チャリの鍵なくした

本日は題名のとおり、チャリンコの鍵を紛失したというテーマに沿ってお話をさせていただこうかと思います。 

目次は以下のとおりです。

 

  


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チャリの鍵なくした。

この「チャリの鍵なくした」というのは、このブログの著者のように一般人よりもやや物忘れが多いタイプの人間の業界(これを「忘れ物クラブ」といいます)で、ほぼ日常的にかわされる気軽な挨拶のうちの一つです。

 

たとえば朝起きて、ランドセルを背負って学校へ向かう途中、同級生とばったり出会うとしますね。
「おはよう」「おはよ。チャリの鍵なくした

しばしばこのように「髪切った?」くらいの感覚で「チャリの鍵なくした」は用いられます。太陽が東から登り、潮が満ちては引いていく。そのくらい自然なこととして、彼らはチャリの鍵を無くすのです。

 

もっとも、忘れ物クラブというだけあって、無くすのはチャリの鍵だけに限られません。
朝起きてから延々と、靴下やら定期券やら「アレがない、コレがない」と繰り返すうちにもう家を出る時刻となります。読者の中には、そうしたドタバタに心当たりのある人もいるのではないでしょうか。そう、あなたもまた忘れ物クラブの会員なのです。ようこそ忘却の世界へ。

 

必要なものをあらかじめ準備しておかなかった自分が悪いにも関わらず、忘れ物クラブというのはだらしない人間の集まりなので、基本的に反省をしません。反省をしないどころか、これらを全部棚にあげたうえで「俺のチャリの鍵ないんだけど母ちゃんどこやった?!」などと全く無関係の親を責めたてる始末です。

 

親というのは偉いものですから、家の家事全般を司っています。毎日の夕飯を作り、しばしば洗濯をし、このようにデキの悪い子どもたちを学校へ送り出すものです。
従って、チャリの鍵がどこへ消えたかについても当然に知っているだろう、というのが彼らなりの一級の理屈なんだそうです。

もっとも、この一級の理屈が単なる悪質な責任転嫁に過ぎないことを、彼らはずっと大人になってから知ることとなります。ヘタをすると、働き始めて一人暮らしをしてからようやく「チャリの鍵がなくなったのって、他の誰でもない俺のせいだったんだ」などと気がつくことになることでしょう。

 

それにもかかわらず、上記したように忘れ物クラブの会員はズボラですから、たとえ親から「なんで毎日決まったところに置かないの??」などと全く正当な指摘をされても耳を貸すことは決してありません。実に愚かなものです。

そしてこのろくでなしどもは、20歳も過ぎて一人暮らしをしてからようやく「なんで俺って毎日決まったところに置かないんだろう?」などと自分の間抜けさ加減を呪うことで、そのツケを払うことになるのです。

 

皆さん、ティーンエイジャーの今はそう思わないかもしれませんが、親の言うことはそれなりに正しいから、なるべくそのとおりにしておい方がいいですよ。

そんな時に「あーはいはい。あーわかったわかった」などというとても愚かな態度をとりつづけた人間の末路は、おおむね以下のように哀れなものとなることでしょう。


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チャリの鍵なくした。

 

今度という今度はマジのマジで無くなった。

 

家にある全て引き出しを開け、あらゆる小物入れを覗きこみ、いかなる服のポケットを裏っ返しにして探したものの一切出てこないんだわこれが。

こうなるともう神隠しか? でもどうして神はチャリの鍵にそんなことを? この俺にいったい何の試練を与えようとしてるんだ?

 

とりあえず、チャリは駐輪場に止めてある。
ということは、その鍵はしっかりと持ち帰ってきているわけで、つまりこの部屋の中にあるはず。

が、全く見つからん! なんで!!

昨晩から使った記憶もない。夜のうちにどこかへ消えたんだ。

ルパン三世のような怪盗が夜中に忍び込み、チャリの鍵だけを持ち去ったとしか考えられない。でもどうしてルパン三世はそんなことを? 不二子ちゃんにやるほど良いチャリじゃねーぞ?

 

ところでこういう時に決まって言われるのが「最後にいつ使って、どこへ置いたのか思い出せないの?」などという意味不明の問いだ。

それがまさに1ミリも思い出せないからこそ今こうして家中を逆さに振って探してんだ!

 

こうなるともうお手上げだから、もはや「1チャリ」たりとも漕ぐこと叶わないそのチャリ(だった鉄の置物)を、無様にもチャリ屋までよいしょよいしょと担いでいき、チャリ屋の工具などを使ってこじ開けてもらうことになる。


もちろん、その手数料を支払い、新しい鍵も買って帰る。これが物忘れの代償だ。
そして、俺たちはこうしたことを生まれてこのかた10回くらいは繰り返している。

そろそろこの忘れ物クラブの病気の深刻さが伝わってきたことだろう。

 

が、今回はチャリ屋でこじ開けてもらうわけにいかないんだ!
その理由は、俺が今のマンションへ引っ越してきた後で、以下のような出来事があったからだ。

 

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俺が今の賃貸マンションに引っ越してきたのは1年半ほど前になるが、ここの駐輪スペースは入居者ごとの区分けが特に無く、広い駐輪スペースのどこへ止めたって良いというシステムとなっている。


ただし、屋根があるスペースはそのうちの1画だけなので、当然みんながそこへ止める。
俺も基本的には屋根のあるスペースへ駐輪していた。

 

が、ある時、駐輪場に来てみると、俺のチャリだけが屋根の無いスペースへ勝手に移動されている! きちんと「住人シール」も貼っているというのに!

 

マナーの悪い他の入居者が、自分のチャリを置くために移動させたんだろか。
そう思って、俺は自分のチャリをまた屋根のあるスペースへ移動しておくと・・・・次の日、またまたチャリが移動されている!

しかも屋根のあるスペースにはまだ空きがあるというのに! 

