青山的勉強の進め方:第1回【市販の問題集はわりと非効率】

おーいみんな~勉強してるか~。してないか~そっかあ。


これまで自分がとても書きたかったテーマのひとつとして「資格試験や、学校の入試に向けての勉強方法」というものがある。
俺がどの立場でそんな講釈を垂れるのかという疑問はまるでそのとおり。でも、これまでにいろいろと大学受験や資格試験を受けてきた身として「これは良かった」「これで失敗した」という経験が少しはあるから、そうした話を今回からシリーズとして投稿してみようと思う。

なお、このように「シリーズ化する」と言ったテーマで、その後第2回があった確率はゼロとなっています。

 

 

 

 

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第1回【市販の問題集はわりと非効率】


さて、俺たちがまず資格試験なり受験勉強なりを始めようって時に何から手をつけるかって考えてみると、取り敢えず本屋へ行って「参考書」と「問題集」を買ってくることだと思うが、ここで早速注意がある。


教材を買う。ここまではいい、だがそのついでにスーパーに寄って、アサヒスーパードライエクストラコールド6缶パック(しかも500ml)買ってはいけないということだ。さっそくみんなの為になる経験談を申し上げれば、参考書とビールとの相乗効果は限りなくゼロに近いことがわかっている。

世の中には「多少アルコールが入ったほうが脳が活性化される」という奇妙なことを言い出すアルコール中毒がいるが、資格試験の勉強ではなくて違うセミナーに通ったほうが良いとアドバイスした方がいいぞ。

 

冒頭から話が逸れたが、さあ、俺たちは参考書などを買って帰ってきた。
それから、机を片付け、床に転がっているビールの缶やワインの瓶なども片付け(お前がアル中じゃねえか)、ようやく綺麗な部屋になったところから、問題集を最初のページからやり始めるのだと思う。これが大きな間違いだ。


モノによるが、大抵の問題集というのは、過去問やオリジナルの問題を、出題分野ごとに並べて、どの項目もまんべんなく勉強できるよう丁寧に整理されたものだ。
その整理された問題集で勉強することが、かなりの非効率を生むことになるのでおすすめしない。その理由を今回は書いていく。

そして、そうした問題集をやるのではなく、俺たちが何を置いても先にすべきなのは「実際の過去問を、実際に出題された形式のまま掲載されている」過去問集を手に入れることだ。

過去問をそのままの形で眺めつつ、どういう問題が、どの程度の割合で出ているのか分析する。そして、その過去問を解きながら実際の学習をすすめる。これだ。


それを説明するため、第一回である今回は、市販の問題集をやると非効率だから、実際の過去問を使って勉強したほうが絶対にいいぞという話をする。


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市販の問題集で勉強をすすめると非効率である理由


市販の問題集を使わない方がいい理由は以下のとおり。


1.実際の試験において、どういう問題が、どのくらい出題されるかわからない。

2.市販の問題集のレベルと過去問のレベルは、必ずしも同じじゃない

3.市販の問題集には、学習しなくていい問題まで掲載されていることがある


以下、それぞれ説明する。


【1.どの問題がどのくらい出るのかよくわからない】について


改めて言うまでも無いことだが、実際の試験では、全ての分野に関する問題が、同じ比率で出題されるわけじゃない。

 

例えば、実際の試験においては、

A分野の配点:10

B分野の配点:60

C分野の配点:30

 

という割合で出題されたりするもんだ。
この場合、B項目に特に力を入れて勉強すれば、良い成績が得られるのがわかるよな。

でも、大体の問題集を見ればわかるように、それには全ての項目が同じ分量で掲載されている。
「この項目はあんまり出題されないんで、時間なかったらやらなくていいです」って最初に書いてある問題集を俺は見たことがない。力配分はお前たちが考えろということなんだろう。が、実際の過去問の構成を見たことがない俺たちは、整理された問題集の構成に従って、どの問題も同じだけ時間をかけて解いていく。
これが非常に非効率だ。

そうではなく、俺たちが最初にやるべきは、市販の問題集ではなく、「実際の過去問そのものを手に入れる」こと、そして「どんな分野の問題が、どのくらいの比率で出題されているか」を確認することだ。


たしかに、問題集の中には、最初に「過去問の出題傾向」という分析が掲載されているものもあるけれど、問題集の構成がその傾向のとおりとなっているものを見たことがない。
俺たちがそれを見つつ「あ、じゃあ第3章からやって、直前期に時間があったら第1章に手をつけるか」なんていう合理的な戦略を取れば良いんだが、実際には1ページ目から均等な時間を使ってたダラダラやるばかりだ。

その結果、たいして出題されないような分野に不相応に大きな時間をかける一方で、他よりも時間をかけなきゃいけない分野が疎かになる。

 

【2.問題集のレベルと過去問のレベルは同じじゃない】について


よく整理された問題集をやることの弊害として、実際の過去問とのレベルが違うことも挙げられる。
これは、問題集に掲載されている問題自体が、過去問からそのまま持ってきたものであろうと、オリジナルの問題であろうと同じことだ。

