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髪を切るときなんていえばいいんだ、の話

 

今日は髪の毛を切りにいく。


俺が髪の毛を切るときはいつも発作的だ。
普通は、「前回切ってからもう1ヶ月くらいは経つから、そろそろかな~」とか言って予約するんだろうが、俺は仕事中に突然「あれ?!俺なんでこんな髪の毛長いんだ!?」と気がつく。
それから行き着けの美容室に電話して「すみません今日空いてますか!?!」と聞いて、空いていればその日に行く。美容師さん的にはなんでこいつこんな毎回大慌てで髪の毛きりに来るんだと思っているだろう。


俺が普段いっている美容院は、東京都内の小さなお店だ。
この店は珍しく、カットを夜の22時半まで受け付けているから凄く便利で、この5年間くらいはずっとそこを利用している。

上記したように俺は発作的に髪の毛を切りに行くから、こうした深夜の時間まで営業しているお店は仕事帰りに寄れてとても便利なんだ。


そんな夜遅くまで営業していてお客なんか来るのか? というと、来る。
繁華街で営業する美容室は、深夜に働くキャバ嬢などに非常に需要があるのだ。
そんなわけで、俺が深夜の時間帯に訪れた時は、客層がしばしば「キャバ嬢・キャバ嬢・俺・キャバ嬢」みたいなこともある。しかも同じ店から来てたりする仲間のキャバ嬢だったりするから「あのオヤジまじで今度セクハラで別料金10万とってやるわ」という和やかな会話で和気あいあいとしている。
みんな仲良く髪を切ってもらった後は、「みんな!これからアフターがんばるわよ!」と、なぜか俺も混ざってみんなでガッツポーズしている。


で、美容室において、俺たちのようなオタクをしばしば悩ませる最大のポイントが、美容師の発する「どのような感じにしましょうか」という恐るべき質問であるというのは疑う余地が無いだろう。
これへの模範解答は、いまだどの学会においても示されてはいない。


「普通で」というのがもっともあるべき答えなのだろうが、そうすると今までは本当に営業スマイルをニコニコさせていた美容師さんが突然キリっとソクラテスのような顔をして「普通とは何か」という極めて哲学的な問いかけをするからやっかいだ。
「普通」の反対語は「奇妙」だから、「奇妙な髪型でなければなんでもいいです」と答えておくのがよさそうだ。


そのほかによくあるテンプレ回答としては「軽くしてください」というのがある。

が、ここでも「どのくらい軽くですか」と聞かれる場合があるから、その時に俺は「仕事に遅刻しそうなときに飛べるくらい軽くしておいてください」と頼んでいる(おかげで電車に乗り遅れても最近は羽ばたいて間に合わせることが可能となった)。


美容師さんによっては「何かイメージしているヘアスタイルとかありますか」といってヘアスタイル一覧表みたいなのを渡してくることがある。

中を見ると、ベリーショートな男たちが、きれいなソフトモヒカンになった写真が並んでいる。
これはもしかしたら、根拠のない俺の偏見かもしれなくて、仮にそうであったら申し訳ないのだが、ソフトモヒカンにしている男ってとくに理由も無くすれ違った人の胸ぐらとか掴んできそうなイメージある

怖いなあと思いながら次のページにいくと、またソフトモヒカンだ。次のページもモヒカン。
表紙を見るとあなたもきっと似合うスタイルがあるソフトモヒカン特集とある。あのな、何でソフトモヒカン縛りで選ばなきゃならないんだよ!


最近はそうした応答が面倒くさくてしかたないから、もうウケ狙いで、女性向けヘアカタログをひらいて、その中でめちゃくちゃキャバ嬢っぽい人のページをさして「このように」と伝えている。


そして、美容師の神業で見事にキャバ嬢となった俺は、深夜同じ店に訪れていたキャバ嬢たちとともに、夜の東京へと繰り出していくのであった。

 

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※キャバ嬢ヘアとなった際の筆者の自撮り