 

「戦争だ。」

直感的に俺はそう思ったのでした。
新たに引っ越してきた者を歓迎しない住人による嫌がらせだとしか思えない。

 

嫌がらせでなくとも、こうして勝手に移動されるということは、いつかは勝手に持ち去られてしまう可能性だってある。
俺は、こうした悪質なマナー違反には決して屈しないしないと決めているから、早速以下のとおり自転車を勝手に移動されないための対抗策を検討することとした。

 


1.ゴルフクラブを持って駐輪場の影に見を潜ませる方法

 

方法としては単純で、おそらく犯行時刻と思われる深夜を通じて駐輪場の影にずっと待ち伏せる。

そうとは知らず、のこのこチャリを動かしにやってきた犯人を見つけ次第「何してんだーー!!」と飛び出していって、気が済むまで7番アイアンでひっぱたいてやるというのがこの方法だ。


これは、俺の父親が「これはまだ父ちゃんが大学生だった頃の話なんだが、バイクを連続で盗まれた時があって、さすがに頭にきて野球バットを持って近くの茂みに2晩ほど身を潜めて見張っていたんだ」という話をよく子どもたち(俺と妹)に言って聞かせることがあって、その時は兄妹そろって「いや警察呼べよ」などと思ったものだが、ガキの考えというのは浅はかなもので、「チャリが勝手に移動される」という警察が介入出来ない問題(グレーゾーン犯罪)に対処するには、こうした直接行動しかないのだ。

が、季節は11月と寒いし、たかがチャリのことでゴルフクラブを振り回せば、その後の裁判で被告人として出廷することになるのはどっちか分からない。よって却下。(父のその作戦がもし成功していたら彼も今ごろ前科者だっただろうと思う。)

 


2.監視カメラを設置して犯行現場を録画する方法

これは、監視カメラ1台の価格がチャリを上回っていたので却下(盗ませたほうが安上がりってことだ)。あと、たとえ犯人の顔がわかったとしても、上記したとおり何かの犯罪でもないんだから何もできん。


3.チャリに大量のうるしを塗っておき、犯人が動かす時に嫌な思いをさせる方法
これは結構良い線まで行った。
でもうるしってその辺のスーパーオオゼキとかで売られてないのな!

あと自分が乗る時もテンションが下がるんで泣く泣く却下した。


4.頑丈なワイヤーロックで駐輪場の柱にがんじがらめにする方法

で、結局これやっちゃったんですよね。


駐輪場の屋根があるスペースには、その屋根を支えるための柱が何本か生えているから、そこへワイヤーロックなどを使うことによってチャリを固定させることができるんだ。そうすれば、どうしたってそこからチャリを移動させられない。

これに気がついた時、わたしはチャリを漕ぎながら「やった」と一人呟いたものです。

 

そしてそのチャリで俺はすぐにドンキへ飛び込み(どんなにテンションが高くても店内に入るときはチャリから降りた方が安全だ)、その店で最もぶっとくて頑丈そうなワイヤーを購入したうえ、その晩のうちにチャリを柱にがんじがらめにしてやった!

 

どうだ! 何の権利か知らんが、俺のチャリを勝手に動かす悪質なマナー違反者も、さすがにこれでは手が出せないだろう! わっはっは! これにて一件落着!(※なお、個人のチャリを共用マンションの柱にがんじがらめにすることの権利について、ここでは一切検討していない)。

 

そして実際にこのワイヤーロック作戦の効果はバツグンで、それからというもの俺のチャリは二度と移動されることなく(だって俺のチャリの鍵がないとワイヤーロックが外せないんだからな!!)、安心のマンション生活を送ることができたのじゃった。

めでたしめでたし。


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チャリの鍵なくした。

 

いやー、さすがにこれにはまいりましたね。
だってアレですもん、柱にがんじがらめだもの。


もう何があってもチャリが移動されないようにと、工夫と憎悪を込めて柱にぐるぐる巻きにしとったもんじゃから、もうぴくりとも動かせんのじゃ。

 

そうなると「チャリ屋まで持っていって鍵をぶっ壊してもらう」というのもできん。

なぜならチャリを持っていこうとすれば、一緒に駐輪スペースの屋根ごと背負っていくという哀れなヤドカリのようなことをするしかないからだ。


もはやこうなると、このチャリがある限り俺は責任をもってこのマンションが老朽化し解体されるその日までここに住み続けなければいけないことになる。

あるいは前向きに考えると、このマンションだって何もない駐輪場の柱に突然かっこいい赤色のチャリが付属されることになるので、更に資産価値が上がるかもしれないから「しーらないw」つって引っ越しても別にいいかもしんない(こうしたことを法的には不法投棄というんだそうだ)。

 
紛失した鍵について、上記したように家の中は探し尽くした。
洗濯機の中はもちろん、テーブルの下や、トイレの水タンクを覗き込むようなことも数万回はやった(突然俺の頭がおかしくなってそんなところへ投げ込んだかもしれない)。
だから今後、チャリの鍵が家のどこかから発見されるといったようなことは無いだろう。

マジでどうしよう?

 

以上のようなことを友人に相談してみると「なんだ、またそんな事で困ってるのか」と。

俺のことをさぞだらしない人間だと思ってお説教でもされるのかと思ったら、「そんなのはワイヤーカッターでいくらでも切断できる。ガソリンスタンドに持っていくとバイク用の立派なカッターを貸してくれるから、それだと間違いない」。間違いなくこの人相当これまでにチャリの鍵無くしてきてるぞ。

このように、忘れ物クラブの会員は、そもそも物を無くさないようにしようという努力はちっともしないくせに、忘れ物をした場合の対処法についてはやたら詳しい場合がある。


もっとも、チャリをガソリンスタンドに持ち込むというのは、今回のチャリが置かれている状況(柱にがんじがらめ)からいって不可。従って、わざわざホームセンターなどに足を運び、2,000円くらい出してワイヤーカッターを買わないといけないということになる。うわ〜めんどくせ~。

面倒臭いし、値段も高いうえ、ワイヤーカッターなんか買ったってこの先チャリを救出する以外の使いみちが全く思いつかん。生まれてこのかた、30年間で一度も「うわ~❢ いまこの時にワイヤーカッターがあればないいのに~❢」みたいなことってないでしょ。

みんなにはありますか? 好きな人とデートして、ちょっと会話が途切れちゃって気まずい雰囲気だな~、何か話題があればな~~~あ~~~こういう時にワイヤーカッターあればな~~みたいなのないでしょ?

