これまでにピアノ関係の話を何度かしてきているから,タグで管理することにした。
興味がある方はピアノ教室に通いはじめた頃から読んでもらいたい。
ただ残念なことにピアノの記事であるにも関わらず,俺がきちんとピアノを弾いていると思われる記述は限りなくゼロだということを最初にお断りしておく。
で,今日もまたピアノの話をする。
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今年の5月からピアノ教室に通っているわけだが,未だに楽譜の記号が読めなくて苦労している。
ピアノの記号っていったい何種類あるんだ?
この銀河の全ての星の数より多いと思われてくる。
音楽記号って,普通は,小学校や中学校の音楽の時間で学ぶことなんだろうが,そういった貴重な時間を,教科書に載っているベートーヴェンの顔をいかにアメリカのバスケットボール選手っぽくデザインし直すか,そのクオリティの追求に9割以上を注ぎ込んでいた俺は,もう基本的なことからさっぱりというわけ。
※そんなバカが30歳になってからピアノ教室に行き始めるなんてお釈迦様でもわからないよな。
で,今日は俺が見つけてきたピアノのわけわからん記号を紹介したいと思う。
みんなもその意味を想像しながら読んでほしい。
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①俺たちはピアノを弾いている。
まずはこの記号をご紹介したい。
しばしば音符の近くに書いてある。
なんだこりゃ? 駐車場か? と思って調べると,
これは「ピアノ」という名前の記号なんだって。
ここは「ピアノ」で弾きましょう,とか書いてある。
言われなくてもピアノで弾いているわよ!?!
ピアノじゃなかったら何で弾けってんだ??ウィンドチャイムか?!(シャララララ)
こうして俺はまず,ピアノで弾く楽譜にわざわざピアノの記号が付いてることにびっくりしたわけだが,それを踏まえて次の記号を見てもらいたい。
「ピアノ,ピアノ,さらにピアノ」だ。
そんなに言われんでもわかるわ!!
これは「ここ絶対ピアノで弾けよ。間違ってもそのウィンドチャイム鳴らすんじゃないぞ!というかお前それ家に置いてこいよ!!すごく邪魔だし!!」という意味だと思う。
②俺たちは無駄なウネウネが好きじゃない。
これはよく見たことがあるだろうが,ト音記号と呼ばれるものだ。
読み方はわかる,で,その意味するところは?
先生に聞いたところ,「ト音」というのは「ソ」を表すのだそうで,このマークの書き始めの部分が「ト音」の線ですと宣言するよくわからんルールがあるんだそうだ。
「ト」がいったいどのような経緯で「ソ」と読むようになったのか,それは取り敢えずいい。
無駄なウネウネ多くね?!?!?!
この線がト音ですって言いたいだけならこんなんでいいだろ!
(ここまで書いてきて,もしかしたら純粋にピアノが好きな人を怒らせているかもしれないと思い始めてきたが,どんどんいこう。)
③俺たちは小5で算数を捨てたわけじゃない。
次に,これはそのト音記号の横にしばしば書かれているものだ。
4分の4拍子というらしい。4分の4?
約分しろよ!
④俺たちはピアノ弾きながらもオシャレだ。
それからこの記号は俺たちの生活でも非常に関わりがあるもので,眉毛抜きだ。
「眉毛を抜く時のように慎重に」という意味だ。
これは音楽記号の中で唯一わかりやすいから例外としてご紹介した。
全ての記号がこういったわかりやすいものだと本当に良いと思う。
⑤俺たちは大学に行きたくない。
このマークご存知だろうか。
調べたら「全休符」とある。
「全休」というのは実に素晴らしい響きだ。何と言っても全部休みだからな。
意味も「休み」だって!やったあ!
あなたが大学生ならわかるだろうが,巨大台風なんかがやってきて,自分の大学がある市区町村に気象警報が発令されると,その日の講義が全休になる。
つまり大学に行かなくてもいい!
