新社会人さんたちに、これだけはおすすめ(2つだけ).

明日から新社会人として生活を始める人も多いだろうと思う。
ブログやツイッターを見ていても、新社会人たちよ、こういう時はこうしろ、こんな心構えでいるべし、みたいな発言をよく見かける。
俺達は後輩ができるととにかく説教がしたくなる生き物なのだ。


ただ、俺が思うに、ツイッターなどで見かける「処世訓」というのは、いろいろと「あれやれ」「これやれ」「それやるな」が多すぎる。

 

俺達はそんなに、いろいろやったり、やらなかったりできるもんじゃない。

「絶対こうするようにしよう」なんて言って、できることなんてせいぜい1つか2つだ。


このように、後輩に偉そうなアドバイスをする一方で他人のアドバイスにダメ出しするようになってきたらますますヤバい先輩の仲間入りだ

そこで,今回は俺が思う「これだけはやっといたほうがいい!」を2つだけ言う。

 

---(以下,世の中のハウツー本に関する注意点)---

 ところで,何らかのアドバイスを人にする時に、やるべきことをいくつもいくつもいくつも並べるような人や、「こうしろああしろ」みたいなことがぎっしり書かれたまとめサイトがあると思う。

「○○になるための10個のルール」みたいなハウツー本が本屋にいくといくらでも並んでいると思う。

ああいうのはあんまりアテにしないほうがいい。

その理由を言う。

まず一番は先ほどもいったように「俺たちはそんなにルールを覚えられないし,できっこない。せいぜい1つか2つ,天才で3つ」というもの。俺は何かのハウツー本を読んで「これがなんと,たった5つの基本ルールを守るだけで出来るんです!」とかいう記述を見ると「死ぬほど多いな!!!」って思う。

 

次の理由が,「それだけやってりゃ何か効果あんだろ」「結局何がどうなって効果が出たのかよくわからん」というものだ。

物事の原因と結果はかなり複雑で,そう簡単に「これしたんで,これできました」というのはわからん。例えば,マラソンで1位を取ろうとする人が,毎日走って練習するとして(まあそれはいい),それと同時に,毎朝必ず全裸になって皇居の方角にむかって「よろこびの舞い」とかいうものを披露していたとする。

そいつが書く「マラソンで優勝する5つのルール」の中には必ずそのよろこびの舞いが入っていることだろう!

そんで,世の中のハウツー本ってのはだいたいこれ。自分がたまたま成功したんで,自分の生活を全部肯定して「お前達もやれ」というようなもの。まあ一部は凄くよい方法なのかもしれないけれど,中にはこうした「よろこびの舞い」のようなものが入っているから,俺たちは慎重にならなくちゃいけない。

そのチェックポイントが,「ルールはだいたい1個か2個,あって3個」というもんだ。

だから,俺が信頼するアドバイスというのは「他の何もしなかったとしても、これだけはやれ」「これさえしておけば、とりあえず何とかなる」というような、すごく限定的だけど,でもすごく重要なことを言っているもの。

俺も誰かに何か、アドバイスする時はそうありたいといつも思っている。

 

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1.A4のメモ用紙を必ず机に置く。


「あーメモっすか,それ100万回は聞いたわ」と思うだろうけれど,やり方がある。

大丈夫、今からそれを教える。
会社に入ったらコピー用のA4用紙が置いてあると思う。

そこから10枚くらい引っこ抜いてきて、クリップで止める。それを机の上に置く。何か言われたら即座にそこにボールペンで書く! これだ! さあやるんだ!

 

人から何か、仕事の件で呼ばれたのに手ぶらのままなのは、RPGでいえばボスから攻撃されているのに剣も持たず棒立ちのまま立ちすくんでいるのとまるで変わらん行為と思っていい。

新人は全部の仕事を、とりあえず覚えながらやるしかないし、その仕事は1つだけじゃない。

しかも、自分の仕事じゃなくても、いったん引き受けて上司に伝達してやってもらう、みたいなこともある。やる前から言っておく、とても覚えられるもんじゃない!

 

言われた仕事をやって、その仕事が、50点だったとか、30点だったとか、そういう「点数が低い」というのは、新人だからということで基本的に大丈夫。点数は問題じゃない。

むしろ、最初に言ったが、俺たちはみんな一様に偉そうなアドバイスが好きなんで、そういう原石のような新人を見ると楽しくなってくるんだ。

だが、言われた仕事を忘れる、というのは、もう30点とか10点とか、0点とか、そういう点数とかつけられる世界の話じゃなくなっちゃう。
そもそも試験に出席しないようんなもんで、失う信用のケタが違いすぎる


頼まれた仕事を忘れるくらいなら0点で出すほうが1万倍くらいマシ。そのくらい「忘れる」というのは致命的な問題なんだ。

 

まずこれだけビビらせて、でも、大丈夫。
俺がどれだけ脳みその記憶容量がない人物なのかは、ちょっと昔に書いた物忘れの話を見てもらいたい。そんな奴でも社会人はしていける。
それがA4のメモ用紙を必ず机のうえに置くという方法だ。