 

「金太郎アメ切る時くらいには使えるかな?  この20年間くらいで金太郎アメなんざ1個も食ったことないけど」などと先の友人に改めて相談していると、そんなもんダイソーで売られてるので十分だから安心して買ってこいとのこと。

100均のでもいいの?! ありがとう、なぜか不思議と自転車のワイヤー切ることに詳しい人!

 

というわけでダイソーの200円カッター(商品名はケーブルカッター)を買ってきた。

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そんで切断した。

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ちなみに、これから同じくワイヤーを切ろうって思っている忘れ物クラブの同士に伝えておくと、まず、ワイヤーを切る前に外側のゴムを普通のハサミとかで切っておいたほうがいい(じゃないとワイヤーカッターで挟めない)。

それから一度でパチンと綺麗に切れるわけじゃない。根気が必要だ。ケーブルの細い繊維を少しずつ切っていくようにして地道にグイグイ切っては、ネジネジと捻っていくしかない。これが割と面倒くさかった・・・(とはいえダイソーのカッターでも大丈夫だった)。 

 


はー、人のチャリを柱に縛り付けるなんて本当に酷いことをするヤツもいたもんだ。

しかし裏を返せば、このように100均のワイヤーカッターごときでいとも簡単にワイヤーを切断できるということは、世の中にあるワイヤーロックなんて気休めのようなもんだな。歩き疲れた酔っぱらいに盗まれるのを防げるくらいのシロモノなんだ。

 

このように、意図せずワイヤーロックの弱さに気がついた俺は急に怖くなってきたので、次は鋼鉄製の絶対に切れない頑丈な錠前でしっかりと賃貸マンションの柱に縛り付けておこうと思ったのであった。

 

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さて、これでチャリの鍵の件は解決したんだが、忘れ物クラブの俺にはこれとは別の問題が大きく頭をもたげている。

 

それは、チャリの鍵のみならず、家の鍵も今年に入ってから既に2本ほど無くしており、あらかじめ作っておいたスペアキーがもはや最後の1つとなってしまったことだ。

今回の一件で家の鍵の保管についても怖くなった俺は、すぐにその鍵専用の保管箱を・・・作ることなく、スペアキーを作りに救出したばかりのチャリを漕いでいったのであった。

 

というか、以前にどこかで落とした家の鍵を拾ったヤツが、勝手にうちに上がり込んでチャリの鍵だけ持っていったというのはないだろうか。でもどうしてそいつはそんなことを?

 

 

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(弾いてみた)君の名は。「かたわれ時」

 

レッスンの先生に簡単な楽譜を選んでもらった。

 

ピアノソロ やさしく弾ける 『君の名は。』 music by RADWIMPS

ピアノソロ やさしく弾ける 『君の名は。』 music by RADWIMPS

 

 

ピアノ始めて1年から2年くらいの人向けという感じで、すぐ弾ける。

 

ホントは夢燈籠を弾いてアップしたかったけど…ちょっとだけ時間かかりそうなので先に「かたわれ時」を弾いてみた。

野田洋次郎って作曲もしていてホントすごいと思う。

 りすんいんぶらうざーでそのまま聴けます。

 

 

 

めっちゃカヤックやりたかった人の話(宮古島いってきた)

めんそ~れ~たむ!

前回の記事にも書いたように、宮古島へ行ってきたので土産話でも簡単に書こうと思う。

 

宮古島は2月下旬にも関わらず毎日がとてもとても良い天気で・・・良い天気すぎて気温が27度もあったしめちゃくちゃ日焼けした。

ありがたいことです。

 

 念のためにと思って長ズボンやパーカーを持っていったものの、それらの出番は全くなく、現地の人からは完全に「あのバカここが何古島か知ってんのか? 江ノ島じゃねーぞ?」という目で見られていたのだった。

 

…とは言え、冬の沖縄旅行にはどうしてもそういう厚着を持っていかざるを得ないんだな。

というのも、沖縄では全く不要になるそれら衣類も、家から空港までの道のりで僕らが凍死しないために必要となるからだ。現在地とはまるで気候が違う場所へ旅行するような場合に、みなさんもこうした経験があるだろう。

そこで俺は、単に空港まで着ていくだけの厚着が旅行中の荷物にならない新しい方法を考えついた。やや複雑だが手順は以下の通り。まず、羽田についたらその辺の警備員っぽい人にパーカーをそっと着せてあげる。そして旅行から帰ってきたらやはりそっとそのパーカーを回収する。手順としては以上だ。
こうすることで警備員は温かい! 俺たちは荷物にならない! このご時世にこれほど綺麗なウィン・ウィンの関係ってそうはないぞ。


というかそういうサービスを誰かやったらいい。旅行中に羽田で代わりにずっとパーカー着ててくれてる人みたいな。別にずっと着とらんでいいわ。

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上記したように沖縄は季節外れと言っても良いくらい暑かったんだが、南から吹き付ける風はそれなりに強くて、旅行中に予約していた「カヤックで行く0泊8日 マレーシア沖への大麻密輸ツアー」が開催されるのかどうかがとても不安だった。

 

で、不安は的中する。朝イチで業者から「今日は風が強いので中止します」との連絡。

残念だったけど、まあ今回は4日間も滞在する予定だから、そのどこかで出来ればいいので、明日もまた連絡ください! カヤックできるまで僕ら、宮古島にいますから! などとどんだけカヤック乗りたい客なんだみたいな返事をしておいた。