そんなに大学行きたくないならお前はどうして大学に進学したんだとかいうつまらん説教など聞く耳持たず,全休になると大喜びでパジャマに着替えなおして二度寝したものだ。家が台風で吹き飛ばされそうなのに。
以上のような理由から,ピアノのレッスン中にこの「全休符」記号が出てきたところで「おお! そうかそうか^^」と当時のように安心し,いそいそとパジャマに着替えて二度寝しようと思ったところ,先生に「えっ・・・(なんだこいつ汗)」って顔をされた! 歯磨きをしてなかったからか??
ちなみに,全休符よりももっと短い「2分休符」とか「4分休符」とかもあるらしい。
「2分休めるってことはトイレタイムくらいはできるか??」と思ってトイレに行こうとしたら先生「お前は何をやっている?」だからな。どうやら休んでもいいけれどピアノから離れちゃダメらしいことはわかった。
みんなも4分休符だとか言われてもトイレでうんことかしちゃダメだぞ(小学校2年生レベルの発想だ)。
⑤俺たちは犬が大好きだ。
これは遠くから見ると犬に見えて可愛い。意味はしらん。
こんな感じだ。
(画:俺)
右下の点はうんこ(小学校2年生レベルの発想だ)。
約分しろよ!
⑥俺たちはドリルが好きだ。
これは工作とかが好きな男子はよく見たことがあると思う。
ハンドドリルの先っぽの記号だ。
これな。
たぶん,「お前これ以上ここで間違えたらドリルで頭に穴開けてやるかな」という意味だと思う。恐ろしい楽譜だ。
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これまでは楽譜にしばしば出てくる意味のわかりにくい記号について書いてきたが,次は記号とは少し違う「指示」を紹介する。
「指示」ってのは,楽譜の一番上に日本語で「ゆったりと」「優雅に」とか書いてある,演奏をするうえでの雰囲気(?)みたいなもんだ(少なくとも俺が持っている本には書いてある)。これがたまに意味不明な時がある。
⑦俺たちは変顔で忙しい。
まずはこれを見てほしい。
「表情豊かに」ときたもんだ。
弾きながら色んな顔をしなきゃいけないから忙しい。
これを見た時俺は,ちょっと不思議に思いながらも,怒った顔をしたり,笑ったり,泣いた顔をしたり,とにかくピアノ弾きながら色々と面白い顔をしてみたんだ。
そしたら先生の「えっ・・・(なんだこいつ汗)」だからな。
あのな,指示にあんだよ!!
俺もやりたくてそんな変顔してるんじゃないんだ!!
⑦俺たちを病院に行かせてくれ。
次にこれだ。
お前たちに聞きたい。一度でいい。本当に,生まれてきてから一度きりでいい!
ゴッホゴッホ咳き込みながらピアノ弾いてる奴見たことあるか?!?
これ俺が最近買った「やさしいおとなのピアノ楽曲集」に書いてあるからな!
優しいんだったら病院行かせてくれよ!
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調べてみると,このピアノの指示はネットとかでも「謎指示シリーズ」とかいって,割りとネタにされることも多い「遊び」が入っている箇所なんだそうだ。
例えばこれ,有名らしいがブルース・リー主演映画「燃えよドラゴン」の楽譜に書かれている以下のような指示。
「半裸で」
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更にもっとヤバいものを見たことがある。
ちょっと前にTwitterで話題になったけれど,マウリシオ・カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」とかいうやつで,曲の最後にこんな指示がある。
【ティンパニに頭から突っ込め】
YouTubeに動画があるから見てもらいたい。本気で頭から楽器壊してるから!!
知人いわく「練習の時は,いちいちティンパニ壊してるともったいないから,ティンパニ型のドームに普通の紙を貼って,そこに突っ込むようにしている」とのこと。
へえーーー!!!
なんか「咳き込みながら弾け」とかいうのも普通に思えてきたわ……。
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俺は思う。ピアニスト達というのは本当に凄い。
卓越した技術のほかに,無限にある記号を読みこなしているわけだからな。
ピアノの先生いわく,大学の音楽科などで学ぶピアノの教本というのは電話帳くらいの厚さなんだという。
【半裸で】とかも書いてあるんだろうか,気になる。
相変わらずピアノを一切弾かないピアノの記事だな!