俺は今でも、自分で買ったA4のバインダーにコピー用紙を挟んで、自分の机の上に置いてある。何か言われたら4秒以内にメモできるようにしてある。


新人だととくにいろんな仕事が舞い込んでくるから必要だと痛感する。

何か仕事のことで言われたらすぐにボールペンでその内容を書く。
そんで、書いたらその仕事をやって、やり終わったら二重線で消す。こんだけ。

いやほんと、これやるかやらないかで信頼ポイントかなり違ってくるぞ。仕事頼んでる側としても目の前でいろいろ書き込みしてあるメモ用紙にメモしてもらったら印象がいい。

このメモ用紙は、もちろん、複数の仕事を頼まれたときに威力を発揮する。
俺達は、複数仕事を頼まれたら、とりあえずその場で固まるようにできている。

というのも、「え、どっち先にやろう!」問題が頭の中で起こるから。
そこで、両方の仕事をメモ用紙に書くと、意外と冷静に優先順位付けができる。俯瞰して見られるようになるんだな。それをそのまま直属の先輩に見せて、どっち先にやったらいいですかねと相談したっていい(重要なことだが誰も言わないことをひとつ。その質問に冷たく返す先輩には以後質問しなくていい。質問は優しくて頭のいい人意外にする理由がない。)。

 

この方法に関して「手帳じゃだめ?」「パソコンのテキストファイルじゃだめ?」という質問がされる。

まず、「手帳じゃだめ?」に関して。絶対やめておけ。
というのも、手帳というのはその名のとおり本の形状になっている。本というのは閉じられる。閉じると中が見られなくなる。そうするとどうなるかわかるよな? 

俺達は、忘れないように何かをメモした、ということを忘れてしまうんだ!!!
だから、手帳に書くなら、忘れたときに思い出すため、たまに見ればいいこと(会社のシステムへのログインパスワードとか、得意先の電話番号とか)だけを書くべき。頼まれた仕事を手帳に書くのはあんまりオススメしない。というかやめておいたほうがいい。

 

それから「パソコンのテキストファイルじゃだめ?」に関して、限定的にオススメ、だけど基本紙のほうが優れている。

限定的にオススメの限定とは、唯一「電話を取った時、その内容をメモする」時にだけってこと。電話をとって話を聞いている時、意外と(特に慣れないうちは)、聞きながら文字を書くということの難しさを痛感するはず。だけど、俺たちオタクどもは、何か作業しながらでもタイピングは素早くできる(そうじゃない人ももちろんいるだろうけど)。
だから電話メモはいったんタイピングして、言われたことそのまんまテキストファイルに書いていくのがいい(推敲はその後でのんびりやる)。


ただ、普段の仕事メモもテキストファイルに書いていくのはオススメしない。理由は手帳のところでも話したけど、テキストファイルもファイルをダブルクリックして開かないかぎり中身が見られん、ということはやっぱり、開くまで自分が何かメモしたことも忘れてるということに気が付かない!

 

メモをとれ、という古臭いアドバイスは誰もがするだろうが、俺のような脳みそがポンコツなやつにできる特別なアドバイスとしては、そのメモは嫌でも目につくところに置かないとまるで意味がないぞ、ということだ。

 

さらに、さらに言うなら、そのメモ用紙はA4のコピー用紙がいい。たまに、すごく紙質のいい、とても高価なノートなりメモ帳を使っている人がいるけれど、これは基本的にダメ。
なぜか?理由は以下の通り。
メモはとにかくたくさんとるもので、どんなことでもサっと書くのをクセにすると理想的だ。

ところが、高価な紙だと、ちょっとどうでも良さそうなことは書くのに躊躇するんだよな!「そんなくだらないことを書いて、こんな高い紙を汚すのもなあ」みたいな。
その結果、メモをとるという習慣そのものが無くなる。

だから、メモ帳にするのはもっともどうでも良さそうな紙、つまり毎日コピーに使っているようなA4の紙がベストなんだ。場合によっては会社のコピー機からタダで持ってこられるし。

 

2.好感度ポイントをためて、気に入られる。

オタクどもに一つ言うと、会社というのは実力を競い合うスポーツゲームじゃなくて、どっちかというと好感度ポイントをためて気に入られる恋愛ゲームだということだ。

 

あくまで俺の身の回りの経験談だけど、「俺は馴れ合いはしない。仕事の質で勝負するんだ」という奴から順番に心を壊して辞めていっている。

まず、この考えの無茶なところは、新人は基本的に仕事のクオリティで勝負ができないということと、嫌われていると仕事の評価自体も簡単に歪められるということだ。
つまり好きな人の仕事はよく見えるし、嫌いな人の仕事は粗捜しがしたくなる(そして、必ずある)。

 

これを「すごくくだらない日本的(世界中にあるだろうけど)風習」だとして冷ややかな目で見るのはすごく簡単なことだと思う。
が、それでどうする? そんなくそみたいな風習の無いところに就職し直すんだろうか。それしたやつは凄くガッツがあると思う。でも、それに対して、俺達はせいぜいツイッターでグチを言うことしかできないじゃないか。中途半端にやったりやらないよりは、徹底したほうが人生楽しいぞ。