はいはい、カヤックは今回の旅行のメインイベントとして企画したものだから、粘ってでもなんとかやりたいんだ。僕らが運んでくる大麻を待ち望んでいるシンジケートの皆さんもクビを長くして待っていることだしな。

 

で、そのカヤックが中止になったこの日は、車でちょっと行ったところにある美しい砂浜で、主にヤドカリをつんつんして遊んだ。宮古島はどこへ行ってもポストカードのような写真が撮れる本当に素敵な島だ(最後にまとめて写真を掲載する)。


海の思い出といえば千葉の九十九里の砂浜に這いつくばって無心にバケツいっぱいのアサリを掘って帰ってそれから2週間くらいアサリのお味噌汁が続いた記憶しかない俺にとって、これまで見たことのない景色にただただ息を呑むばかり!

海もキレイなら、浜辺に流れ着く貝とかもオシャレな形していて、ちょっとした小物入れのよう。 決して味噌汁の具みたいなやつなどではない。

 

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そんで次の日。
昨日に比べると風も穏やかで、ホテルの窓から海を眺めると、これまで見なかった小さな船がぷかぷか浮いている。

この天気ならカヤックできるでしょ!


というわけで水着に着替え、嬉しそうに大麻草を小脇にかかえてホテルから出たところで「すみません今日も風がつよくてできません」の連絡。そんな~!!これでもだめか〜。

 

なので、仕方なく、この日は車でちょっと行ったところにある美しい砂浜で、主にヤドカリをつんつんして遊んだ。宮古島はどこへ行ってもポストカードのような・・・ってカヤックできん限りずっとこんな毎日じゃねーか!
というかこんな穏やかな天気でカヤックが出せないなら、もう室内プールとかでしかカヤックできなくないか?!最悪それでもいいぞ?!

 

とは言え、出来ないものをいくら嘆いても仕方ないし、せっかくの旅行なんで前向きにいこうと思い、この日は最近出来た伊良部大橋をランニングするなどして過ごした。
この橋から見える景色は素晴らしく、また、宮古島ラソンのコースとしても指定されていることから、普段からマラソンランナーが耐えない橋となっているんだ。

 

が、この橋って、車道と歩道の仕切りとか無いのな! ここから歩道ですよっていう色はついているけれど、柵なんかない。


なので、常に橋の上に吹き荒れる強風に煽られて道を外してしまうと、隣をひっきりなしに走るトラックの下敷きになってつま先から頭までペラッペラになってしまう。
こんなの今日の風だと危険ですと中止されたカヤックの100倍以上は間違いなく危険だろうと思う。これから走ろうって人は天気に気をつけてね。

 

それから東洋一の砂浜だとかいう与那覇前浜(よなはまえはま)へ行った。
この世のものとは思えないくらい美しい海の色だ(グラデーションがすごい)。これを北○鮮で見たら、国威発揚のために将軍様の指示で海に絵の具流したんじゃないかって絶対思うくらいのグラデーションぶり。海って不思議だな~すごいな~。


宮古島の観光スポットを調べるとたくさんのビーチが出てきて目移りしてしまうけど、ここさえ行っておけばいいんじゃないかなと思うぞ! な! 金○恩!

 

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次の日・・・カヤックが出来るならこの日が最後だったんだけど、昨日とあんまり変わらない感じの天気だったので期待せずにいると、案の定「今日もできません」の連絡。


俺は思う。カヤックって一体いつならできんだ? 

本当にちょっとした風の状態に左右されるようなので、これから予定を立てるという人は「ダメ元」で予約しておき、そのかわりの予定を立てておいたほうがいい。さもなきゃ毎日ヤドカリつんつんするしかねーぞ。
カヤックは出来ればラッキーみたいに思っておくこと(季節にもよるんだろうけれど)。

 

そんで、さすがに東洋一のヤドカリの上をランニングするのにも飽きたから(なんかいろいろ混じってる)、この日は東平安名崎(ひがしへんなざき)の灯台までドライブした。

いや~灯台とか別に興味ないな~、俺、船じゃないし、などと思ってたけどこのドライブが本当に良かった。

オフシーズンで他に車もいない中、絶景の中を愛車(ただしレンタカー:トヨタヴィッツ:一番安いやつ:ベリベリ財布:瞬足:コーナーで差をつけろ)でビュンビュン走れる。

左右はとても美しい海、目の前には緑の山肌に真っ直ぐな道が伸びる。この道のりだけを延々と走ってるだけでも良い思い出になるだろうと思った。

ただしちょっと道を外れてしまうとたちまち100メートルくらい下の海へ急降下するような道路になっているから、運転に自信の無い人はあらかじめカッパを着ておくなど対策しておくと良いだろう。

 

ちなみに灯台周辺も整備されていたし、トイレもある。崖っぷちまで行けば、これまのビーチで見てきたような海とは違い、断崖へ荒く打ち付けるような波も見られてとても良かった。

まあ、こんなにも荒く打ち付けてるような波だったら、さすがにカヤックも出せないよね~。

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そんな感じでぶらぶらしているとカヤック屋から電話がきて「やっぱり今日カヤック出せます」とのこと。こんなにも荒く打ち付けてるのに?

 

ラッキー! と思ったけど「せっかく旅行で来たのに3日連続でダメになったらあまりに可哀想だから(生きて帰れる確率7~10%くらいだけど、冥土の)話の土産になるように船出してやるか笑」みたいなのだったらどうしよう? などと疑問に思った俺は、さっそく水着に着替えて船に乗り込んだ!