過去問から持ってきた問題なのに過去問とレベルが違うってどういうことだよ、と思うだろう。それを以下で説明する。


例えば、ある資格試験では、全10問中6問正解すれば合格するとしよう。

問題のレベルには5段階あって、1が最も簡単で基礎的な勉強ですぐ解ける、5が最も難しく何時間も勉強しないとわからない問題だとする。

で、実際の出題傾向は以下のとおりとする。


1問目:レベル1   6問目:レベル2

2問目:レベル2   7問目:レベル3

3問目:レベル3   8問目:レベル5

4問目:レベル5   9問目:レベル4

5問目:レベル4   10問目:レベル3

 

この試験に合格するのが目標だとしたら、レベル5の問題を勉強する時間はすべて無駄だ。

そんな「無視しても構わない問題」をその通り無視しつつ、俺たちがまずやらなくちゃいけないのは「レベル1~3を完璧にすること」だ。

が、過去問ではなく、市販の問題集を先行してやってしまうと、実際の試験における出題レベルの比率がわからんもんだから、そこに掲載されている全部の問題が出来るようにしないといかんと思い込んだあげく、レベル5の問題の学習で時間を使い果たし、結果、本試験ではレベル3の問題すらも落とすというパターンとなる。結果は不合格だ。

 

実際には、本試験の出題傾向が変化した時(非常に難化した時)にお手上げとならないよう「全スルー」は避けるべきだが、それでも難問にはあまり時間をかけるべきではない。 

仮に、本試験がレベル4~レベル5くらいの問題で占められていたとしても(応用問題が解けないと受からない、という試験は東大の入試も含めこの国においては存在しないが)、過去問を中心に勉強していくと、レベル1~2はさっさと見切りを付け、応用問題の特訓をすべきだという方針が自然と立つ。

 

【3.やらなくていい問題まで出てることがよくある】について


これは【2.市販の問題集のレベルと過去問のレベルは必ずしも同じじゃない】と似たようなことだけれど、とにかく市販の問題集は「網羅性」を求めていて、大して出題確率の高くないものまで、他の問題と同列に掲載している。

そんな問題をせっせと勉強することの非効率さは直感的にも分かることだが、それなのに何故問題集は、そんな出題頻度の低い問題を掲載するのか?

それは、実際に試験を受けた人からの「こんな問題、問題集にも載ってねえよ!」っていうクレームを避けるために、「過去に出たことがあれば、難問、奇問でも取り敢えず掲載しておく」ということが大事になってくるからだ(そんな問題が出来なくても、合否には全く関係がないのだが、それでもやらないと気が済まない、完璧を求める人というのがいる(そういう人はだいたい落ちる))。


問題集は、実際にはむこう10年間で1度たりとも出ない問題だって、取り敢えず掲載するわけ。
そのうえで、それを勉強するかしないかは俺たちに任せるというわけだ。「俺たちは答えは示さない。お前たちに余力があったらやれ」と。

が、過去問を見ていない俺たちは、毎年のように出題される頻出問題も、そういう難問、奇問も、同じように問題集に載っている問題として扱い、一生懸命やろうとする。

 

問題集ではなく、過去問そのものを使おう。

 

ここまでで言いたいことは要するに、市販の問題集をそのまま使うと非効率だぞってことだな。それじゃあどうしたらいいのかって話をここでする。

まず、俺たちが最初にうべきなのは、問題の分野ごとに整理された問題集ではなく、「本試験の過去問が、本試験で出題されたとおりに掲載されている本」だ。

注意すべきは太字にしてある部分で、掲載されている問題は全て過去問からの抜粋なんだが、それが項目ごとに整理されているような本は買ってはいけない。理由は上で述べた通り。

そうではない「生のままの過去問」を本屋で買ってくるか、あるいは資格試験によってはWEB上で公開されている(証券アナリスト試験だと丁寧に解説までついてくる)ので、これを入手する。
そして、実際の本試験ではどんなレベルの問題が、どのくらい出ているのかを眺めながら確認し、そして、その過去問ができるように勉強をすすめる。
こうすることで、必要な知識を必要なだけ勉強できるってわけ。
出題確率が多い分野は自然と多く学習することになるし、レベル感もわかりやすい。「このくらい勉強すれば全体として合格点が取れるな」というのがわかるんだ。

 

ここまで、あんまり変わった事を言っているわけじゃないけど、世の中の人は意外なほど過去問を使っていない。
よくあるのが、実際の過去問は、試験直前期までとっておいて、最後の「力試し」として使うという人で、その力試しで全く歯がたたなかったらどうするんだろうとすごく思う。究極の非効率だ。
歯が立たないことがわかってから、受けに行っても落ちるだろうから、その時間の予定を変更してカラオケにでも行くんだろうか。

まず、実際の過去問をやり、そこで問題を解きながら学習していく。
冒頭でも書いたことの繰り返しになるが、これが最も言いたいことだ。


次回予告【参考書は精読しない】


過去問を基本にした勉強方法について述べてきたが、そこで俺たちは思う。
最初から過去問が解けたら苦労しねーよ、解説読んでもちんぷんかんぷんだぞこの野郎。


そこまで進んでから、やっと「参考書」の出番になる。
が、具体的な参考書の使い道については「第二回 参考書はちゃんと読まない」の更新で説明しようと思う。