うん、俺達はもっと楽に生きる方法を探した方がいい。そして、それは、案外できる。俺達は、俺達が思っているように、やろうと思ったらできるから大丈夫なんだ。安心するんだ。

 

接する時に、ちょっと礼儀正しくするだけだ。何か言われたらその人の方を向くんだ。
言われたことはくだらない事でも机の上においてあるメモ帳に書く(そんなものは後ですぐ捨てていい)、仕事を頼まれたら他に用事があってもとりあえず5分だけやってあげる、など、この辺がポイントの稼ぎどころ。

 

とりあえず仕事のクオリティを考える前に、まるで恋愛ゲームをしているかのように「どの選択肢を選んだら好感度ポイントがあがるかなあ」といったん考えて、そのとおりやろう。いやその通りやらなくてもいいから、とりあえず好感度たまるにはどうしたらいいかなっていったん考えるとその後が変わってくる。


それは何も、自分の心を潰せとか、そういう話じゃない。

俺達はわざわざ、会社という集団生活を選んできているんだ。自分でわざわざ集団に属する決意をしたんだ。だったら、生きていくために集団に気に入られたほうがいい、というだけの話だと、俺は思う。

 

そして、嫌な飲み会にも、せっかく誘われたら基本行ったほうがいい。誘われるということは好感度ポイントが一定以上ある場合だけだ。悪いようにはされないから大丈夫。


幸い、俺はお酒が大好きだから、会社の飲み会の誘いのメールが来ると「連絡が来るのをお待ちしていました」とか言って返している。
が、酒が飲めないとこれがキツい。ツイッターでよく見る会社の愚痴も基本この飲み会だ。お金ももったいない。


でも、とりあえず、最初の方は仕方なく行ったほうが絶対いい。
長期的目線で必ず仕事面でプラスになって返ってくる(馴れ合いという形で)。

普段なら通らない仕事も不思議ととおるようになってくる。集団というのはそういうもので、そう、俺達は自ら集団で暮らそうと思ってここに入ったんじゃないか!何を今更!

 

だけど、その時に頑張ってお酒を飲まないようにした方がいい。

最初の一杯からウーロン茶でいい(これは職場によるかも)。
「え、ウーロン茶なの?」ってちょっと怪訝そうな感じで言われたら怖いよな。が、そういう時にはこう言おう「少し前に無理してビール飲んで、吐いてお店に凄く迷惑かけたことがあります」。

とにかく「飲んだら吐いた」と言えば、可哀想、と思う前に「俺がそれに巻き込まれたくない」と思うんで、なかなか勧めづらい。吐いた、ではなくて「戻した」というとリアリティがあってなおよい。

 

そこで、「酒も飲めないくせに何で来た?」とか言い出す先輩だったら、それは何というか、試練だよね。

そこで「いや、飲めないけど先輩とご飯食べたかったから」というセリフを言うと逆転ホームランなんだけど、なかなかその雰囲気じゃ無理というもの。「まあそうっすよね・・・すんません」ってところだろう。まあ可哀想に。

 

でもだいたい、今時大丈夫。

あなたには「飲み会に誘ったらちゃんと来た」という事実が残り、その一方で徐々に誘われなくなる。
まずいのが最初から頑なに断ってしまうことと、中途半端に飲んでしまって「こいつ無理言えば酒飲むじゃん」って思われてしまうこと。

 

最初についた印象を覆すのは本当に苦労する。それに失敗して、部署異動を指折り待つ人が、社会人10年過ぎた人でもいる。
最初が大事だ。
逆に言うと、最初以外はそんなに大事じゃない。
A4のメモ帳を机に置いて、何か仕事のことでいわれたらすぐ書こう。
好感度ポイントを貯めよう(あとで必ずキャッシュバックがある。俺を信じろ)。


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2つだけ、といいつつ、3つ目のアドバイスを最後に言うと、ツイッターとかでよく「ちゃんと眠れ」というのを見かけるけど、物理的に無理な人かなりいると思う、よくないアドバイスだ。
そこで「よく眠れ」ではなくて「起きる時間を一定にすべき」とアドバイスしたい。

自律神経は、起床した時間に合わせて調整される。寝る時間ではない!
だから、寝る時間が23時だろうと午前2時だろうと3時だろうと、バラバラだったとしてもそんなに急には身体は崩れない。
まずいのは、起きる時間が6時半だの7時半だの10時だのってバラバラになること。これがよくない。
いちばん身体を崩しやすいのは、社会人で、普段は6時半に起きているけれど、休日に寝だめしようとか言って10時過ぎとかに起床している人。絶対やめたほうがいい。
みんなは休日も、せめて普段の2時間以内には起きるようにした方がいい。朝10時に起きるくらいなら、朝ちゃんと7時に目覚めて、午後に3時間くらい昼寝したほうがましだ。