 

浅瀬へ浮かべたカヤックを動かしてみると、オールを漕ぐ腕の力はそれなりに必要なものの、船の操作自体は単純で、初体験でもすいすい進む。これなら2時間くらいでインド洋まで行けそうな感じがしてきた。

 

あと、転覆しないかぎり、そんなに濡れない(ディズニーのスプラッシュマウンテンのほうが100倍は濡れる)。
だから日焼け止めバッチリで乗っても全然大丈夫・・・と思っていたんだが、俺は日焼け止めを顔に塗ることばっかり意識していたかげで、手と足に塗るのをすっかり忘れてた!
おかげで帰ってくる頃には両足がやけどしたみたいに真っ赤になっていたから、皆さんはもう、まるでボディエステのオイルマッサージコースに行ったかごとく全身に日焼け止め塗るようにしてもらいたい。 
お湯が痛くて満足に風呂も入れやしないし、一人だけ季節外れの日焼けボディ見られて休暇明けの会社でかなり気まずいぞ!「よっぽどお楽しみだったんですねえ(^^)」とか言われちゃうからな!

 

で、あんまり調子に乗ってどんぶらこっこしていると、思ったよりスピードが出ちゃって、他のカヤック参加者の船に何度も激突するんで注意な。
注意な、っていうか、俺はどういうわけかカヤック初体験同士の老夫婦が乗るカヤックの横脇に3回くらい突き刺さったりしていて、多分向こうにとっては俺のことを同じツアー参加者っていうより宮古島固有の海賊だと思ったことだろう。すまんわざとじゃないんだ!

 

そんなこんなでカヤックの操作にも慣れてきた御一行は、それに乗って入れる鍾乳洞も見学(神様を祀ってあるパワースポットなんだって~)。この時ばかりは愛用のオールを置いて手を合わせたのだった。
1週間前から沖縄の天気予報を見るたびに雨マークで憂鬱な気持ちだったけれど、実際来てみたら旅行中ずっと晴天。おかげでこうしてお参りできましたありがとう。

 

みんなも旅行となると天気予報が気になるところだろうけれど、こと沖縄の天気に限っていえば「予報なんてあって無いようなもの」なので、そんなに気にしないでいいぞ。
また、たとえ雨が降ったとしてもその30分後にはめっちゃ晴れていたりするんで大丈夫。

だからあんまり厚着も持っていかなくていいぞ! 羽田でパーカー着て待っててくれる人とか本当はいないからな!

 

以下写真。

 

 

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橋の上を走った。往復7キロ。

 

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那覇前浜ビーチ

美しいし、ヤドカリもたくさんいた。海の温度も高くて海水浴をしている人もかなりいた。

ちなみにカメラ構えてるのはアテクシです。

 

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ドライブの道のり。

どこでもポストカードになりそうなほど美しい景色だ。

 

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水平線に沈む夕日も実に綺麗だった。


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これら写真を現像したものをポストカードだとか言って地元の駅前で1枚150円で売ろうと思う。

 

宮古島の海を見ながら沖縄の基地について素朴に感じたこと。

こんにちは。
僕は今宮古島へ来ている。

 

初日にレンタカーを借りて、早速島の中をドライブしていると(端から端まで行っても30分くらいで済む)、やたら目につくのが、2月24日の県民投票の登り。
道路の50メートル置きくらいにバンバンある。

 

何の県民投票が行われるかというと、米軍基地の移設に関したものだ。
読者はきっと知らんだろうが言っておくと、日本はこの前の戦争に負けたときから今日まで政治的・経済的・軍事的に米軍の占領下にあるから、当然のように各地に米軍の基地がある。
その中でもとくに沖縄に存在する基地が問題になっている。
かいつまんで言えば、普天間(ふてんま)ってところの米軍基地は市街地の超ド真ん中、小学校や住宅の近くにあって、騒音や安全性の面からとても問題がある。だから、その基地を同じ沖縄の辺野古(へのこ)ってところに移動しましょうよ、という話になっている。

 

だけど、
普天間を移設する先がそもそも沖縄県内を前提としているのがおかしい
辺野古の基地を作るため、貴重なサンゴ礁を埋め立てる必要がある
・そもそも辺野古に移したって、普天間が日本に返還されるかどうかわからない

などといった理由で、沖縄県では昔っから反対運動がある(というか自分たちにメリットないんだし反対するよね)。

 

でも、20年くらい前に、辺野古に移動しますって政府が決めて、それに反発する沖縄県と裁判になったりもしたんだが(国が勝訴)、いまだに県民投票が行われたりして問題が収まる気配がない。

 

俺は関東在住で、こうした問題はいつもテレビの向こう側の世界の話だったから、正直言って「普天間よりマシなんだから辺野古でいいんじゃね」くらいに思っていたけれど・・・こうして南国の穏やかな風に包まれ・・・・透き通るブルーの海でヤドカリと(一方的に)遊び・・・無限につづくサトウキビ畑の間を歩いていると・・・寄りにも寄って、こんな風景をぶっ壊してまで新しい基地を作るのかなあと思えてくるよ(宮古島は関係ないんだけど)。

 

例えば、米軍内の編成を変更したりして、普天間から騒音と危険の原因となっている航空機を除去するとか、そういう方面にできんのだろうか。
ここへ来たら誰だって「サンゴは生きているんだ!!!!」なんて言って米軍基地がイヤになると思うよ(米軍基地大好きって人そもそもいないだろうけど・・・)。それくらい素晴らしい風景に感動して言葉もない。

 

どっちに転ぶにしても今後の政治の行方は注目していかないとなあと、ヤドカリの貝殻をつんつんしながら素朴に思った。
あいつら、その貝の中にいるってもうバレてるのにツンツンすると「シュッ」て隠れるんだぞ、可愛いなあ・・・一生ツンツンしていられる・・・(可哀想だからやめろ)。

 

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そんで、こういう問題は、基地だけに限らず、新しいリゾートを作ったり、空港を増築しようとしたりするときに必ず持ち上がる。まさに俺もその那覇空港を利用してここまでやってきた。
観光の最中で案内された鍾乳洞では、何万年もかけてできあがった鍾乳石が、観光地になったとたんあっという間に折られて持ち去られたという話もされた。

