種を1個ずつ役員にお出しして、あとお茶でも飲みながらいやーこれうまいっすねーみたいな話をして乗り切ろうと思う。

スカイプでいいな今回の出張。