そういうことを色々考えていったら、なんか最後には「ニンゲン・・・ニクイ・・・」というもののけ姫でてくるような怪物のような気持ちになってきた。
俺もこの旅行が終わったら早速仕事をやめたうえで、ヤドカリのもののけ達とともにこの海を守ろう思う。

 

書評【キミのお金はどこに消えるのか、マネージング・インザ・グレー、経済数学入門の入門】

 

■リフレ派の理論を説明する漫画(経済学入門の本ではないので注意)

 

キミのお金はどこに消えるのか

キミのお金はどこに消えるのか

 

 

現在、過去の日本の経済政策の功罪を、作者と中国人妻(可愛らしい)の掛け合いで説明していくスタイルの漫画。

表紙はいかにも「経済初心者むけの入門書」的な印象を抱くものだけど、内容はそれなりに前提知識が必要なのでそのつもりで。少なくとも、本の帯にあるような問題意識(インフレとデフレはどっちが悪い? 医療費増で日本はつぶれない?)を持っていないと、ちょっと置いてけぼりになるかも。
なにせ1章でいきなり「マルクス経済学の真偽とは!」だから笑 (それなりにわかりやすくはあるけどね。)

 

だから、もしあなたが、インフレってなーに? デフレと値下げって何が違うの? などの段階であれば、本書の監訳者である飯田泰之氏がわかりやすい入門者向けの本を書いているのでそちらをおすすめ。

 

で、内容的には、基本的にいわゆるリフレ派(マイルドなインフレを維持してデフレを脱却し、安定した経済政策を目指そうという理論の支持者)の主張をなぞるもの。
これがかなり過激な表現で、上念氏や高橋洋一氏が繰り返し書いていることを漫画にしましたってイメージかな。

とはいえ、消費税しね、日銀逝ってよし! だけでなく(それが半分以上だけど)、前述のマルクスの主張の是非や、金本位制の歴史、日本の選挙制度の問題などもそれぞれ1章を割いて扱っているなど、リフレまんせーと言っておしまいってわけじゃない。

また、章と章の間の小コラムには「価格ってこう決まるんですよ」、「GDPはその1年で作られた付加価値です」などという基本的な用語の説明がされているのもホっとする。

 

でも、基本的にはリフレ派を支持している僕が見ても、なんか一方的な内容すぎるかなあという印象。
僕だって、本書がもっと読まれて、「国に借金があると大変だ」「公共事業なんてろくでもない」という病にかかっている人の目を覚ましてもらえたらとてもありがたい。
でも、デフレ下にある現状で、緊縮財政や消費税の増税を主張する人々のことを「なんであんなこと言うのかわからないので、言及できない」と言っておしまいなのはちょっと物足りなかった。
緊縮大好きな日本人の支持を集めたい(ろくでもない)政治家のみならず、それなりの学者にもそうした緊縮派や、金融緩和反対派がいるわけでしょ?
何の根拠で彼らがそういう主張をするの? そうした主張の妥当性はどうなの?


ここまで緊縮派を罵倒する内容であれば、その点を表現してほしかった(ページの関係から無理なのだろうけれど・・・)。

すでにリフレ派に染まっていて、さらに知識を整理したい人向け。

 

■グレーな問題に対する、人文主義を取り入れた実用ガイド

 

マネージング・イン・ザ・グレー ビジネスの難問を解く5つの質問

マネージング・イン・ザ・グレー ビジネスの難問を解く5つの質問

 


この手のビジネス本っていうのは、たまたま上手くいった個人的な成功を後から振り返って「これが正しい方法だ」と言ったり(これがビジネス本全体の9割かな)、あるいはひどく単純な問題をこう機械的に解けばいいと言ったりするものが多い。その方が本として作りやすいから。

でもそうした本が実際の問題の解決に役立つものでないことは、もうみんな分かってるんじゃないだろうか?
そんな「解法(?)」が単なる結果論に過ぎなかったり(同じことやって死んでいった人もたくさんいるだろう)、内容を分析して唯一無二の正解を導き出せるような問題なんてそもそも無かったり。

本書はそうしたビジネス本の安易なやり方を嫌悪する。
ひたすら考えろ。苦労して考えろ。本書はとにかく頭に汗をかくことを奨励する。
うん、わかったよ、でもどうやって? 本書はその「どう考えるか」を、5つの質問に沿って紹介するものだ。

 

本書の特徴は、あくまで「実用性」を目指したものでありつつ、その前提となる哲学として可能な限り「人文的なもの」を取り入れているところ。
人文的なものってなんだ? 本書にも「定義がさまざま」とあるように僕にもよくわからん。簡単に言えば昔ながらの知恵や哲学といったところ。

でも昔ながらの哲学って退屈だし、んじゃ実際どうやって生活に適用すればいいのかよくわからんのよね。
ブッダはこう言った、アリストテレスはこう、でもなんとかティウスは・・・かましい! 俺の明日の問題を解決してくれよ!

本書にもそうした「誰々がこういった」は多く出てくる。
問題を解く鍵になるのは、そうした人たちによって鍛えられた哲学だというもんだから。


でも本書が偉いのは、そこで、こんな概念がありますよー偉人って頭いいですね、あやかりたいですね、で終わってないところ。
きちんと「実用ガイド」なんて項目を作って、それを日常の問題にどう適用するべきかが書いてある。
なんとかティウスがどうだとか鬱陶しい人はここだけ読んだっていいんじゃないかな?

 

それも、「みんなの影響考ええろ」、「とりあえず一晩寝かせろ」、「組織の政治を考慮しろ」とか、いずれも安易だったり、極端な方法だったりしない。
だから、裏を返せば実用といっても即物的な、簡単な方法じゃない。
上記したようにひたすら「頭に汗をかく方法」を提示するだけだ。


でも、それがグレーな問題に対する唯一のアプローチなのかもしれない。
ちょっとした効用を考えてみて、ああこれが正解だって、それってそもそもグレーな問題じゃないからね。

本書を読んで、グレーな問題が立ちどころに雲散霧消すると思っている人はちょっとアテがはずれるかもしれない。
(実を言うと僕もちょっとそうした期待を持っていたところもある・・・)

 

でもじっくり読み込んでみて、ここに書かれている質問を通じて日常の問題を考えられるクセがつけられれば、大きな財産になると思う。

 

■数学苦手な方への親切なガイドブック

 

経済数学入門の入門 (岩波新書)

経済数学入門の入門 (岩波新書)

 

 


本書は、経済学でどういう数学を使うのか、なぜ数学が必要なのかという話からはじまり、ごく簡単な経済理論を数学を用いて説明してみるという「経済数学のガイドブック」的な本です。

 

最近は経済学入門の書籍がブームなのか、書店でもそれ専用のコーナーが設置してある場合がありますが、それらの本は「数式いっさいなし!」をウリにしていることが多いです。
経済学は言葉で理屈を説明されても何となくわかるので、入門の段階では取り急ぎ数学を放置しても問題はないのですが、それはやはりあくまでも「何となくわかる」範疇を超えないでしょう。


とはいえ、数学をふんだんに用いたテキストを利用すると、1ページ目から何の解説もなくテイラー展開だの何だのが出てきて、そっと本を閉じる。。(そして経済学には見向きもしなくなる)
それでも我慢して、最適消費数量の求め方は暗記したものの、「なぜ微分してゼロと置くのか」がわからない。。

本書は、そうした両極端の本をつなぐ橋渡しとなるような本です。


説明されている内容は、需要供給関数の導出、「限界」の考え方など学部1年生レベルの経済学をやさしく説明しつつ、その背景にある数学的説明を高校レベルの数学を用いて行うというもの。
したがって、経済学はともかく、このレベルであっても数学を難しく感じる人がいるかもしれませんが、とりあえず「ふーん」と思って読み進められるのは、何より本書がとても誠実で丁寧なつくりとなっていることが大きい。
 
「はじめに」で著者が言うように、あくまでも本書は「読者が経済数学に入門する気になる勧誘広告」です。
本書を読むだけで直ちにマーシャル型需要関数を操れたりすることはありません
でも、その式が「いったい何を求めようとしているものなのか」は分かるようになります。


この「それで何なの? がわかる」というのは、とりわけ数学嫌いの文系学生にとって数学に取り組む大きなモチベーションとなります。
経済学部に入学したり、自己啓発で経済学を学ぼうとしつつも、数学が原因で経済学が嫌になりそうな人や、「数式いっさいなし」の本しか読まなかったが今後計算できるようになりたいという人の「第一歩」としておすすめしたい。

 

ただ、数学的な詳細が気になる読者のためとして、厳密な計算過程が書かれたページが随所に出てくるのだが、本文とはレベルがかけ離れているので、本書を読む読者にしてみると「なにこれ」と思って読み飛ばすしかない(きちんと読んで理解できる人は本書を手に取らないだろう)。
こういうのは巻末付録でも良かった。
そうした部分もあるが、全体として非常に有意義・好感の持てる本なのでおすすめ。

 

ちなみに、本書で紹介されているメゾンカイザーのアップルパイ、激ウマ。

 

 

書評【やさしい基本情報技術者講座、Learn Better、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門】

 

■情報処理の理屈がわかるようにはならない。

 

過去のシリーズからも散々に言われているとおり、本書は説明と説明とが飛び飛び、不足しているどころか、論理的に繋がっていない文章が多く、特に初学者にとっては情報処理そのものが嫌いになるように作られています。
数学のテキストでよくある「計算の過程」が全く書かれていない。
例えば、2進数を8進数に変換するところは、3桁ごとに区切ればよい、ほら簡単でしょ、答えはこれです。とだけあって、既習者にとっては「そうだよな」であっても、おそらくこの本を手にする多数の初学者にとっては「え?なんで?」となるでしょう(なぜそうなるか、という説明はありません。この箇所に限られず)。

この本が「罠」であるのは、一見すると図表、イラストが多く、分量も多いことから、初学者向けと錯覚しそうな体裁となってはいる一方、その初学者が最も必要とする理屈の説明がすっぽりと抜け落ちているという本であるということです。

章ごとに掲載されている過去問についても、章のまとめとしての力試しといったものでなく、初めて聞く単語だらけ、本文内容ではとても太刀打ちできず、解説を読む→え、なんでそうなるの?(書いてない)→そこでまた情報処理が嫌になります。

著者は東大の経済学部を出ている才女、おそらくこの説明でも理解するには十分であると感じるのでしょう。
よくある「自分ではわかってる人のする、分かりづらい説明」を聞いた気分になれます。このシリーズは毎年のように改善されていないテキストが出るが、まったくオススメできない。

 

■実用性も高い「学び方」の本
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ

 

 

まるまる一冊「学習を効率的にやるにはどうしたらいいか」について語られた本。

学習と言っても、いわゆる受験勉強などの他に、趣味のレゴブロックだとかバスケットボールとか、いわゆるスキルを伸ばすにはどうしたら良いのかについて論じられている。

著者はもともと勉強の落ちこぼれだったのが、あるとき勉強することの意義に目覚めて今の役職にまで上り詰め、その経験則や、科学的に実証されている勉強の方法が誠実に記載されているのだけど・・・役に立つ部分とそうでない部分に分かれるという印象。

「お勉強することに意義を感じている人は勉強効率が高まる、好きこそモノの上手なれってやつ。だからお勉強にもそれをやる意味を持ちましょう」みたいな話については、そのとおり。でも、そもそもどうやって意義をもちゃいいんだ? やる気がいまいち起きない人にとっちゃそれが問題なんだ。

また、効率よく勉強をするためには、まず基礎的な事実情報をきちんと習得する必要があるとのこと。例えば日本の戦後の歴史を学ぶのであればその時代の総理大臣の移り変わりを先に覚えるなど。
でも、その事実情報の習得ってのがかなりハードル高いんですわな。

大体の人の学習が、その最初のハードルを飛び越えることなく終わっていくんだけど、そのあたりは著者にしてみれば「このくらいはやるんでしょ」という前提があるように思う。

で、その辺りは読み飛ばしても、残りのテクニック的な部分は実践的で読むに値する。

 

・勉強している間はスマホを机の上に置くな。スマホをいじらなくても「視界に入る」だけで集中が大幅に低下することが知られている。


・勉強をしている最中の自分への呼びかけは、集中力と思考力の維持に効果的。例えば「この問題はそもそも何を言っているんだ?」のように。

 

など、実用的でしょ? 他にもある10数個のハウツーは今すぐ使える。
資格試験などを頑張ってやってはいるものの(まず勉強嫌いではない)、イマイチ結果についてこないような人は読んで損しないと思う。

 

■市販の経済学入門系の本ではダントツのわかりやすさ 
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

 

  

ツイッターのフォロワー達から「経済学の入門で良い本ってない?」と聞かれるたびに100万回くらいオススメしているのが本書。
最近は経済学入門系の書籍がたくさん出ていて、そのためのコーナーがある本屋も珍しくないが、その中でも段違いにわかりやすく、また内容もしっかりしている。おまけにかなり読みやすく、数学を避けてきた人にもきちんと「言葉」で説明がされている点も良い。

「数式がない」本は、しばしば、易しい言葉で表現可能な範囲の、うわべだけの知識に終わりがちだ。どのように価格は決まるの? なんで独占が起こるの? そういう時に「何となく」で終わってしまいがち。
が、本書では可能な限り、順を追った論理的な説明がされていて、それが中途半端に終わっていない。それは有名大学で人気授業を行う著者の能力のほか、翻訳者の(監訳者でなく笑)誠実な努力にもよるものでしょう。

 

「入門」と題してはいるが、お茶の間でニュースを見たり、新聞を読んだりする分にはこれで十分。
モノの価格はどうして決まるの? 公共事業ってどうして必要なの? について一般的な知識が身につきます。中高生のテキストにしたら良いと思うくらい。


姉妹として「マクロ」「ミクロ」とあるが、両方とも高いクオリティを保証します。
また、どちらを先に読んでも問題はないので、挑戦してみてください。

文句なくオススメ。

書評【子どもは40000回質問する、仕掛学、アマガミ)

 

 

■もっと好奇心を持ちなさい,という本

 

子どもは40000回質問する  あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力

子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力

 

 


好奇心をもつ人はそうで無い人よりこんなにも知能や所得が高くて,豊かな人生を送ることができるんですよ,ということが書かれた本。
日本版のタイトルが少しセンセーショナルだから誤解する人がいるかもしれないけれど,そんなに子育て一辺倒な本ではないです(子どもの関する話も一応あるけれど)。

子どもは2歳~5歳くらいまでの間,合計で40,000回も「これってなに」「どうして?」などと質問するんだそう。
それに対して大人がどう向き合うかが(つまりきちんと答えるかが),子どもの好奇心を大きく左右して,最終的な子供の学力や所得に関わってくるんだそう。

・・だけど、そうはいったって実際に親になったら大変そうだよね~。親としてどのように(効率的かつイライラせず笑)子供の「なんで」に答えるべきか、ってところが大事だと思うんだけど、この本ではとにかく「がんばれ」という感じ。
なんでなんでって・・・なんでもよ!!」なんて子供を怒るときにちょっとこの本の内容を思い出すことで我慢強くはなりそうだけども。

 

ところで、本書のなかで,「どんなに興味がわかないことでも,見方によっちゃものすごく楽しいこと,興味深いことが隠されているんですよ」ということを熱心にプレゼンする「退屈会議」というイベントが紹介されているけど,これめっちゃ面白そう。
例えば世の中には様々な形の缶詰があるんです、ほらこんなにも!!みたいな。ね、楽しそうでしょ???
「それが退屈かどうか」は,そのモノ自体の話じゃなくて,自分の好奇心次第なんだよ,と教えてくれる。子どもがせっかくもった好奇心を阻害するような親にはならんでおこう・・・。

■これから更に深めてほしい分野

 

 

「ここにゴミを捨てないでください」という直接的なメッセージよりも,そこに神社の鳥居のモニュメントやシールを貼っておくことで「何となく」ゴミを捨てづらくさせる・・・,そんな工夫がたくさん紹介してある本。そうした工夫を仕掛"学"と銘打っているだけあって,いろいろ細分化,系統化している・・・が,この本では取りあえずそこまで。

「へ~,世の中にはこんなのあるんだな~」という図鑑のような本で,それはそれで面白いけど,これであなたも自在に仕掛け作れるよというハウツー本みたいなものじゃないから,その点は理解しておいたほうがいいです。


「ここで○○するな」あるいは「○○してください」のような直接的呼びかけは本当に工夫がないもの(ゆえに無力)だなあと気づかされます。

 

■七咲に恋した!!!

 

エビコレ+ アマガミ特典なし - PSVita

エビコレ+ アマガミ特典なし - PSVita

 

 

社会人ですが,久しぶりに恋をしました。七咲が本当に可愛い。

これ以上可愛い人がいるんだろうか? 僕にはどうもそう思われない。
それだけで★100なんですが,Amazonのシステム上5までしか付けられないのが実に残念です。
思ったよりずっと分岐やイベントが多くて,全部楽しみ尽くそうとしたら相当長いこと楽しめます。ゲームシステムも単純でありながら飽きがこない仕組み。バッドエンドもそれなりにあって笑える。


こうしたゲームがさらにコツコツ進めることのできるPS VITAで出たというのはありがたい。Amazonにはぜひシステム改修をおこなって★100まで付けられるようにしていただきたい。